婚約破棄歴八年、すっかり飲んだくれになった私をシスコン義弟が宰相に成り上がって迎えにきた

ロゼ＝ローラン、二十四歳。十六歳の頃に最初の婚約が破棄されて以来、数えるのも馬鹿馬鹿しいくらいの婚約破棄を経験している。

幸い両親であるローラン伯爵夫妻はありあまる愛情でロゼを受け入れてくれているし、お酒はおいしいけれど、このままではかわいい義弟のエドガーの婚姻に支障が出てしまうかもしれない。彼は二十を過ぎているのに、未だ縁談のひとつも来ていないのだ。

このままでは義弟が姉離れできないと強い危機感を覚えるロゼに、男として迫るエドガー。

「俺があなたのことを姉と呼んだことがあった？」

そういえば……ないかも。
でも……血がつながっていなくても、姉と弟では結婚できないんじゃない？

「法改正は合法だよ」

そうね。お酒がおいしいわ。

ロゼが突然の求愛に動揺しているさ中、エドガーは宰相と…続きを読む