目から鱗の聖女物語
- ★★★ Excellent!!!
※第1章読了まででのレビューです。
まずキャラクターや背景の設定がとてもユニークです。聖女が主人公の異世界恋愛小説は数多くありますが、だいたいは冒頭の時点でとても有能(それゆえ酷使されている)、そして純潔でなくなると聖女の力は失われることがほとんどなので、恋愛はご法度のパターンが多いと思います。でも本作はまるで逆、ヒロインのユフィリアは無能でクズで我儘、最悪な聖女です(もちろんそれには理由があるのですが)。そして聖女は結婚して男女の交わりを知ると力が格段に強くなる……えええ、何ですって?この意外性がとても面白いのです。
でもご心配なく。もちろん作品としては意外性だけではなくて、謎めいた黒騎士、意地悪お嬢様、当て馬イケメン(だけどヘタレ)聖騎士などなど、こうでなくっちゃ的なキャラもてんこ盛りですから、この先あんなこともこんなこともきっと起こるのでしょう。まだまだユフィリアとレオヴァルトの間にはマリアナ海溝ほどの溝がありますが、そう遠くない未来に焦れ焦れ恋愛モードに入ってくれるに違いありません。楽しみに続きを読ませて頂きます。