俺の家には割と完璧な弟と、熱心に愛を与える両親がいた。 周りからは「仲良し家族」と呼ばれ、順風満帆な生活が続いていた。 そして現在、涙雨の下で、棺を見つめている。 息子としても、兄としても資格のない俺は、見なかったことにした日々を振り返る……・ 最初から最後まで、鬱屈が詰まった作品でした。 諦めの混じった語り口から滔々と語られる、目を背けたくなる事実。 歯車が歪んだまま回っていくのをただ見守るしかなく、どうしようもない無力感が押し寄せてきます。 これ以下にはならないだろう、という部分から更に下がるので、ショックには注意です。
まず、二話完結です。これ大事です。それが、この物語の『深さ』を意味してますので。もしかしたら、一気に読んでしまうのは勿体ないかもしれません……。一話を読んで、一日考えて、そして二話目。そう読んでいただいたほうが、呑み込めるかもしれません。なので、まずは、とにかく一話を読んでみてください。きっと、そうすれば、次を読まなければ、満足しませんから。もちろん、いい意味で、です!
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