末期の夢の中。主人公の人生が回想となり、舞台劇のように一幕一幕と展開されます。そして、最後に。彼が何を為し、どう遇されたのか?その生涯が立ち現れるのです。淡々と、しかし深々と胸の奥にとどく最後の一文と作品の表題。読了したときには、大きな感慨が読む者に訪れることでしょう。すべての三国志愛好者の方はご覧ください。最も長く曹操を支えた軍師の物語が、ここにあります。
三国志の見どころの一つに、各陣営の軍師たちの活躍があります。この物語で書かれるのは、董卓討伐に失敗し、各地に群雄が割拠する中であえいでいた曹操を支え続けた、長身で、立派なひげをもつ、堂々たる軍師です。彼の生涯を、三国志に初めて触れる読者にもわかりやすく、かつ親しみやすく、格調高い文章で描きだしています。