おにぎりぴより〜桜文鳥のゆるゆる日記〜

堀内 清瑞

第1話 ペットショップでの出会い

 ある日、ショッピングモールにあるペットショップの前を通りがかり、足を止めた。


 なぜかペットショップが気になって仕方がない。

 気がつくと私はペットショップに吸い込まれる様に入店していて、小鳥のコーナーの前で佇む。


 目の前にはセキセイインコのヒナたちがケースに入れられ、身を寄せて固まっている。緑や青、黄色にラベンダー、セキセイインコの羽色の多さに驚く。


 別のケースにはクリームイエローのオカメインコが一羽で立っていた。他のケースは白文鳥が数羽、シルバー文鳥が数羽、桜文鳥が二羽と種類ごとに分けられていた。


 展示ガラス越しにオカメインコを見ていると、目の端に動くものが気になった。視線を向けてびっくり!


 他のケースにいる文鳥のヒナたちは、身を寄せ合ってまったりしているが、桜文鳥のケースだけは様子が違う。


 猪突猛進でケースに体を預け、脚は空回りしている。二羽はお互いを踏みつけ乗り越え、我先にと競っているかの様だった。


 ヒナの行動に私はぽかんとしてしまった。多分、口も開いていたと思う。外出時はマスク必須の時期だったため、おマヌケな顔を晒さなくてすんだが。


 まぁ、小鳥のコーナーにいたのは私だけだったから、どんな顔をしていても平気といえば平気だったけどね。




 セキセイのヒナがケースの中で左右に動き、連れてってアピールをしているのをよく目にしていた。

 なかにはでんぐり返しをしてアピールするツワモノな子もいたなぁ。かわいくて連れて帰りたくなったけど、我慢ができた。


 しかし、この桜文鳥たちの行動を目の当たりにして、連れて帰りたくなってしまい、家族に相談すると、


「気に入ったなら、きっと縁があるんだよ。連れていけば?」 


 言われて、その気になる。


 問題は二羽のうち、どちらを連れて帰るかだった。

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