第十三話
side:ユキ
今、私は薬草採取のために森に来ている。
薬草は基本的には魔力の多いとこが群生地だから魔力が多いところを探すが大体は取られている。
「やっぱり奥の方に行かないといけないのかなぁ」
と呟きながらより深く進んでいく。
深く進んでも薬草は見当たらないな。
やっぱり根こそぎいかれてるのか?
まだ奥に進まないと行けなさそうだ。
見つけた。ここは誰も立ち入ってないようだ。そのおかげか薬草の数が多い。
風魔法を使って根を切らない魔力草を採取する。
根の部分は使うことはないからね。
よし、これでまた来た時に採取することができる。
ここからは魔力草とそれ以外にわかる作業をしなくてはならない。
ま、それ以外といっても一つしかないんだけどね。それは魔力異常草っていう名前だ。普通なら一定量で吸収するはずだった魔力がなんらかの理由で一定量を超えて吸収された場合に発生する魔力草だ。
ちなみに普通に使ったら毒草だ。
判別方法は分かりやすく、葉や茎に亀裂が大量に入っていたら魔力異常草になる。
よし、終了っと。
アイテムボックスに両方とも収納できたし、次を探すか。
ーーーーー
あれから五カ所の群生地を見つけ、薬草を回収した。
途中でオークやゴブリンが襲いかかってきたが首を風魔法でぶった斬った。
あと、背後を付けられていたが二カ所目ぐらいにはもうどっか行っていたけどね。
ま、これで当分の金策には困らないだろう。
今は日が落ちてる。朝方に帰れるようゆっくり戻ろう。
そういえば、お腹は減らないし、眠くもならない。 でもご飯は食べれるし、おそらく寝れるだろう。
やっぱり半分、神になった影響かな?
食べ物や寝床に金をあまりかからなさそうでいい。
ーーーーー
夜が明けてきた。それと同時に門も見えてきた。
帰っている途中では魔物は近づいて来なかった。魔物の死体をそこら辺に置いていたからだろうか。来ないなら楽でいいけどね。
門の手前まで行くと門番が話しかけてきた。
「嬢ちゃん...、昨日は帰って来なくて心配したんだぜ。新人は基本的に一日で帰ってくるからよー。死んじまったんじゃねぇかと思ってよ」
「すみません...」
「いや、謝ることじゃねぇよ。勘違いした俺が悪いしな。よしっ、通っていいぞ」
礼をした後、門を通る。
心配させてしまったようだ。んー、できるだけ一日で帰ろうかな。どうしようか?
そんなことを考えているとギルドに着いた。
ギルドに入って買い取りに直行する。
「薬草の買い取りをお願いします」
と言いながらアイテムボックスから薬草を入れた袋を取り出す。
「あいよー、ここに置いてくれ。..お.多いな...これは時間がかかりそうだから待っといてくれ」
「分かりました」
というやりとりをして横にずれる。
買い取り場では薬草以外にも魔物も買い取ってくれるらしい。しくじった、倒した魔物も持ってくればよかった。まぁ、過ぎたことだし。次からは持って行こう。
「薬草の査定が終わったよ」
思ったよりも早かったな。
「しっかり根が切られていて、その上、毒草も入っていなくて楽で助かったよ。新人は薬草の知識を持ってないからよく間違えるんだかな。はい、一本銅貨三枚の薬草が百五十八のミスなしでマイナスもなしだから銀貨四枚と銅貨七十四枚だ。間違いないか確認しろよ」
「....ありがとうございます」
「後、受付にこれを持って行ってくれ」
「分かりました」
と言って紙を受け取り受付に持って行く。
「よろしくお願いします」
「はい、...ランクアップですね。それでは、ランクの書き換えを行いますので冒険者カードを預かります」
「お願いします」
「少々お待ちください」
と言われたので少しずれて待つ。
待っていると五人組がこちらにやってくる。そして私の前に一人の男がやってきて
「僕と戦ってくれないだろうか」
と言うので
「私に戦うメリットがあるなら」
と答えるが周りがうるさい。
やれ、戦ってもらえるだけ感謝しろだの。やれ、薬草採取しかできないんだろだの。
数多くのヤジが飛んでくる。
そんな周りの声を無視し、相手が提示してくるメリットを待つ。
「..君が勝ったら僕が一つ言うことを聞くって言うのはどうだ?」
「それはどの範囲まで?」
「犯罪は無理だし、お金も今は金貨十枚しか持っていないからな。うーん、金銭の場合は金貨三枚が出せる上限だ。他の命令でも拘束できる期間は一日まででどうだろうか」
思っていたより範囲が狭いな。一週間くらい期間があればできることもあったんだが、まぁ、いいや。
「ん...分かった。それでルールはどうするつもり?」
今、考える中で一番いいのは金貨だな。すぐ受け取れそうだし。
「それは訓練場で話そう。こっちだ」
と言って歩くので着いて行く。
着いて行くと闘技場のようなところに出た。
ここは空間魔術が使われているようだ。空間が広げられているようだからね。
「よし、それじゃあ、ルールを決めよう。まず、使う武器はあそこにある木製の武器で殺しはなし。相手を降参もしくは気絶させることができたら勝ち。これでいいかな?」
私にデメリットはなさそうだし大丈夫そうだね。
「...分かった」
と言いながら武器を選ぶ。
大体、一メートルぐらいの剣を取る。
やはり、木でできているためか軽い。
このくらいなら誤差の範囲だから問題ないな。
と試し振りをしながら確認する
「準備はいいか?始めるよ」
「分かった」
相手の武器はハルバードか。できるだけ先手を打つべきだな。
「それじゃあ、よーい、始め」
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