終章

帝を含む、虹族が住まう宮中。その敷地内にある白塗りの屋敷の一室で、瞳が白い男が一人。


「漸く、見つけた。透明な歌声を持つ娘を……」


一人呟く男は、屋敷の窓から、白い百合の花を眺める。恩人である人が好きだった花を……


「これでやっと、あなたに報いることができる。月白げっぱく様」


月光を浴びる百合の花は、誰かを待つように夜風に揺れた。

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色彩に歌い舞う、白き瞳の花嫁 —火に灯る心— 葛西藤乃 @wister777noke

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