第4話 幹部候補生学校の一日(朝食編)

正直一日って代表して紹介しても日によって全く違うのでやめた方がいいんじゃないかとも思いますがシリーズ頭の整理でもあるので紹介します。


公式のスケジュール


0600 総員起床

0605 体操

0615 甲板掃除

0700 朝食

0800 国旗掲揚、定時点検

0820 教務

1140 昼食

1240 教務

1615 別課

1730 夕食

1900 甲板掃除

1930 巡検、自習

2200 消灯(2345まで延長可)


 ようやく朝ごはんが食べることができます。

 8時の国旗掲揚まで一時間ありますのでゆっくりできそうですね。(ちなみに国旗掲揚は赤レンガの庁舎の前にて各分隊ごと整列して迎えます。)


 、、、そんなことはありません。現実は非常です。

 まず、海上自衛隊は5分前行動が大前提です。なので0755には整列していなければなりませんが、その5分前の時間は学校長が皆の前に出てきて挨拶をする時間です。なのでさらに5分前ですので0745までに整列していなければなりませんね。そして5分前行動というものはその時間に準備を終わらせるというものではなく、次の行動を始められるようにしておくというものです。なのでさらにその5分前に準備を終わらせておくというイメージになります。凄まじいですね。そうなると0740などの時間になりますので、着替えの時間なども考えると実質的に30分程度しか余裕がないわけです。最初の一時間から半分になってしまいました。ここではその30分の中で何をしなかればならないか見ていきましょう。

 

 時間経過で見ていきます。


 掃除が終わった候補生たちは自分たちの居室に戻っていきます。そしてベッドを真っ先に直す候補生が多いでしょう。もし余裕があれば洗濯もしているかもしれません。

 ベッドを大急ぎで直したら次に食事ですね。制服に着替える必要があったように思いますが、朝食時のみは作業服であることが許されていたようにも思いますのでちょっと曖昧です。ただ、定時点検のときに制服には一切シワが無いことが求められていたので、シワが付くような朝食時は大丈夫だった記憶があります。食事用の制服に着替えるとか意味がわかりませんですしね。

 食事から戻ってきた候補生たちは思い思いに過ごします。歯磨きや男性であれば髭剃り、あとはトイレであったり様々です。その中でも大事なのが制服のシワ等の確認です。用意していた制服にシワがついていたら改めてプレス、アイロンがけが必要です。シワ以外にも糸くずがついていないか、汚れが付着していないか自分だけではなく同期の目でも確認してもらったりします。その他にも靴がきちんと磨かれているかが大事です。よく冗談で鏡のように磨くと言われたりしますが、極めれば実際に鏡が如く光りますし顔も移ります。

 

 食事、ベッドメイク、洗濯、トイレ、洗顔等、制服等手入れ

 主だった行動はこのくらいでしょうか。実はその他にもあります。呼び出し対応です。


 この呼び出し対応、学生隊本部前にてホワイトボードがあるのですがそこに自分の名前が書かれていたら絶望の始まりです。書かれていたら速やかに学生隊本部に出頭する必要があり、呼び出しの内容が簡単に済めばよいですが基本的に長引いたり何度も出頭したりすることがほとんどです。そうなると食事を抜くことはザラにあります。なので呼び出されないことが基本的な対策なのですがそう簡単に済めば楽なことはないでしょう。呼び出しに時間が取られて制服の整備やベッドメイクが疎かになり別件で呼び出されるなど負の連鎖になってしまえば目も当てられません。そうなると自分の時間を確保するために食事を抜くことを考えざるを得なくなってしまいます。同期にベッドメイクをお願いしても良いですが正直そこまで時間短縮にはならないので時間捻出のために食事を抜くことに舵を切らざるを得ないのです。そんなときのためにも皆何かしらの非常食を確保していました。メジャーなのがカ◯リーメイトで、その他にもフ◯ーツグラノーラ、ゼリー飲料など多岐にわたります。


 みなさんもどうか気をつけて。

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