自由奔放に見えて慧眼に優れたその女性の名は、北条政子

かの有名な北条政子といえば、どのようなイメージをお持ちでしょうか?

源頼朝の妻。嫉妬深い女。尼将軍。稀代の悪女……などなど。
歴史にあまり明るくない方でも、そういった印象が先に出てくる女性かもしれません。

この作品は、源頼朝が挙兵する前後を描いた短編です。

伊豆を牛耳る山木兼隆の討伐から始まり、石橋山の戦いと、描かれているのは約五千字の短いストーリーなのですが、短編とは思えないほどに読み応えのある作品です。

登場する主な人物は、北条政子とその弟の義時、そして源頼朝。
会話にしてもそう長くはないのですが、交わされる会話からそれぞれの関係性が密に伝わるのは、作者である四谷軒様の筆力ならでは。

この夫にしてこの妻。この姉にしてこの弟。
そして、タイトルにもある鶴の飛び立つとは……?

のちの鎌倉幕府を作り、尼将軍として執権としてこれを支えてきた人たちの最初のストーリーを、ぜひご覧になっていただきたいです。

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