第十五話

 side:ギルド長


 あぁ、本当に仕事漬けの日々を送っているのに最近はより酷くなった。これもあの女と魔物の異常発生のせいだ。

 特にあの女。ユキだったか、一、二年かかるはずのCランクに三ヶ月で上がるわ、アレクを除いて決闘を挑んだ奴ら全員を叩きのめして骨折させるせいで人不足になるわ。人の形をした災害だろ。あれ。


 だが、運が良いのか悪いのか、ユキが


 すまない、紹介が遅れた。俺はアウグルのギルド長、アイギスというものだ。

 これでも元Sランクだ。

 そのSランクの直感が言っている今回はめんどい事になるってな。


 だが、不幸中の幸いかユキがいてくれて助かった。

 直感が外れている事を願うばかりだ。


 ーーーーー


 side:ユキ


 実際に森に来たが異常という異常は見当たらない。

 強いて言うならいつもよりも魔物が少ないかな。

 多分、魔力が一カ所に集まっているからか。

 できるだけ近づこうかな。

 そんな事を考えながら魔力が集まっている所に歩みを進めて行く。


 ふむ、魔物が増えて来た。その上、知性のある行動をとる魔物が出て来る。

 だが、私の前に出て来た魔物は殲滅する。

 中には上位種であるハイゴブリン、ハイオーク、ハイコボルトがいたが関係はない。


 どんどん進んで行く。そしたら何やら会話が聞こえて来る。

「今かラ三回、日が沈んダラ人間ノ街に攻め込ム。分かったカ」

「「「「「ウォーー」」」」」

 言葉を介する魔物を見つけたので戻る。

 言葉を使っていたのはおそらくオークだ。


 早く戻ろうか。気付かれると面倒だからね。

 そうと決めたら早速、戻ろう。


 ーーーーー


 ギルドまで戻って来た。

 そして、受付に向かい、依頼が完了した事を伝える。

「分かりました。詳しい報告はギルド長にお願いします」

「了解しました」 

 というわけでギルド長室に向かう。


 ギルド長室前まで行きノックを三回する。

「誰だ」

「異常の報告に来ました」

「入れ」

「失礼します」

 入室し、椅子を勧められたので座る。


「原因の異常は見つかったか?」

「はい」

「なら、説明しな」

「まず、言葉を話す魔物がいました。おそらくオークです。三日後攻めると話してました。敵の数は最低でも二百はいます」

「最低でもジェネラルか...。しかも三日後か。援軍が来る時間も足りん。辺境伯に応援を呼んでも足りるか分からん。他の情報はないか?」

 と問われるので首を横に振る。

「ない、か。だが緊急依頼はださないといけないだろうな。すまない、あまりにも大事になったからな。報酬の金貨三枚と達成書だ。達成書は受付に渡してくれ」

「了解しました」

 金貨三枚と達成書を受け取り退室する。


 達成書は受付に渡し、ギルドを後にする。

 おそらくもう少しで緊急依頼が出るだろうし何をして時間を潰そうか。


 ...この短期間だったら何もできないな。

 戻るか。

 闘技場のようなところにでも行くとするか。

 そう考え、ギルドに足を進める。


 そう言えば、闘技場は基本的に自由に使えるらしい。

 そんな闘技場に行くと一番最初に決闘をした青年とその仲間がいた。

 二対三で戦っている。

 その戦いから離れたところで刀を振る。


 相手がいる事を想像して刀を振る。

 出来るだけ隙を少なく、次の攻撃に移せるように。

 そして、予備動作を小さく、相手に次の攻撃を悟られないような動きを意識をする。


 刀を振り始めてから三十分後、青年たちの戦いは終わったようだ。

 そして、青年がこっちに来て

「君も一緒に戦わないか?」

 と聞かれる。


 ふむ、実際に相手がいると良いな。

「分かった。でも、五対一をしたい」

「なるほど。俺は良いけどルクーたちも良いって言ったら良いぜ。って言う訳でどうだ?」

「俺たちも全然良いよな?」

 と青年と戦った時に連れて行った男が青年以外の他の仲間に聞く。

 三人が頷いたのを確認し

「って言う訳で良いが、自分の力を過信しすぎじゃないか?俺たちはAランクだぜ」


 ...過信、か。

「私は過信してるつもりはないよ。自分の努力を信じてるだけ。でも、君たちがそう思っているのならその過信して高くなった鼻を叩き折って」

「そうか、それなら慢心と過信で高くなった鼻を折ってやるよ」

 いやー、楽しみだな。

「熱くなりすぎたらダメだよルクー」

 と女性がルクーを宥める。


「それじゃあ、始めようか。ルールは前戦った時と一緒で、武器は持ったか?」

 と聞かれたので頷く。

「みんなも良いかい?」

 相手も全員頷いたのを確認した後


「それじゃあ、始め」


 まずは遠距離からだ。

 魔法使いと弓使いがいるが片方は潰しておきたい。

 殺さない範囲での全力も慣れて来たし、早速、潰すか。

 魔力で全身を覆い強化する。

 そして、魔法使いの少女をめがけて目にも留まらぬ速さで向かう。


「真剣ならこのまま刺したら私は君を殺す事ができる。降参してくれないか?」

 と首を突く一歩手前で問う。

「は、はひ」





 ⭐︎ーーーーー

 神様たちの修行をすっ飛ばしたので番外編みたいな感じで出そうと思っています。

 作品の星の数が10を超えたら作り始めようと思います。


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ストイックな異世界入り ss @s3q4

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