ゲシェンク

【ルビーファンタジーBL小説大賞 応募用の粗筋です。ある程度、ネタを割ってます】





　軍事大国ユートパクスはウィスタリア帝国を制圧した。ユートパクスの皇帝オーディン・マークスは、ウィスタリアの皇女を妻としたが、それからわずか数年で彼の政権は崩壊し、妻は、生まれたばかりの息子エドゥアルドを連れて、実家であるウィスタリアの宮廷へ帰ってしまう。
　やがて母も去り、エドゥアルドは皇帝である祖父と、宰相メトフェッセルの監視の元で育てられた。父オーディンはこの国の宿敵だったから、彼は周囲の白眼視に耐え、孤独のうちに成長していった。

　クラウス・フィツェックは、ウィスタリアの没落貴族の息子だ。父はユートパクスのオーディン軍の侵略で殺され、幼い彼も死にかけたが、ギルベルト・ロレンスに命を救われた。…続きを読む