第三章〜4(完)
わたしたちが
「ビームを
「そうだよ! あんなのがあったら
「何でだ? 何で
「うんざりだよ! ゲームの続きはしたいし、動画とか
わたしは、
他の四人のように
でも、
「わたしは他の人にも好きなことしてもらいたいんだよ! 電脳悪霊とかハクティビストJとか、そんなの気にしないで!」
わたしは
「だから、わたしは倒す!」
「なら
ペトヤが両手を広げると、
わたしと丞はシールドをはる。
「丞が本体を
「
わたしのシールドの後ろにいるマーキュリーは、キーボードで勇ましい伴奏を弾く。
「ああそうだ! 俺たちは戦士だ! 勝利のために、
『こっ、これは
詩絵留
マーキュリーの声と共に、いくつもの
……何か思ってたよりすごい。いいことなんだけど、マーキュリーが何がどこまでできるのか分からないのはものすごくネックだ。
かといって、マーキュリーを引かせたところで、わたしが二体を同時に攻撃できるわけでもないし、丞に早いとこ動いてもらおうかな。
「丞、タイミング見て行っちゃって!」
丞がシールドを弱めて一歩
「うわっ」
わたしがシールドで防ぐと、上手い具合に跳ね返った。
それを見た丞は、はっとして飛び出し、衝撃弾を右足で
「てやあ!」
光が強くなった衝撃弾はそのまま本体へとぶつかっていく。
「なるほど!」
わたしも創斗くんにお願いしてから、
威力は弱いけど、幅広い衝撃波が、マーキュリーの衝撃弾にまとわりつく。
「丞! 衝撃弾はわたしが引き受けるから、とどめお願い! 詩絵留、エネルギー
丞はそれを
「いけー! フリーズシュート!」
かけ声と共に、丞が右前足をけり出すと、身長くらいの光の球が本体へと向かった。
「こしゃくな!」
ペトヤが
「進め進め進め!」
マーキュリーがコールすると、丞の放ったシュートはさらに力を増す。
光がペトヤを包み込む。
「うぎゃあああああぁぁぁ!」
耳をつんざくような
「いけー!」
その後、創斗くんと詩絵留がやってきて、
「仲間たちがハクティビストJのアジトを見つけて、君たちを
「そーなんだ。……ところでどれくらい時間がたったの?」
「んー、今15時カナ」
それを聞いたマーキュリーが
「しまった! ライブにすっかり
「……ライブどころじゃなかったものね」
「アジトはZ駅からそんなに離れてなかったケド、どうする? やっとく?」
ヒポタンの言葉にマーキュリーは頷いた。
「ああ、もちろん! 俺は歌で世界を救いたいんだ!」
Z駅に
一応、ブログに『トラブルがあって、これから始めます』とは書き加えてはいる。
「
「ああそうだ! 俺たちは戦士だ! 勝利のために、
セットリストの中には、あの四方八方に光の球を飛ばした歌も入っている。
人々が集まる中で、堂々と歌うマーキュリーは、やっぱりわたしと同じ小学五年生とは思えない。顔を
「生のマーキュリー……
少女漫画の主人公みたいにつぶらな瞳をうるませた詩絵留が横でつぶやいている。
右側をちらりと見る、当初来る予定のなかった男子二人も夢中になって聴いている。
前会ったよりも大人びて見える。今日会うと思ってなかったので、心の準備が足りない。
「家で詩絵留に
曲の合間にとつぜんこちらを向いて話しかけてくる。目が合って、ものすごく
「……どうしたの?
心配そうな創斗くん。
今まではわたしが見下ろしていたはずなのに、その差が縮んでいることに突然気付いた。
「だ、大丈夫っ」
「
「蘭さん
左側でヒポタン(人間バージョン)がなんか言っていて、右側の創斗くんは
「へっ、いやっ、平――」
「ああ、ボクはあの未知なる力を
ヒポタンうるさいわ!
やがて次の曲が始まり、ストリートライブは、開始時間が遅くなった以外の問題もなく、
ライブ終了後、ファンに
そして翌日、
「あ、昨日できなかったし、自己紹介。俺、
牧之内求。まきのうちきゅう。まーきゅりー。
「ああ、だからマーキュリーなんだ」
「そうそう。名前と似ていた方が忘れないからな。気軽に
昨日も思ったけど、求は結構いい人そうだ。
「俺の歌をみんなが聴いて、笑顔になるのが幸せなんだ! さらに、世界も救えるなんてサイコーじゃないか! 蘭、創斗、丞、詩絵留、ヒポタン! みんなよろしくな!」
求はぐっと親指を立てた。
ヒポタンはパタパタとわたしたちの周りを飛び回る。
「よし! コレで電脳レスキューレンジャーS市北部支部としての体制が
当初わたしと創斗くんであわあわしていたのになぁ。すごい。
「ハクティビストJはあのペトヤだけではナイ。上で調べてるし、昨日創斗にも協力してもらったケド、電脳ヒューマンということ以外、まだまだ分からないコトばかりなんだ」
「……蘭さんと求が
「つまり、より強い敵になることが考えられるのね」
「今まで結構流れで勝てたもんな……」
詩絵留と丞も不安げな顔をする。
だから、わたしは出来る限り力強い表情で、みんなをぐるっと見渡す。
「だから、わたしたちは集められたし、戦うんでしょ。みんなでがんばろーよ!」
わたしは、
「おー、さすがリーダーだな蘭! 俺も歌を
求はアカペラで
流れとスイーツビュッフェにつられてやり始めた電脳レスキューレンジャーだけど、そのおかげで、わたしはわたしや他の人の大切な人を救うことができた。
うん、この仲間たちと一緒にわたしは戦おう。
みんなが好きなことができるように!
わたしは電脳悪霊とハクティビストJに立ち向かうことを決意したのだった。
完
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以下本文外
小ネタの近況ノート
https://kakuyomu.jp/users/nitosawa/news/16818093083625091948
https://kakuyomu.jp/users/nitosawa/news/16818093083674373118
https://kakuyomu.jp/users/nitosawa/news/16818093083742997295
参考文献とかのメモ
https://kakuyomu.jp/users/nitosawa/news/16818093083789392797
ブートオン! 電脳レスキューレンジャー! 仁嶋サワコ @nitosawa
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