真の表現者の気骨を見よ

お雇い外国人ジョサイアの語りが、彼が師事した絵師・河鍋暁斎の語りをサンドイッチのように挟む構図である。
暁斎が役人に語る体裁をとっており、その「語り」によって江戸時代の庶民の哀しさ歓びを追体験できる。
特に秀逸なのが第13話。人間の性を的確に言い当てた台詞にはうなった。
我々の住むこの日本に、河鍋暁斎のような気骨ある表現者がいたことを知らなかった自分を猛省する。

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