概要
その土地は常に凪いでいる。
その土地は何処にでもある様な田舎だ。必要なインフラは整っているが、持ち寄りのスーパーまで行くのには、車で隣町までニ十分。おもな産業農業と林業。
のどかな田園風景が広がる土地なのだが、不思議と一か所に民家が集まっており、その中心部には雑木林に囲まれたこじんまりとした社がある。
子供の頃はその雑木林で同年代の子供達と遊んだものだ。大人達も「人の目があるから大丈夫だが、気を付けるように」と送り出してくれていた。
成長してからその土地をを訪れると、いくつかの違和感に気が付いた。
それが気になって尋ねると、祖父母は言う。
——「もし、自分達が無くなったら、すぐに家は処分をして、墓は管理がしやすい場所にして欲しい。決して、田舎などに憧れて、この土地に住もうとしてはいけないよ」
その理由と問
のどかな田園風景が広がる土地なのだが、不思議と一か所に民家が集まっており、その中心部には雑木林に囲まれたこじんまりとした社がある。
子供の頃はその雑木林で同年代の子供達と遊んだものだ。大人達も「人の目があるから大丈夫だが、気を付けるように」と送り出してくれていた。
成長してからその土地をを訪れると、いくつかの違和感に気が付いた。
それが気になって尋ねると、祖父母は言う。
——「もし、自分達が無くなったら、すぐに家は処分をして、墓は管理がしやすい場所にして欲しい。決して、田舎などに憧れて、この土地に住もうとしてはいけないよ」
その理由と問
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おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!長閑で穏やかな里山。その不穏な土地の記憶
静かな、そして長閑な里山の風景。自然に
溢れて何もかもが輝いて見える。祖父母の
許を訪れる事を楽しみにしていた。
その土地にはこれといった曰くも無ければ
良からぬ何かが住んでいる訳でもない。
ただ。
そこには古くから何かが祀られ
常にそれを意識して暮らしてきた。
子供が好きそうな木々を植え、御社辺りを
綺麗に管理していた。
古くからの 土地 の記憶。
その土地には確かに祀られていたモノが。
だが、それを認識する事は出来ない。
限界集落一歩手前の里山に、下手な憧れを
持ってはならない。祖父母亡き後は全て
この土地から引き上げろという。集落一斉
土地を出る準備がなされてい…続きを読む