第七話
体から離れた魔力の操作をし始めてから一年ぐらい経った。
魔力を体から出し続けていたらで魔力切れが起こりかけてイス様に怒られたり、練習のしすぎでアマ様に休まされたり、アス様に戦わされたりした。
練習をして魔力の操作できる時間は伸びたがたったの三秒だ。
短期間でできるとは思っていなかったがこんなに成長できないとは考えていなかった。
コツをアマ様やイス様、ティス様そしてアス様にも聞いた。理論は頭でわかった。でも、体がうまいこといかない。
「魔力を圧縮したり、魔力の球の外側の使う魔力量を増やせばいいとわかっても出来ないなー」
と言いながら魔力を圧縮しようとするが圧縮する前に霧散してしまう。
さぁ、どうするべきか。
そうだ、体内で圧縮すればいいじゃん。
そうと決まれば早速やろう。循環しているところから十分の一ほど魔力をとって魔力の通っていない太ももの方に移動させる。
それじゃあ、圧縮だ。
体内なので霧散する心配がないためゆっくり慎重に圧縮するが
「マズイ、アガッ」
痛い、何が起こった。痛いせいか考えがまとまらない。とりあえず、ある程度痛みが引くまで待たないと。
ーーー
やっと引いてきた。なぜ、痛みが起こったか考えるか。
まず、痛みが発生した理由からだ。圧縮をミスった後に痛みが来たことからおそらく、魔力が原因だろう。そして、魔力が循環せず、体全体に広がっているから体内で爆発したのだろう。
でも、もし体内で爆発したのならなぜだ。体外では霧散していたのに。わからないことが多いなぁー。
もう何回かするか。神様達がいないうちにしないと。ということで、また、圧縮をする。前回と違うのは、圧縮をミスった後の方が大切ということだ。
一回目は痛みが魔力の広がりが原因であることがわかった。
二回目は爆発する理由を調べようとしたが失敗した。だが仮説は立てられた。
仮説は魔力が圧縮から解放されるときの魔力の動きが速いため、体が魔力の動きに耐えきれられないのではないかというものだ。
この仮説を簡単にすると魔力に体が耐えきれないで体が爆発四散するのではないかってことだ。でもここが天界だから実際に四散はしていないと思われる。
この仮説は他の条件でも試す必要があるな。
三回目は循環していた魔力が体全体に広がった理由を探った。結論は魔力の爆発によって循環している魔力も巻き込まれたって感じだ。詳しいことはわからなかった。
この検証を含めた訓練である程度上手く慣れたと思う。
というわけで4回目はミスをしないように魔力を圧縮するか。魔力を圧縮していくが圧縮している魔力が回転していることに気がついた。そして圧縮すればするほど回転の速度は上がる。これが爆発の原因だわ。たぶん。そら解放された時の速度は速いわ。
これって回転を遅くすればもっと圧縮できるじゃん。それじゃあ、ただ圧縮しているのを逆回転の要素の入った圧縮を少しずつ入れ込む。
イメージはお風呂のお湯を抜く時にできる水の渦巻きを手で逆回転に回して、渦をなくそうとする感じだ。だから、少ししか弱まらないんだよね。おそらく技術が足りていないから自分が魔力の回転をコントロールできるイメージがつかないんだろうね。まぁ、もう止められないけど、痛みに耐える覚悟を持って魔力の操作をやめる。
「ふぐっ...」
五回の痛みを味わったからか、ある程度慣れて思考がまとまらないほどの感じ方はしないがこれ以上の痛みに慣れそうにない。
立てた仮説の圧縮した魔力が速い理由が知れてよかった。じゃないわ、技術が足りない。あと、時間もあまりない。神様達が戻ってきちゃうからね。
何回できるかわからないし回数をこなさないと。
ーーーーー
あれから何時間立っただろうか。何回も失敗したがやっと、目標の一センチにすることが出来た。
この魔力、外に出してみよう。おっ上手いこと外に出せたしそのまま投げてみよう。
ドゴーーン
という音を立てて消滅する。
「やな感じがするなー」
「そうだね」
「でも傷跡は残ってなさそうだぞ」
「当たり前でしょー。ここ天界よ」
「それもそうですね。一つだけ聞かせてください。何回目から見てました?」
と背後に立っている神様達に聞く。
「八回目」
とイス様が答えるが絶対最初から見てるやつじゃないですか。あぁおわった。
「わかってると思うけど、説教だね」
アマ様とアス様はもうどっか行った。
「まず、あなたは魔力に対する認識を改める必要があるね。魔力というものは・・・」
side:アマ、アス
「イスの言った通りになったな」
「そうねぇ。でも数十回もすると思っていなかったわ」
「これでさっき言ってた、あいつが狂っているってことがよくわかったぜ」
「それは一年ほど前からその片鱗はあったでしょ」
「ま、そうだな。普通の人間なら動くことすらできないはずなのに立ち上がっていたからな」
「それはユキに感謝しなさいよ。普通の人間なら廃人になるところだからね」
「でも、あんたが連れてくる人間が普通なわけがねーぜ」
「それもそうね」
と言い合いながら見守っていたのだった。
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