応援コメント

すべてのエピソードへの応援コメント

  • 僕にはまだ早すぎる気がする。
    けど、面白すぎないですか?
    こうなったらどんな形になってもいいから見るぞぉー!

    作者からの返信

    ネコ愛さん、こんばんは。コメントと第一話の閲覧ありがとうございます。
    興味を持っていただけたのはとても光栄で嬉しいことなのですが、いくつか注意事項がございまして……!
    この話は、とても残酷で、とても過酷です。申し訳ありませんが、特に第四話〜第五話の閲覧があまりおすすめできません。
    そして、第五話が特に残酷でグロテスクであり、ネコ愛さんにショックを与えてしまう可能性を感じております。閲覧を禁じることはできないのですが、できれば、成人年齢に達してから読んでいただけると嬉しく思います。公開しているものに対して、勝手な物言いしかできなくて申し訳ありません💦
    ネコ愛さんを傷つけたくないという一身で言葉を書いております。ご不快な思いをさせてしまったら申し訳ありません。

    編集済
  • シアハニー・ラヴソングへの応援コメント

    「人間万事塞翁が馬」あるいは「禍福はあざなえる縄のごとし」。

    アネモネと別れ(させられ)て以降、どん底へと落ちていったデュランの人生。闇の中にありながらも、アネモネとの記憶というほんの小さな光が残されていました。
    しかしながら、その小さな光ゆえに彼はジニアを助け、引き換えに底の底へ落ちていくことに。実に「残酷」な話といいますか、デュランの運命を弄び嘲笑う何者かの存在を感じました(ジャック(JTW)様を非難しているのではありません。どうか誤解なされませぬよう)。

    ところが最期、死の間際になって、一途に彼を想い続けていたアネモネとの再会を果たすことができました。他ならぬジニアを助けたことによって。
    消えかけていた小さな小さな光が、大きな光となってデュランを包むのを感じました。「復讐の連鎖」「因果応報」を主題としつつも、「限りなくハッピーエンドに近いビターエンド」になったのだなと。

    このお話を書くにあたっては、さぞ悩み、苦しまれたことと思います。しかし、投げ出すことなく書き上げたジャック(JTW)様に、一人の書き手として最大限の敬意を表します。
    僕の読解力不足で、作者様の意図していない読み方をしておりましたら申し訳ありません。

    作者からの返信

    吾妻藤四郎様、応援コメント、本当にありがとうございます。何度も何度も読み返して……嬉しくて、泣いておりました。
    この……シアハニー・ランデヴは、もちろん大半がフィクションですが、私が人生で感じてきた痛みを表現しようと思って、こんな形になりました。

    復讐の連鎖についての物語を書いていて、こんな事を言うのは間違っているのかもしれないのですが、復讐の是非については、私にはわかりません。復讐すべきだという人もいれば、復讐するべきではないという人もいると思います。
    どちらも正しいし、どちらも間違っていると言えると思います。
    ありきたりな言葉かもしれませんが、人の価値観の数だけ答えがあると思います。


    だから、この物語は、私が私なりの答えを掴み取るための物語でした。
    復讐によって迎える罪業や、人を傷つけて生きることに対する末路を描かなければならないと思ったのです。

    『Bottom of the HELL』から、『シアハニー・ランデヴ(中編)』までは、私が私自身に向けていた苛烈な攻撃性を発露させたものでした。
    私は、きっと、私の復讐心を壊してしまいたかったのです。

    この物語を書いて(私が)感じた結論としては、幸せになりたいという気持ちが一ミリでもあるのなら、復讐心を手放さなければならないといつことです。

    幸せか、復讐か、きっとどちらかしか選べない。
    復讐を完遂してしまえば、残るのは罪だけです。
    人の人生を奪った罪は、自分の人生を費やして贖わなければならない。
    少なくとも私は、そう思います。

    デュランというキャラクターには、私の人生で背負った痛みと悲しみと、IFの残酷な選択肢を負わせてしまいました。

    しかし、デュランが、彼個人の善性が成したアネモネとの縁が、彼を最後に迎えに来てくれました。最期の望みを叶えてあげられて良かったと思います。

    シアハニー・ランデヴ(後編)と、シアハニー・ラヴソングは、役割を終えたデュランへの感謝を込めた物語でした。
    私は、この物語を通して、復讐心を、ある意味昇華して、成仏させてあげることができたと思います。

    誠意を込めて文章を綴ってくださった吾妻藤四郎様に対して、私の考えていることを正直に述べることしかできませんでした。返答としては不適格かもしれませんが、精一杯書きました。
    貴重なお時間を使ってお読みくださって、それだけではなく、たくさんの言葉を紡いでくださって、本当にありがとうございます。


  • 編集済

    【番外編】HAPPY BIRTHDAYへの応援コメント

    齢をとると、ただでさえ緩い涙腺がなおさら緩くなって困る(つД`)
    これまでで、最も胸にくるエピソードでした。
    このタイミングで☆三つ入れて構わない、と思えるくらいには(←負け惜しみw)

    ※せっかくの機会ですので、自主企画について
    先日は、拙作へのご訪問ありがとうございました。
    もしかしたら、「企画の概要も読まず、ただ目についたから新企画に自作を放り込むユーザー」の同類と思われているのではないか……という危険を感じましたので念のため申し上げます。
    「復讐の連鎖」(拙作では「恨みの連鎖」と表現)については、拙作では全体を通した地下水のようなテーマ性として存在しています。
    それがいくらか表に出たのが、キャッチコピーと一の四です。勘のいい人なら察してくれるかな……レベルですが。
    また第二話においては、はっきり表のテーマとして扱っています。

    もちろん、「そこまで読んでほしい」などと言うつもりは毛頭ありません。あくまでも、先述のような悪質なユーザーではない、そこを誤解されたくはない、という一念です。
    長々と失礼いたしました。

    追記:
    体調を崩されていたんですね。たいへん失礼いたしましたm(_ _)m
    職場から帰宅して、通知を見て驚きました。まさかここまでお読みいただけるとは……。
    今更かもしれませんが、ご無理はなさらないでください。
    こちらは、心配事がなくなっただけで充分ですので……

    作者からの返信

    吾妻藤四郎様、貴重なお時間を割いてお読みくださっただけでなく、素敵な応援コメントと、お星さままでくださり誠にありがとうございます……!
    ここから、主人公デュランの人生の……復讐の連鎖と呼ぶべき展開が起こります。このHAPPY BIRTHDAYというエピソードは、デュランにも、誕生を祝われた瞬間があったこと、不幸にしたくて産んだわけではないということを示したくて書きました。ありがとうございます……!

    吾妻藤四郎様、自主企画へのご参加ありがとうございます! 吾妻藤四郎様が悪質なユーザーだなんてとんでもない! そんなこと考えたこともございませんでした……!
    復讐の連鎖がテーマの話が読みたいと考えて自主企画を立てたものの、最近の寒暖差で体調をやや崩しており、なかなか読み進めることができずにおりました……!
    申し訳ありません……!

    私の体調管理の甘さにより、吾妻藤四郎様に不安な気持ちを抱かせてしまったこと、誠に申し訳なく思っております。体調が回復次第、大切に読ませていただきます🙏

  • シアハニー・ラヴソングへの応援コメント

     ジャックさん
     シアハニーいいじゃないですか。確かにくらーいお話だけれど、最後の最後で救いの光が見えるという展開で、読後感はいいですよ。カムイ外伝みたいに「結局権力にはかなわない」とか、悲惨なまま終わってしまわないのがいいです。
     もちろん、好みの問題はあるわけで、万人受けするかは別だけど、少なくとも、この書き手はちゃんと実力の裏打ちがあるな、技術的にも上手だな、というのは伝わってきます。それと、作家の内面が迸(ほとばし)って、一気に書いてしまったのだろう、というのも想像がつきます。
     この作品なら、響く人にはきちんと伝わっています。自分の書きたいものを書いて、仮に数は少なくても喜んでくれる読者がいれば、万人受けしなくても、それで十分でしょう?
     ただ、この手の作風(エンタメのストーリーテリングではなくて、内面重視)は続けて書けないですから、しばらく気楽にして、軽めの短編でも書いて、また迸るのを待っていればいいと思いますよ。書き続けなきゃいけない、ってことは、全然ないんですから。
     

    作者からの返信

    小田島匠様、お星さまに応援コメントもくださりありがとうございます……!
    小田島匠様に実力の裏打ちがあると仰っていただけるとは……拙いながらも、書くことをやめないでよかったと思います
    この話は、おっしゃる通り、私の内面の葛藤を物語に落とし込んだもので、一気に叫ぶように書き上げました。
    内容の過激さから通報されたり、BANされたりする可能性の方を考慮していたのですが、予想よりもたくさんの方に読んでいただけて、ありがたいことにレビューもたくさんいただけて、本当に嬉しいです。
    書き続けないといけないと焦っていたかもしれません。こう……シアハニーでようやくつかめたことが、できなくなってしまうんじゃないかと恐怖心を抱いてしまって……。
    また感情が迸る瞬間は、来てくれるでしょうか……? 未来がどうなるかはまだわかりませんが、今は、少しずつネタを書き溜めたりして、充電期間だと思うことにいたします
    本当にありがとうございます🙏

  • シアハニー・ラヴソングへの応援コメント

    このやり場のない思いが広がっていく感覚というものを、本作を読んで実感しています。
    余りにも切なく、物悲しいラストに衝撃を受けました。
    ここまで感情を動かされるのはジャック様の手腕があってこそのものだと思っています。
    僕にはここまで素晴らしく、悲しく、切ないエンディングは書けません。
    ジャック様の文章力の高さ、構成力に改めて驚くばかりです。
    素敵な作品をありがとうございます☆

    作者からの返信

    たたみや様……本当に、最後まで見届けてくださって、感謝の言葉をいくつ並べても足りません。ありがとうございます。
    この物語は、生まれて初めて自分のために書いたものでした。私が、復讐をしないでいいように、復讐の本質とはどういうものなのかを自分自身に突き付けて、諦めさせて、復讐の気持ちを手放すための物語でした。私の中にあった、怒りや悲しみ、憎しみや恨み、そしてその裏にあったありったけの愛を、思い切りぶつけた話でした。

    この話を公開するかどうか、ずっと悩んでいました。しかし、私は、誰かに聞いて欲しかったんだと思います。だから……この物語が読まれるたびに、コメントや、ありがたいことにレビューをいただけるたびに、心震わされて涙がとまらなくなるのです。
    シアハニー・ランデヴ(後編)と、シアハニー・ラヴソングは、デュランへのせめてもの手向けでした。私の激情を背負ってくれた、彼という個人に、感謝とお別れを伝えるための物語でした。
    この話をかけたことで、読んでいただけることで、感情を動かされたと仰っていただけることで、とても救われています。本当に、ありがとうございます。

  • デュランにとってアネモネと一緒にいた時間が唯一の宝物、そして捨てられないものになってしまっていたということですね。
    もし女の子がどうにかなっているのを見逃したら、それすらも失ってしまうということになるでしょうから……

    作者からの返信

    たたみや様、応援コメントありがとうございます
    そうです、母を亡くしたデュランにとって、この時点で母との思い出も薄らいでいるデュランにとって、唯一の宝物でした
    デュランにとって、生きている理由は……『たったひとつ』しかありませんでした
    そのたったひとつを揺るがされたとき、彼には、こうすることしかできなかったのだと思います
    冷静であれば、致命傷にならない部分を撃つことや、そもそもボスに少女の命乞いをする(ボスの説得を試みる)など、比較的穏当な手段を取ることはできたはずなのですが

    末路としては……暴漢の手からアネモネを『助けた』ときと、同じ結果になりました
    血と汚濁に塗れすぎたデュランは、『人の命を助けようとする』時でさえも、血に塗れることしかできなくなっていた……

    『父』を完膚無きまでに壊したデュランが背負った因果の応報として

    『父』と呼べるかもしれなかった存在を自ら壊さなければならなかったという理由もありました

    そもそも、このマフィアのボスも、様々な人間の血と屍の上で生きてきた悪魔でした
    遅かれ早かれ、『誰か』に襲われて死ぬさだめだったボスの因果もまた、ここで終わりを迎えたのだと思います

    編集済
  • Bottom of the HELLへの応援コメント

    ジャックはその男に死よりも苦しい思いを、どうしてもさせたかったのですね。
    復讐を終えたはずのジャックがどのような人生をたどっていくのか見届けたいと思います。

    作者からの返信

    たたみや様、応援コメントと、素晴らしいレビューありがとうございます
    この陰惨な話を読んでくださったたたみや様に、報いることができるのかわかりませんが、精一杯書かせていただきます

    デュランは……いえ、『私の一部』は、『母親と同じだけの苦しみを父親にも味わわせてやりたかった』『デュランとデュランの母が抱えていた痛みがどんなものだったのか、理解してほしかった』のです
    少なくとも私は、そう思っています

    ただ、憎しみだけしかなかったのなら、こんなことはきっとしませんでした
    デュランは、対話を望みました
    もし、もしも、デュランの父親が、混じり気のない本音(それが本当にクズのような動機であっても)を話していたのなら、デュランはここまでのことはせずに彼を解放していたと思います

    デュランは、「どうしておれを捨てたのか」「どうして母親を捨てたのか」「どうして愛してくれなかったのか」と、本当のところを聞きたかったんだと思います

    しかし、デュランの父親は、何もかも知っているデュランを、嘘で懐柔しようとしました
    デュランとデュランの父の間で、対等な会話は全く成立していなかったのです
    デュランは何もかもを諦めて、せめて痛みだけでも味わわせてやろうと思ったのかもしれません

    母親と、デュランが味わってきた苦しみの一端だけでも、理解してほしくて……

    デュランは、復讐を終えた後、出頭するのではなく、自らこの世からいなくなろうとしていました
    許されることではないと、彼自身が一番良くわかっていたから
    しかし、彼には、たったひとつだけ未練がありました
    その未練のために、消極的にでも、生きることを望みました
    しかし罪深い悪魔が生きるためには他の人間の命を食い物にしなければなりません
    彼がどんな道を選ぼうとも、そもそも、長く生きることはなかったと思います
    その結末を、見届けてくださって本当にありがとうございます
    とても、心から、感謝しております

  • シアハニー・ラヴソングへの応援コメント

    デュランさんの人生はどこまでも闇の中でしたね。
    残虐な行いをしながらも、心の奥底に大切にしまわれた光は消える事はなく。
    二度と会う事も叶わないアネモネさんを想い続けて。

    デュランさんの命が尽きようとしている場にアネモネさんが来てくれた場面に、胸が痛くて涙が止まらない中で読み進めました。

    二人の愛は純粋で色褪せることなく、結ばれていましたね。

    悪魔の元に天使が舞い降りたら、きっと優しく抱きとめてくれるでしょう。
    二人一緒なら、どんな場所でも天国だと思いました。

    拙い文章で申し訳ありません。
    書いていて、涙が止まらなくて。
    闇の世界に美しく咲いた物語をありがとうございました。

    作者からの返信

    堀内 清瑞様、最後までお読みくださっただけでなく、素敵な……素晴らしい感想までくださって、本当に本当にありがとうございます
    嬉しくて嬉しくてありがたくて、嬉し泣きの涙がこぼれてしまっています
    拙い文章なんてとんでもないです!!!
    すごくすごく嬉しいです ありがとうございます

    ずっと汚れてくすんで闇の中だったデュランの人生に、眩しくてあたたかい光を与えてくれたアネモネのことを、彼はずっと好きだったんだと思います

    デュランとアネモネは、同じシアハニー市にいました
    アネモネの住所を知らずとも、デュランが能動的に彼女探して自ら会いに行くことは、不可能ではなかったはずです……

    でも、彼にはそれができませんでした、しようとも思えなかったと思います

    会いに行くこともできずに、アネモネが来ないことをわかっていながら、ただ、思い出の場所で一方的に待つことしか……彼は自分に許すことができなかったんだと思います

    だからこそ、アネモネが会いに来てくれたと理解した瞬間は、痛みも悲しみも全て吹き飛んで……
    暴力に慣れきって歪んだ笑い方しかできなくなっていたはずの彼が、無意識に幼い頃のように柔らかく微笑んでしまうくらい幸せで、幸せで、満ち足りていたと思います

    最後まで、見守ってくださって、本当に本当に嬉しかったです、ありがとうございました……!

  • いくらここが無法地帯とはいえ、ということですね。
    それはアネモネを守るため、どうしてもしなければならなかったのだと思います……

    作者からの返信

    たたみや様、応援コメントありがとうございます
    たとえ今このとき襲来を受けなくとも、遅かれ早かれこのようなことは起こってしまっていました
    それを凝縮した形になります
    アネモネが会いに来てしまった時点で、そして彼女が自分で身を守る術を持たなかった時点で、こうなることは…………
    この話を書くとき、随分……随分悩みました
    物語の自然な流れを捻じ曲げてでもハッピーエンドにするならこの話(第四話)を書いてはいけなかったからです
    決意を込めて、トラジェディ(悲劇)という副題通りに話を進めました

    たらればを言っても、仕方がないのですが、せめて、アネモネとデュランが、面と向かって別れの言葉を交わせていたら、こんなことにはならなかったと思います

    デュランはいずれ来る別れを心の何処かで覚悟していたから、第三話で言伝を伝えることができたけれど
    アネモネは、なぜ、引き離されなければならないのかということが本当にわからなかったんだと思います

    身を守るための行動の是非はともかく、究極のところ、デュランは人の命を奪うことに耐えられる精神は持っていませんでした、それがたとえ悪漢であったとしても

    此処から彼は心の大事な部分(人間性)が壊れたままそれを治すことができずに生きることになります

    デュランは、大切なものがひとつでも残っていれば、踏みとどまることができたと思います
    でも、大切なものがひとつも残らなかったとき、彼を止めるものは何もありませんでした

    次話からは本当に……本当に閲覧注意です
    副題は『地獄の底』です
    ここまで読んでくださっただけでもとても嬉しいです
    だからどうかご無理はなさらないでください……




  • シアハニー・ラヴソングへの応援コメント

    完結、お疲れさまでした。
    最終回を読んでいて辛すぎて……半分だけ読んで、二日後に残り半分を読みました。

    残酷な物語ではありましたが、ラストシーンの情景の美しさにじんわり来ました。
    愛する人の植えた花に囲まれ、デュランは死して安らぎを得たのですね。

    哀切に満ちた、しかし輝く愛の物語。
    素晴らしかったです。

    作者からの返信

    mamalica様、この長く、苦しい話を、最後まで読んでくださり、温かな感想をくださりありがとうございます。嬉しくて、泣いてしまっており、お返事が遅くなり申し訳ありません。
    第四話と第五話を描いたときから、デュランが報いを受けて死ぬ結末は決まっていました。

    『親の因果が子に報い』という言葉があります。親世代の罪業が、あるいはもっと前の世代から受け継がれてきてしまったものが、子ども世代に暗い影を落とすことは、現実としてあることです。

    しかし、それでも、そんな中でも……生きなくてはなりません。この物語のテーマには、『痛みと悲しみ』がありました。
    私にとって、生きるということはずっと、痛いことで、苦しいことで、悲しいことでした。その体験を擬似的に負わせた主人公として造形したのが、デュランでした。

    痛みと苦しみを再生産する側になってしまったとき、何が起こるのか。それを描かなければいけないと思いました。

    デュランには、悲しい役目を負わせてしまいました。だから、そんな彼が死後も苦しむようなことはさせたくないと思い、この結末に至りました。
    デュランとアネモネは、お互いのことがとても大好きだったと思います。お互いを利用しようとか、騙そうとか、傷つけようとか、そんなことは、全く思っていなかった。ただそばにいられれば二人とも幸せだったと思います。読んでくださり、心を傾けてくださって、本当に、本当に、ありがとうございます。

  • この展開は苦しい。胸を引き裂かれるような気持ちになりますね。
    僕にはこういう描写が出来ないので、やはりジャック様の腕前はすごいなと思うばかりです。

    作者からの返信

    たたみや様、貴重なお時間を割いてお読みくださり、また過分なるご感想までくださり本当にありがとうございます……!
    恐れ多いですがとても嬉しいです。ありがとうございます!

    デュランは本当に辛かったと思います。現実的に考えれば、いずれはアネモネと離れ離れになるということはわかっていたでしょうが、面と向かってきちんとお別れの言葉すら言えないまま離れ離れになってしまいましたので……。
    ……しかし彼らにとっての悲劇はここが底ではなく、もっと辛くなっていきます。四話と五話(特に五話)は本当に残酷描写が入りますので、どうかご無理のない範囲でご覧くだされば幸いです。

  • シアハニー・ラヴソングへの応援コメント

    読みましたー。圧倒されました……!
    デュランとアネモネは出会えたからこそ幸せを知り、不幸せも知ってしまったのかなぁと思いました。
    最後はお互いに少しでも救われたのであればバドエンというよりメリバなのかもとも思ったり……。

    文字の力ってすごいなあとあらためて感じました。
    ありがとうございました!

    作者からの返信

    りつか様、ありがとうございます……!
    この……重々しい話を最後まで読んでくださっただけでなく、応援コメントまで……!
    嬉しくて、どうお返事したらいいのか迷っているうちにDiscordがすごいことになっていて出るにでられず……ではなく……ええと、真面目に作品の話をします。

    物語冒頭、アネモネが〝地獄〟に迷い込んだとき、もしデュランに助けられていなければ、アネモネはその日に死んでいました。

    作中では書きませんでしたが、冒頭部分は、アネモネとデュランそれぞれの運命を変えた出会いだったと思います。

    第三話までは、か細いもののまだハッピーエンド、可能な限り平和的な別離エンドの道筋は残っていました。しかし、個人的な理由で、バッドエンドに舵を切りました。

    構想時点ではもっと悲しい終わり方をする予定だったのですが、デュランとアネモネが相互に想い合ってくれていたおかげで、決してハッピーエンドではありませんが、限りなく救いに近い形を用意できた……できていたらいいなと思います。
    お時間を割いていただき、本当にありがとうございます。とても嬉しいです。

  • 作品の雰囲気、キャラのやり取りから洋画を見ているような感覚になりますね。
    デュランとアネモネがこのまま幸せな方に向かえばいいのですが、何か起こりそうな予感がします。

    作者からの返信

    たたみや様、応援コメントありがとうございます!
    洋画をみているような感覚……!
    とても嬉しいです。この作品の舞台は、架空の都市ですが、アメリカをイメージしています……!

    せっかくここまで読み進めてくださっているのに……こんなことをいうのは……大変申し訳無いのですが、デュランとアネモネがこのまま幸せな方に向かうことはありません。この話の主なテーマは、復讐の連鎖、因果応報、悲しみと痛みです。苦手だと思ったら読むのを中断して大丈夫ですので、どうかご無理はなさらないでください……!

  • 今作も拝見させていただきます。
    これまたツンデレ主人公の予感!
    働き先を教えるデュランの優しさがまたいい味出してますね☆

    作者からの返信

    たたみや様こんばんは! 応援コメントありがとうございます……!
    お読みくださり本当にありがとうございます!

    じ、実は……この話は……かなりバッドエンドというか……人を選ぶ話に仕上がってしまっておりまして、特に5話はギリギリR-15Gでして、かなり閲覧注意です。苦手な内容が含まれていたら本当に申し訳ございません……!
    デュランの優しさに着目してくださってありがとうございます。デュランはきっと、優しい子だったと思います。

  • シアハニー・ラヴソングへの応援コメント

    ジャック(JTW)さま こんにちは。「シアハニー・ランデヴ」、読み終わったあとに感動をお伝えしたくなってしまいました。失礼いたします……。

    「おれが生まれてこなきゃ」とあたりまえみたいに言い、憎くてしかたないはずの存在とじっくり長い時間を過ごし、そして、むごい世界でも生きる理由になっていた人に対して『愛している』と口にできないデュランさんが、とても痛々しく悲しく、でも最後まで目を離せませんでした。
    デュランさんはたくさんのことに手を染めさせられ、染めてしまいましたが、優しすぎるくらい優しい人だったのかなと思っています。その優しさを、アネモネさんは深いところまでくみ取っていて、共鳴していたように感じました。嘘もちゃんと、見抜いてくれていました。
    「わたし、死んだら、きっとあなたと同じ地獄《ばしょ》に行くわ」というアネモネさんの言葉が最後に、刺さってきました。デュランさんは彼女に〝天国〟で幸せに暮らしてほしいと祈っていたし、いつか亡くなっても彼女は天国に行くと思っていただろうけれど、アネモネさんはきっと、彼と一緒ならどこであっても幸せを感じられるのだろうと思います。
    ふたりのお互いを思う心が、苦しい世界の中でかがやいて見えました。突然の長文すみません……。読ませていただき、ありがとうございました……!

    作者からの返信

    相宮祐紀様、この長く辛い話を、最後までお読みくださっただけではなく、こんなに素敵な感想までくださりありがとうございます。相宮祐紀様のお言葉が、心の深いところに触れて、嬉し泣きしておりました。

    デュランはずっと、ずっと、ずっと、きっと物心ついた頃から薄っすらと、自分が生まれてこなければよかったと考えていたと思います。
    自分が生まれてこなければ、母親に経済的負担をかけることもなくて、母親が幸せに生きられたのではないか。そんな気持ちを彼は結局一生払拭することができませんでした。大切なものを全て失って、自暴自棄になった果てに、彼はしてはならないことに手を染めました。

    しかし、デュランが成したことは、悪いことだけではありませんでした。

    物語の冒頭、もしデュランが迷子になったアネモネに手を差し伸べて大通りまで導いていなかったら、アネモネは殺されていました。

    もし、最初からデュランに優しさがなかったら……最初から、人の命や尊厳を軽視して踏みにじるような冷酷な人間だったら、この物語は始まることなく終わっていたと思います。

    デュランは、自分の行ったことに対する報いを受けなければならなかったと思います。しかし同時に、善行の報いも受けてほしい……と願いを込めて書きました。

    アネモネは、直感的にデュランの優しさを感じていて、彼のそんな部分を好きになったのだと思います。デュランのことを、優しすぎるくらい優しいと形容してくださってありがとうございます。きっと、アネモネも同じように考えていると思います。

    この世界に、死後の世界という意味での『地獄』が本当にあるのかどうかは、私自身にもわかりません。しかし、いつか、いつか、二人が苦しみのない場所で再会できる日が来てほしいと私自身も心から願っています。

    素敵なコメント、本当に本当に嬉しかったです。ありがとうございます。

  • シアハニー・ラヴソングへの応援コメント

    アネモネとデュラン
    この2人は鏡だったのかもしれませんね....

    怒りと憎しみにも
    事情がありました

    暴力という形で現さずには
    いられなかったデュラン

    デュランの『今』が希望あるものなら
    過去の意味は
    全てここにつながるもの、に
    変わったかもしれません

    アネモネはデュランの
    人間性を信じました

    デュランは最期には救われたと思います

    作者からの返信

    @kitakamakura様、ありがとうございます
    アネモネとデュランの二人は、対比になるように描くよう頑張りました
    アネモネのことを「天使」だと言ってくださる方がコメント欄にいらっしゃって
    ならばデュランは「悪魔」だろうと……

    デュランを生前に幸せな暮らしをさせてあげられなかった分、死の間際と死後は安らかであって欲しいと思いました

    デュランには幸せな子ども時代がほとんどなかった
    その怒りと憎しみと
    その裏にある大きな大きな悲しみを少しでも癒すにはどうしたらいいのかずっと考えました

    しかし、どう考えても癒し方はわからなかった、大きな痛みと傷跡を埋めるものが何かはわかりませんでした
    でも、ただ、寄り添いたいと、抱きしめたいと思いました

    全てを受け入れて愛すことはできないかも知れないけれど、それでもデュランのほんとうの望みや、彼の優しさは、大切なものだと思いました

    最後まで読んでくださって本当にありがとうございます
    デュランは、最期には幸せな気持ちを感じていたと思いたいです

  • シアハニー・ラヴソングへの応援コメント

    報われない恋があります。少年は結局、運命から逃れられませんでした。
    しかし、二人が出会い、惹かれ合ったあの日の事は永遠に記憶されます。
    アネモネの心の中にはずっと、あの優しいデュランが生き続けるのでしょう。

    ー 第一話より ー
     女の子は、差し伸べられた手を見て笑顔を浮かべ、デュランの手を取った。女の子の手は温かく柔らかかった。
    「ありがとう。あなた、お名前は?」
    「デュラン」
    「わたし、アネモネっていうの。デュラン、よろしくね」

    ―― 感動の作品を、ありがとうございました。

    作者からの返信

    🌳三杉令様、本当に、最後まで読んでくださり、温かなお言葉をありがとうございます。第一話を書いた時、正直なところ全て書き終えられるという自信はありませんでした。Discordで感想をくださったり、反応をくださったりしたことがとても力になりました。ありがとうございます……!
    きっとアネモネは、生涯初恋の思い出のことを忘れることはないと思います。この文章を書いていた頃が、もうずっと前のように思えます。頑張れてよかったです。
    こちらこそ、応援してくださって、最後まで読んでくださって、温かなコメントも寄せてくださり、本当にありがとうございます。とても嬉しかったです。

  • シアハニー・ラヴソングへの応援コメント

    とうとう完結……終わってしまいましたね……。
    アネモネは仕事から離れて、ふたりで生きることにしたんですね。
    彼女のこれからの人生が穏やかなものでありますように。

    作者からの返信

    奇蹟あい様、この物語を最後まで見届けてくださって、本当にありがとうございます。応援コメントにとても支えられておりました。ありがとうございます……!
    アネモネは、そうですね、ふたりで……生きることにしたと思います。もしかしたら、幼いデュランのように困窮した子どもを助けるための活動をするかもしれないし、家業を手伝いながら慎ましく過ごしたかもしれません。
    彼女の未来は、私自身にもわかりません。彼女の人生が穏やかでありますようにと祈ってくださってありがとうございます。私も同じ気持ちでいます。最後まで書き終えることができたのは、温かなお言葉のおかげです。本当にありがとうございます……!

  • 知らねえよ、って言うよね、普通‼️笑笑

    作者からの返信

    クライングフリーマン様、応援コメントありがとうございます!
    見ず知らずの迷子を助ける義理はありませんし、知らねえよって言いますよね……それでもなお、手を差し伸べる優しさ、のようなものを表現できていたらいいなと思います。

  • シアハニー・ラヴソングへの応援コメント

    生まれながらに幸せになってはいけない人は居ませんが、生きていく中で、幸せな結末にたどり着けない道を進むことになってしまう人は居るものです。
    幸せって、平穏って、難しい……。

    彼の為なら持っている全てを投げ出してしまえる覚悟のアネモネと、何も持っていない中で彼女の存在だけが救いだったデュラン。
    二人が惹かれ合うのも、離れ離れになるのも、互いに忘れられずにいたのも、なんだか必然だったように思えます。

    いつかどこかで、二人が一緒に穏やかな時間を過ごせることを願って。
    完結お疲れ様でした。

    作者からの返信

    @kumehara様、ありがとうございます。
    すみません今、感極まって泣いてしまっていて、きちんとコメントが打てていないかもしれません。
    いつかどこかで……二人が一緒に過ごせたら……きっとそこが〝地獄〟でも、ふたりは幸せなのではないかと思います。ふたりが生きて幸せになるには、あまりにも多くの障害があった……。物語の可能性の中から、様々な枝葉を探り、概ねデュランと対話しながら物語を書き上げていったように思います。デュラン個人が楽に幸せになる道は多くありました。しかしそれは同時に、アネモネがひどく苦しむ道でもありました。デュランは、「アネモネに傷ついてほしくない、苦しんでほしくない」と言いました。私が「そのためなら何を犠牲にしてもいいの?」と問いかけると、デュランは頷きました。彼の意思があまりにも固く、アネモネの無事を最優先にして物語を書くことになりました。
    いつかどこかで……生まれ変わりでも何でもいいから、ふたりが一緒に穏やかな時間を過ごせること、私も願っています。労いのお言葉も、ありがとうございます😭🙏


  • 編集済

    シアハニー・ラヴソングへの応援コメント

    何を言ってもチープになるので上手くかけませんが、デュランの人生がもう少し平坦なものであればよかったけれど、でも二人の人生にはこの出会いしかなかったのならばこれでも良かったのかと思えるお話でした。

    誰も知らない地獄の中の、でも二人だけが知る希望のお話。

    お見事で本当に素晴らしい作品でした。

    作者からの返信

    東雲 晴加様、最後まで読んでくださり本当にありがとうございます😭
    チープだなんてとんでもないです!
    お心のこもった感想とコメントに何度も救われて支えられてきました。ありがとうございます……!

    実のところ、書き始めて……第三話を書いていた頃、この物語の凄惨な部分を書き始める前、本当に悩んでおりました。ハッピーエンドにするなら四話を書いてはいけない、そう思っていました。
    事前に作っておいたあらすじ通りに進めるというその……罪深さのようなものを、ずっと抱えていました。第四話から第五話にかけての苛烈な展開は、今思えば、私自身にハッピーエンドを諦めさせるためのむごさでもありました。ここを描いたなら、最後までやりきるしかない。その覚悟と決意はあるつもりでしたが、実際のところ、本当に辛くて、何度も投げ出してしまいそうになりました。しかし、完結まで走り抜くことができました。応援と声掛けがなければ、途中で潰れていてもおかしくありませんでした。本当にありがとうございます。

    二人は、出会えて幸せだったのかどうか、わかりません。でも、私がアネモネとデュランの姿を思い浮かべようとすると、ふたりはずっと手を繋いでいます。たぶん、それが彼らの答えなのだと思います。
    素晴らしい作品を書いておられる東雲 晴加様にそう仰っていただけること、恐縮ですがとても光栄です。ありがとうございます🙏

  • シアハニー・ラヴソングへの応援コメント

     おお・・アネモネもあれから、艱難辛苦を過ごしていたとは。地獄の住人を愛してしまい、思い出にすがり、周囲からは誹謗を受けて。それでも折れずに、貫いた想い。恋愛という狂気。デュランの死に目を看取るという結末は、二人のココロが、苦難の日々を経てもなお繋がっていたから。これは奇跡ではなく、互いの強い意志が導いた、ある意味必然だったのでしょう。

     そして最後の、子守唄フルコーラス。人魚の泡沫の想いが、二人にシンクロして、じんわりした読後感を残します。流石です。

     まるで「戦時中に引き裂かれたカップルの片割れが、その時の気持ちを持続させて、新たな恋をしないままに一生を過ごす」を思い出しました。 
     戦前の「日本兵の妻が書いた手記」には、そうした記述が多いようです。純愛のカタチは、時代を経ても普遍性・不変性があるのかも・・と思いました。

    (最後に)
    「俺はいつもスケベ小説ばかり読んでるし、たまには別の毛色の作品を読もうかな」と軽い気持ちで読み始めたら・・予想外の衝撃を受けました。
     ですが、グイグイ物語に引き込まれ、闇に光が差し込むような、充実した読書体験が出来ました。完結お疲れ様でした!

    作者からの返信

    殉教@休眠中様、この話を最後まで見届けてくださり、また、応援コメントをくださり、そして素晴らしいレビューコメントをくださり、ありがとうございます。とても嬉しくてありがたくて、何度も何度も読み返しました。
    アネモネとデュランは、離れ離れになっている間、互いの気持ちを確かめる術を持ちませんでした。デュランは自分が愛されることなどないと冷静に考えながらも、アネモネのことを忘れられなかったし、アネモネも、デュランから忘れ去られている可能性を考えないわけではありませんでした。それほどに、二人が引き裂かれた時間は重く長かったと思います。それでも、想い続けたからこそ再会が叶ったと思っています。アネモネは間に合わなかったと思っていましたが、私は、間に合ったと思っています。

    デュランは、アネモネの為に形の残るプレゼントを贈る事が出来ませんでした。彼は何も持っていなかったから。しかし、幼いデュランが歌ってやりたいと思っていた子守唄の歌詞はアネモネに伝わって、アネモネは歌詞の全てを知ることができました。例え形には残らなくても、アネモネの心には強く残っていると思います。

    (すけべ要素全然なくて、かなりショッキングな展開も多くてすみません! ですが、殉教@休眠中様の貴重なお時間を割いて読んでいただけて、そしてこうして応援コメントを介して交流できてとても嬉しいです。ありがとうございます)

    充実した読書体験……ありがとうございます……!😭 労いのお言葉もとても嬉しいです。本当にありがとうございます!

  • シアハニー・ラヴソングへの応援コメント

    なんて救いに満ちた、正常な物語なのでしょうか。
    闇は闇でも、燦然と輝いたあなたの闇は、
    最後まで品格高く美しく、バランス感覚を失わなかった。
    最高です。これからも、何度でも読み返そうと思います。
    一時の優しい夢を、醜さまでも受け入れてくれて
    見させてくれたことは、忘れられません。ありがとう。

    作者からの返信

    杷太倭 千惠佳様……ありがとうございます。バランス感覚について、本当にずっとずっと悩んでいました。因果応報、罪と罰、救いと祈り、そんなことをずっとずっと、ずっと考えていました。
    今回は、大枠だけ先に作っておき、一話一話に魂を込めて書こうと思って、敢えて細部を詰めずに書き始めました。予想以上に苛烈になったり、自然と湧き出した描写が光ったり、まるで生きている物語と対話しながら作り上げているようでした。
    品格高く美しく……もったいないお言葉です。御返事が思いつきません。杷太倭 千惠佳様のお言葉に、感謝と敬意を抱いています。

    私はずっと闇から目を背けていました。光っている方向にもがいて、もがいて、あがいて、光だけがあればいいと思っていました。でも、何度も何度も光に手を伸ばしても、届かない。自分の背中側にある闇に引きずり戻されてしまう。そんな感覚がありました。
    私は怖かった、闇を、自分の醜さを直視して、自分の全てが闇になってしまうことを恐れていました。しかし、でも、お友達の言葉がきっかけで、自分の闇に目を向けてみようと思えました。闇に近づいて、対話して、抱きしめてみれば……なんのことはない、闇も私の一部だったのです。だから、切り捨てることも離れることもできなかった……。
    私は、自分の歪みや、醜さ、闇をようやく見つめて、受け容れられた気がします。きっと、寄り添うことはできるようになったと思います。忘れないで、ずっと抱えて生きていく覚悟を決めたら、闇も私を助けてくれるものに変わってくれたような気がします。きっと、光と闇、どちらが欠けてもいけなかったんです。どちらも私だったのです。
    長文になってしまいすみません、曖昧な文章になってしまったかもしれません。でも、これが私の正直な気持ちです。
    最後まで見届けてくださって、ありがとうございます。

  • シアハニー・ラヴソングへの応援コメント

    アネモネの心情に泣きました。情景が浮かんでくるような美しい文章に涙が出ました。
    素晴らしい物語ありがとうございます!

    作者からの返信

    蘇芳 様、最後まで見届けてくださってありがとうございます……!
    美しい文章、素晴らしい物語……そうおっしゃっていただけるとは……!
    恐縮しておりますが、とても嬉しいです。ありがとうございます🙏
    最終話の九割は完成していたのですが、投稿予定の日に風邪を引いてしまい、投稿が遅くなってしまって申し訳ありません💦
    アネモネ視点の話は……いつも難しくて、難航しておりました。話の構成にも悩んだ結果、アネモネ視点を最終話として持ってくる形にいたしました。アネモネは、デュランと対面しているときは彼の嘘を見抜くことができますが、交流が絶たれている間のことについては、調べるまで知りませんでした。相手の気持ちがわからないまま、それでも会いに行くと決めた彼女の決意には、とても勇気が必要だったと思います。アネモネがこれからどう生きていくのかは……私自身にもわかりませんが……幸せな思い出をたくさん持って、いつかデュランと語り合える日が来たらいいなと、思っております。最後まで読んでくださり、応援コメントもくださり、本当にありがとうございます……!

  • シアハニー・ラヴソングへの応援コメント

    デゥランが歌っていた子守唄の最後の二小節に涙が止まりません。

    繊細な心理描写に裏打ちされた美しい文章を、素敵な物語を、ありがとうございました……‼︎

    作者からの返信

    風宮 翠霞様……!
    本当に、本当にありがとうございます😭
    前話のコメント返信でもお伝えした内容と部分的に同じになってしまって申し訳ないのですが、本当に、スランプで苦しんでいた時に、風宮 翠霞様のお言葉をいただいていなかったら、この話は絶対に書けませんでした。
    この物語を締めくくるのに、一番ふさわしいことはなんだろうとずっと考えていて、歌詞の続きを考えようと思い至りました。遠い夜の果ての小さな波止場……というフレーズは、頭にふと浮かんできた情景をそのまま書き留めたものでした。

    デュランの母親は財産と呼べるものを根こそぎ奪われていましたが、デュランに歌ってあげた子守唄や、故郷の風習(指切りなど)の知識だけは伝えることができました。デュランの死後も、アネモネの心の中にはずっと残ると思います。

    物語の大枠の展開だけ決めて、詳細なところは書きながら詰めていったため、かなりアドリブを加えています。
    私が作った物語と言うよりも、キャラクター達と話し合いながら書いていった感じが強いです。
    最後の歌詞には、デュランや、デュランの母親、そしてアネモネの心情も重なるようにできていたらいいなと思います。こちらこそ、最後まで見届けてくださって、本当にありがとうございます。もちろん読者様や、応援してくださった方々にも感謝していますが、物語を書き始めようと思えたのは、風宮 翠霞様がいてくださったから、お言葉をくださったからです。お陰様で、完結まで頑張れました。本当にありがとうございます。

  • デュランが知っていることは
    母親の体験からの限られたことしか
    ないのだな と感じました

    その限りから
    精一杯の思いやりを示そうとした
    のでしょう

    自分がデュランの境遇に生まれていたら
    こういう事をしたろうし

    ネイサンなら、こうしたのかもしれません
    アネモネだったら、同じようにしたのかも...

    どの登場人物にも
    自分を見るような気持ちで読みました

    次で最終話でしょうか
    楽しみにしています

    作者からの返信

    @kitakamakura様、ありがとうございます
    そうです、デュランは、母親の苦しみを、一番間近で見てきました
    『ずっと愛しているよ』と言われて不幸になった母親の姿を知っていたから
    デュランにとって、『愛している』という言葉が最早呪縛だったのではないかと考えています
    何度問いかけても、彼は『愛している』という言葉を素直に口にすることはありませんでした
    できませんでした……

    幸せになってほしいと思っていても、幸せの願い方を知らなくて、突き放すような言葉しかわからなかったのかもしれません

    デュランは、ずっと閉じた狭い世界で生きてきて、『幸せ』というものが何なのか、本当はわかっていなかったのかもしれません

    それでも彼にできる精一杯の祈りをしようとしたのだと思います

    次の話は、彼の祈りに対する返答の話になります
    本来は今日投稿する予定だったのですが、若干体調を崩してしまい、客観的に文章を読むことができなくなっており、急遽投稿を取りやめて、もう少し時間を掛けて見直すことにしました
    きっと大きくは変わりませんが、できる限り悔いのない形にしたいと思っています
    ありがとうございます

  • デュランは自分が生まれたことが
    たくさんの人たちを苦しめた原因
    と思っているんですね....

    そうじゃないよ

    と言ってあげたくなりました

    作者からの返信

    @kitakamakura様、ありがとうございます
    このお言葉を読んで、泣いてしまいました
    悲しい涙ではなく、気持ちをわかってもらえたような気がして……感涙というか、嬉し涙というのか……
    私も、『そうじゃないよ』と伝えたかったのです

    だから……急遽、予定になかった番外編、HAPPY BIRTHDAYを入れました
    デュランの母は『デュランのことを不幸にしたくて産んだわけではない』と思ったからです

    すみません、ここに関しては、私自身うまく言葉を見つけられていなくて想像で補った部分が多くあります
    デュランが、HAPPY BIRTHDAYと祝われたことは確かにあったんだと示したくて

    デュランが生まれたことで、何もかもを不幸にしたわけではないんです
    ありがとうございます
    読んでくださって、感想をくださって、ありがとうございます

  • イミテイション・ヒーローから読み始めましたものです。
    前作はト書き、台詞回し、文脈、話の持ち回り、
    髄髄各所に白い光を感じました。静謐な白い空間に
    招待されたようで、「読み進めるのが怖い」と思ったのは、
    経験のないことでした。話が白く感じられるうちに
    粗読みになってしまい「この姿勢で読むのは嫌だ」と
    思い途中で目を止めてしまっていましたが、
    今回はここまでなんとか来ることができました。
    これが私の見たかったもの、いつからかはもう忘れてしまったけど、
    ありがとう。これを読める日をずっと待っていたような気がします。
    暗黒の燦然とした輝きの、最後の一筋をお待ちしています。

    作者からの返信

    @akaruihosi様、ありがとうございます。イミテイション・ヒーローを執筆するときは、きっと、私は光しか見ていませんでした。こうするべき、こうするのが正しい、こう生きることができるならそうするべきだ……息苦しいまでの眩しい光。今はそう思います(イミテイション・ヒーロー自体を否定するわけではなく、その時の私が強い光を求めていたということだと思います)。

    この話……シアハニー・ランデヴは、生まれて初めて、自分のために、自分にあてて書いた話です。自分の中の闇を、暗い感情を、自分の中に取り込むための儀式のようなものかもしれません。
    今まで拒絶してきた自分の中の暗い部分と和解するための話かもしれません。きっと自分でも全貌を理解しきれないまま、衝動のままに筆を進めました。

    そのため、予想以上に過激になってしまった部分が多くあり、公開を躊躇っていました。きっと非難される、きっと忌避されると思っていました。しかし、皆様、とても温かく受け止めてくださって、驚きました。
    @akaruihosi様、こちらこそ、ありがとうございます。言葉を重ねても足りないくらい、感謝しております。
    あと一話、補完となりエピローグとなる話は、本来は今日中に公開するはずだったのですが、若干体調を崩してしまい、客観的に読めなくなってしまったので急遽公開を取りやめました。ほぼ完成はしているので、体調が落ち着き次第近日中に公開いたします。ありがとうございます。

  • 初めてこちらの最新話を読んだ時、読後の余韻で何も言えませんでした。
    やっと落ち着いたので一話から順番に読みましたが、二回目読むと胸が更に締め付けられました。
    デュランとアネモネの純粋な関係を美しく思いつつ、格差あって別れを選び、完全に道が分かれてもアネモネのことを忘れられずにいるデュランの姿に涙が止まりませんでした。
    苦しい運命をたどったデュランが、最期にアネモネに会えたことに救いを見た気がします。

    作者からの返信

    蘇芳 様、本当に本当にありがとうございます。読み返してくださって……辛い内容の話数もあったのに、貴重なお時間を割いてくださり、本当に嬉しいです。この作品を大切に思ってくださったことが伝わって、うれしくて、胸が一杯になっておりました。どう言葉を返すべきかにずっと悩んでおり、御返事が遅れて申し訳ありません。

    デュランの恋心は、愛情は、きっと彼にとって、復讐や罪業と関係ない部分に或る純粋な気持ちでした。幼少期に訪れた望まぬ別れをそれでも愛ゆえに受け入れた気持ちのままでいたと思います。もちろん、矛盾する気持ちも持っていて、本当は会いたかったと思います。一緒にいられたら、他には何もいらないとも思っていたと考えています。しかしそのためには、デュランが〝天国〟に受け入れられるか、もしくはアネモネが〝地獄〟に住むしかありませんでした。しかし不法移民の子であるデュランが〝天国〟に受け入れられることはありません。ならばどうなるか、凄惨な事件が多く起こる〝地獄〟で暮らす他ない。ロザー・シェレフ地区でアネモネを守り抜くことは至難の業だったでしょう。デュランは自分の幸せよりも、アネモネの幸せを大事にしていました。
    私は何度も何度も問いかけましたが、変わりませんでした。『アネモネが傷つかず幸せに生きられる方が良い』と、何度も彼は答えました。だから、そのとおりになりました。

    彼が重ねた罪業が許されることはないと思います。しかし、彼が行ってきたのは悪いことだけではない、迷子になったアネモネの手を引いたことは、間違いない善行でした。あの日あの時、デュランがアネモネを助けていなければ、きっとアネモネは殺されていました。だからせめて、せめて、せめて……最期の最期くらいは……言葉を交わせてもいいはずだ、と、思いました。長文になってしまい申し訳ありません。彼の魂の純粋な部分だけでも、救われていたらいいと、思います。

  • もうなんも言えないや。
    涙で前が見えないんだもの。

    作者からの返信

    東雲 晴加様、ありがとうございます。私、この三連休の間、ずっと泣きっぱなしで、今、目がすごく腫れています。感受性のセンサーと涙腺が壊れて、泣きながら書いていました。ありがとうございます。とても光栄で、とても嬉しいです。デュランは、最期に、会えて、良かったと思います。本当に……間に合ってよかったと思います。

  • あの少女を助けたことがつながっていたんですね。
    最期に会えた。
    ずっと見続けてきた幻ではなく。
    いつかまたどこかで、2人が一緒にいられますように。

    作者からの返信

    奇蹟あい様、応援コメントありがとうございます。もし、あの少女を助けなかったら、アネモネの決断が遅れ、デュランの死に際に間に合わなかったと思います。デュランは、最期の最期まで、アネモネを愛していないと嘘をつきました。嘘をつくことでしか、愛を示せなかったのだと思います。アネモネは、そのデュランの言葉が嘘だとちゃんとわかっています。
    あの少女を助けたという因果が巡り巡って、デュランの最期にアネモネを間に合わせることができました。犠牲を払ってでもあの少女を助けるかどうか、何度もデュランに問いかけました。デュランの答えは、何度聞いても変わりませんでした。デュラン自身の中にあった、愛と呼べるかもしれない感情が、アネモネとの縁を最期に手繰り寄せたのだと思います。会えてよかった、と、私も思います。

  • 昔からある問いかけに「悪人の生命は、さっさと無くしてやるべきか。それとも生き延びさせて、更に罪を重ねさせるのか」というものがありますが。
    デュランだって、善行も悪行もしましたし、救った人も、救わずに殺した人もいます。人の行動は複雑で、勧善懲悪で決められることは、思ったよりも少ないのでしょう(ウクライナ戦争のように、どちらにつくかを決断して、動かざるを得ない事はあります)。
    そんな「善の一面」に対応した因果が、最愛の人・アネモネとの再会だと思います。

    アネモネの言葉「あなたの悪行を知っても、嫌いにはなれなかった!」は本心でしょう。ある作家の言葉「恋愛は条件闘争ではない。条件を飛び越えた狂気である」を思い出しました。
    結婚相手選びは、その条件(年収・顔の良さ・職業・学歴など)を吟味する条件闘争。でも恋愛は、一度好きになったら、そんな事は気にせず、狂気で突き進むもの・・という意味です。
    デュランの暗黒面に戸惑いながらも、彼の人格や、魂そのものまでを愛したアネモネ。死の間際、極限状況にこそ、真の純愛を見ました。
    打算で結婚する人ばかりの昨今、純愛があるのは天皇と皇室、そして物語の中だけだと思いました。

    悲しみの中に、一条の愛の光を。作者さん、相変わらずお見事です!

    作者からの返信

    殉教@休眠中様、素晴らしい応援コメントを贈ってくださりありがとうございます。生きるうえで、どんな状況下でどんな環境であっても常に善を成し続けるというのは、とても苦しく、難しいものだと思っていました。痛めつけて追い詰められて憎しみや羨望に灼かれてなお、善のままでいられるのかどうか。善とは言えずとも、悪に堕ちずにいられるのかどうか。それを自分自身に問いかけるための話でもありました。デュランは、心の箍を外して、悪の道に染まったらどうなるかという側面と、純粋な好意と人間的な感性を併せ持つ存在として描くことに注力しました。デュランのしてきたことは罪深く、生きて幸せになる道は最早ないと思いました。それでも、彼の生まれた意味がなかったわけではない、彼の成した善行や善意までもを否定したかったわけではない、そう思って、この話を書きました。
    この作品の多くの時間は、ほとんどヒューマンドラマといえばいいのか、人間の罪業と因果について描いていました。
    しかし、投稿したカテゴリーは最初から『恋愛』でした。この物語を構想し始めた最初から、『恋愛』でなければ、この物語の主人公に最期の救いを用意してあげられないと思っていたからです。デュランがアネモネを忘れられなかったように、アネモネもまたデュランを忘れることができませんでした。
    論理的に考えれば、大罪人であるデュランを愛するということは理屈にかなっていません。それでもなお、彼に寄り添うことができるとしたら。理屈抜きの感情を強く込められるテーマとしては、恋愛が最も相応しいと思いました。矛盾と清濁を併せ持ちながらも、それでも生きていく、そんなことを、描きたいと思っていました。感想をいただいて、涙しておりました。本当にありがとうございます。

  • 嗚呼…………泣きます。泣きました。
    こんな美しい物語が綴れるようになりたい……。
    なんといったらいいのか、胸が締め付けられるような感覚を覚えました。
    生命の力強さと儚さが同居している、繊細な心理描写と風景描写が素晴らしい作品だと思います。泣きながら、デュランとアネモネが来世でいいから幸せになれますようにと願わずにはいられませんでした。
    ほんと感想下手ですみません、お邪魔しました。


    作者からの返信

    風宮 翠霞様、素敵な感想ありがとうございます。悩み惑いながら書いている部分が多くあり、投稿ボタンを押した直後は、不安でいっぱいでした。そんな中、応援コメントをいただけて、心がやすらぎました。本当にありがとうございます!
    美しい物語とおっしゃってくださって、光栄です。いただいたコメントを読みながらずっと泣いていて、お返事が遅くなってしまい申し訳ありません。繊細な心理描写と情景描写とお褒めの言葉をいただけて、とても嬉しいです。元々、情景描写には苦手意識がありましたが、この作品を通じて少し成長することができました。初期から読んでくださって、辛い展開のあとも読み続けてくださって、本当にありがとうございます。この話は、風宮 翠霞様が、いつか近況ノートのコメントで『自分を救う話を書いて見たらいいのではないでしょうか』とおっしゃってくださったことから、生まれました。この話は、私が私のために書いた、最初の話になりました。風宮 翠霞様がいらっしゃらなければ、ここまで書くことはできませんでした。本当に、本当にありがとうございます。


  • 編集済

    心に沁みすぎて多くは語れませんが、デュランは最期にアネモネに救われたような気がします。もし生まれ変われたらアネモネと人生を歩んで欲しいです。

    作者からの返信

    🌳三杉令様、ありがとうございます、本当に感想いただけてうれしくて、泣いておりました。きっと、救われたと思います。最期の最期になってしまいましたが、ずっと会いたかった人に会えて、言葉を交わせて、本当に良かったと思います。もし生まれ変われたら、何のしがらみもなく、ふたりが幸せになれることを願います。ふたりは言葉に出して「さようなら」と別れを伝え合うことは出来ませんでした。
    私自身も、さようならという言葉は書けませんでした。だから、どこかで、また巡り合うこともあるのかもしれません。ありがとうございます。

  • マフィアの幹部たちに殺されることなく生き延びたのは、デュランの運命がネイサンのことを待っていたのでしょうかね。
    これまでおこなってきた数々の行いがすべて許されたわけではないと思いますが、母のための復讐だけは許されたと、デュランには思っていてほしい、そう願います。

    作者からの返信

    奇蹟あい様、応援コメントありがとうございます。マフィアの幹部たちに殺されることなく生き延びたのは、そうかもしれないとも言えるし、そうでないかもしれません。

    個人的には、(デュランが殺した)マフィアのボスが、生前デュランに目をかけていたからこそ起きたことだと考えています。デュランは、重要な情報を与えられていたことで、ある意味、守られていたのです。死してなお残る先代ボスの影響力に。デュラン自身がそれに気づいているかどうか、マフィアの先代ボスにそんな意図があったかも含めて、曖昧なままにしておきたい部分もありますが、解釈の一つとしてはあり……だと思っております。

    これまで行ってきた数々の行いは、決して許されてはいないと思います。デュラン自身、自分が行ってきたすべての罪を正当化できていなかったのではないかと思います。目を逸らすことすらも、きっと充分にはできていなかった。
    人間はたぶん、合理的には生きられない部分を多く抱えているから人間なのではないか……と思います。それをうまく表現できているかわかりませんが、必死に書いています。
    デュランは消極的であろうとも、生きることを、自分で選んでいました。その理由を次の話で描けたらいいと思います。あと2話で完結します。がんばります。

    編集済
  • うーむ。相変わらずのハード展開、でも面白い。
    いくら悲劇的な過去を背負ったデュランも、(復讐を正当化しきれなかったし)因果応報の運命からは逃げられなかった。それでも「自ら死を受容」「銃殺という、まだマシな死に方」というのが、僅かに良心的だと思いました。
    現代日本は「悪い奴ほどよく眠り、責任の所在も曖昧」が状態化しているので、この因果応報のスラムにこそ(逆説的な)「公正さ」があると思います。

    もう一つ。「復讐という行為に意味はあるのか」。法が復讐(私刑)を禁じているのは、専ら治安上の都合によるもの。復讐の価値は個人の主体性、そして実存の問題である・・というのが、デュランの問題提起だと思いました。
    現実にも「同情の余地もあるテロ」「同情できない、100%害悪のテロ」が両方あります。

    作者からの返信

    殉教@休眠中様、貴重なお時間を割いて読んでくださり、応援コメントも寄せてくださりありがとうございます。「公正さ」については、可能な限り因果応報が廻るように書いているつもりです。せめて物語の中でくらいは、因果応報があってほしいと思っています。良い因果も悪い因果も巡るようにしたいです。

    復讐の是非については、私自身何ともいえないところがあります。復讐してやりたいと思うことはあります。しかし、それを行ってしまえば、ペナルティや罪業、後悔は必ず付いて回ります。そして復讐を実行してしまえば、復讐をする前の精神状態や状況には決して戻れない……(少なくとも私の場合はそうだと思っています)。
    私は、自分にとって何が大事なのかを天秤にかけた結果、『復讐はしない』ことを選んで現実世界を生きています。

    難解な内容に関する議論ができず、確固たる理論や意志があるわけでもなく、申し訳ないです。
    しかし、私の感じているありのままを書くことで、せめて精一杯の誠意だけでも示したいと思います。

    この物語は、私が初めて、私自身のために書いている話です。復讐(私刑)をするというのはどういうことなのかを自分自身に問いかけるために書いています。私がこれから生きていくにあたって、私にとって一番大切なことはなんなのだろうか……ということを、物語上で悩み苦しむデュランに重ねていました。

    現時点での結論としては、復讐(私刑)を全肯定するような話にはしたくないと思っています。かといって、全否定がしたいわけでもなく……中庸で揺らぎながらも、考えることをやめないでいたいと思いながら、この話を書いております。長文になってしまい申し訳ありません。素晴らしいコメントを寄せてくださり、本当にありがとうございます。

  • 世の中の不条理や切なさ苦しみ、いっぱい詰まっているけれど、デュランにしかわからない救いもひとかけら入っていてとてもよかったです。

    デュランがほんのひとかけらだけでも救われた事はデュランと読書にしか分からない所が切なくも良きです。

    作者からの返信

    東雲 晴加様、応援コメントありがとうございます。Bottom〜で敢えて触れていなかった、デュランがあれほどまでの凶行に出た理由の一端に、少し触れることができました。デュラン自身、認めたくなかったとは思うのですが……デュランは、本当は、父親のことを、心の底から憎みきっていませんでした。自分にとって完全に不要な存在だと思っていたなら、母の敵討ちだけが目的だったのなら、拷問などせず拳銃で一発でした。しかし、デュランは時間をかけて、父親との時間を過ごしました。
    デュランの中には、どうして愛してくれなかったのかという父への愛憎がありました。デュランが歌っていたハッピーバースデイの歌も、本当は、デュランが両親から歌ってほしかったものです。

    もし、デュランの母が生きていたなら、病気から回復してくれたなら、何も悪くないネイサンのことを慮って、復讐はしなかったと思います。そのルートなら、兄弟が仲良くできる可能性もあったかもしれない……と思いながら書きました。ありがとうございます。

  • う~む。これは想像を超えた神回ですね✨✨✨
    デュランの最期(?)がナチュラルにもっとも痺れる形で丁寧に描かれています。
    夢とはわかっていても、アネモネとの幸せなシーンが見れてとても満足です😊
    読者の切ない気持ちを回収してくれました。

    作者からの返信

    🌳三杉令様、ありがとうございます……!
    今回の話は、大筋こそ決まっていたのですが、物語の構成に悩み、かなり時間がかかってしまいました。かなり悩みに悩んだ内容だったので、神回とおっしゃってくださってとても安心しました。この物語を書き始めた構想当初から、弟ネイサンと相まみえる展開は決まっていました。
    アネモネとの幸せな結婚生活(夢)シーンについてですが、実際、何もかもが奇跡的に上手くいって、二人が結婚できていたら、たぶん本当にあんな感じだったと思います。アネモネはあまり器用ではないので、よく料理を焦がすけれど、デュランはそれを美味しそうに笑って食べるという……。もし悲劇が起こらず、アネモネと一緒にいられたら、遠からずデュランの味覚障がいは改善していたと思います。デュランの物語はあと一話、最後にアネモネのエピローグでもう一話で、物語は終わります。続きもがんばります。

  • 人を知るとは その人の人生の一部を知ること

    この話のデュランしか知らない人は
    ここまでのデュランを知らない....
    こんなに残酷な人だとしか

    同じように このボスにも子ども時代は
    あったのでしょう

    登場人物すべてが ....
    デュランの父親の家族にも

    例えば デュランの異母兄弟にも
    父親が変わり果てた姿で戻ってからの
    人生があるのだと思います

    視点を変えて他の人物を主役にすると
    また 全く違う物語のように見えるでしょう

    私たちの人生も
    同じように 登場人物すべてに
    子ども時代から晩年までの物語があり

    しかし交錯した限りでしか
    互いを知らないのだと 感じます

    でも、知っていると思っている
    限りを精一杯生きるとは
    そういうことですね....

    作者からの返信

    @kitakamakura様、ありがとうございます。
    感想をいただいてから、どうお返事をしたらいいのか、ずっと悩んで、迷っておりました。
    自分の浅い内面を見透かされてしまうのではと、怯えがありました。

    しかし、取り繕っても変わるわけではないと思い、思ったままを綴らせていただきます。

    ボスにも、過去がありました。彼が暴力をいとわなくなるだけの過去が。マフィアのボスに成り上がるための苦労が。しかし、デュランにとっての逡巡の末に、彼の命は奪われてしまった。ボスには人間味がないわけではありません。人並みの感性がなかったわけでもありません。彼もまた壊されてしまった人のひとりでした。だからといってすべてが許されるわけもなく、ここでデュランに殺されなくとも、いずれ誰かに命を狙われていたでしょう。その人生の厚みを、積み重ねを表現できるような作家に、なりたいです。

    そして、デュランの異母兄弟のネイサンは、次の話で出てきます。デュランが幸せな家族に対して与えた苦痛が、どのような結果をもたらすのか……精一杯、取り組みます。読んでくださって、また、感想をくださって、ありがとうございます。@kitakamakura様のお言葉を、何度も噛み締めて、繰り返し読んでおります。

  • Bottom of the HELLへの応援コメント

    嘘を重ねた男と、罪を重ねた男。


    二人の血は繋がっていた。、

    作者からの返信

    愛田 猛様、この……えぐくも重たい話を読んでくださって応援コメントもありがとうございます。ご負担が大きかったのではないかと思います。ご無理をなさらないでください……。

    デュランとデュランの父は、どちらも嘘つきです。デュランは痩せ我慢や、強がり、どちらかと言うと他人のために嘘をつきます。

    デュランの父は自分のために嘘をつき、しかもその嘘に罪悪感を持たない精神性です。
    デュランの父は、様々な女性を騙しているため、デュランやデュランの父が知らないところに血脈は広がっているのかもしれません。
    ……この時点で、デュランはもう後戻りができない状況になってしまっております。彼がどういう終わりを迎えるのか、描き出せるように頑張ります。

  • アネモネだけがデュランの中に残る最後の人間味ですね……。
    しかし、助けてくれて子供のようにかわいがってくれたボスが……。
    またとてつもなくつらいものを背負ってしまいましたね。
    逃げないといけないのかなあ。

    作者からの返信

    奇蹟あい様、コメントありがとうございます。
    ボスは、デュラン視点では、そう悪くない、人情や愛情すら感じる父親のような人物として意図して描いておりますが、ボスもまた、罪深い人間です。

    彼も彼の人生があり、彼も彼の選択をして、今の立場にたどり着いています。彼なりの理論があり、彼なりの美学があり、彼なりの理想がきっと、あったのでしょう。ボスもまた、環境の被害者という側面を持っています。

    しかしそれは、彼の語る理想は、多くの人生を踏みつけて壊さないと成立しない偽りの楽園でしかありません。仮にボスの理想(〝天国〟より美しい場所を作る)が成立したとしても、それは恐怖政治での締め付けにすぎず、ボスが死んだ途端元通りになって終わりです。

    犯罪組織に属するということを、人を傷つけ続けて生きるということを美化したくない……どれだけ美辞麗句で飾り立てようと、一見、どれだけ崇高な願いに見えようとも、魂からの叫びであろうと、その本質は変わらないんだと思っています。
    ボスは、デュランのIFの姿です。
    もしデュランが人間性を完全に失っていたら、どうなっていたか……。きれいなものを夢見て縋ったとしても、そのための手段が人を傷つけることしか取れなくなっていたら……結果、どういう末路を辿るのか。

    綺麗事であることはわかっています。でも、せめて物語の中でくらい、人を傷つけてはいけない……人を傷つけないという選択は正しいんだ、大切なんだ、傷つけないでいる人はすごいんだと叫んでいたいと思いました。

  • Bottom of the HELLへの応援コメント

    今作を読んで
    「深淵を覗く時、深淵もまたこちらを覗いているのだ」というニーチェの言葉が
    まず浮かんだ

    その有名な言葉には 前段がある

    「怪物と戦う者は 戦ううちに自分も怪物にならぬように用心せよ」
    ...ニーチェは『善悪の彼岸』でこう警告している

    この作品は、理不尽という深淵を覗き込んでいる

    目に見えない理不尽に苦しんでいる人は
    現代にも多くいるだろう

    ジャック氏の筆は
    深淵を逃げることなく直視した試みだと
    思う

    作家とは作品で天地創造する神であり

    聖も魔も揃えていなければ
    本物にはなれない

    イミテーション・ヒーローで
    類いまれなほどの澄みきった読み味と
    聖なる光を表した作者は
    今作では 闇に怖れず踏み込んだ

    ラピュタで魔法が本物になるために
    シータが滅びの言葉を継承しなければ
    ならなかったように...

    アポロン的なるものと
    デュオニソス的なるもの
    人間には 二つの顔が眠っている

    それを描き出そうという試みが
    ジャック氏の渾身のBottom of the HELL
    と言えるだろう

    続きを 楽しみにしています

    作者からの返信

    @kitakamakura様、応援コメント、本当にありがとうございます
    この話は……この話こそが、この物語の中核でした
    壮絶な理不尽を与えられながらも、苦しみながらも、なぜ苦しめられた側は常に正しくあらねばならないのか、という疑問に、自分自身で答えを探すための物語でした
    長い長い、自問自答でした
    この話を投稿するかどうか、随分悩んでいました
    私の中の怪物が叫んでいたことを、言葉に込めました

    作中の主人公、デュランは、父を痛めつける前に対話を望みました
    ただ恨んでいるだけなら、きっとそうはしなかった
    なぜ愛してくれなかったのか 何故捨てたのか 何故 どうして 
    理不尽な出来事に対するその理由、その答えが父親の口から聞きたかったのだと思います

    しかし蓋を開けてみれば、自己保身の言い訳ばかり
    デュランが聞きたかったのはそんなことではなかったのに……

    @kitakamakura様のおっしゃるとおりで、人間は一面だけでは語れないと思っていました
    それを、まだ未熟ながらも、必死に言葉に乗せました
    読んでくださって、ご感想もくださり、ありがとうございます
    ありがとうございます……

  • アネモネが真っ直ぐすぎて辛い、とデュランは思うでしょうね。

    自分が知る自分と,相手が思う自分のギャップが大きいと,なにをしたらいいのか、わからなくなってしまいますね。

    作者からの返信

    愛田 猛様、応援コメントありがとうございます……!

    アネモネはかなり夢見がちな少女です。貧困や病の本当の辛さを知らず、ただ真っ直ぐに恋をしている。
    アネモネの中では、きっとデュランは誰よりも素敵な人に見えているのでしょうが、デュラン本人の自己認識としては、『地獄育ちの汚れた子ども』でしかありません。アネモネの真っ直ぐな信頼の眼差しが辛かった側面も確かにあると思います。
    それでも彼ら二人が幸せだった時間はたしかに有りました。それが良いことなのか悪いことなのかは分かりませんが……。
    深い洞察のコメントを寄せてくださりありがとうございます。

  • 【番外編】HAPPY BIRTHDAYへの応援コメント

    お母さん、騙されている事に薄々気が付いてたんですね。
    それでも彼の事を愛してたとは……。
    お金がない生活の中、自分よりも子供を優先して治療を受けさせた彼女は、きっと我が子の幸せを心から願っていたのでしょう。
    母親から子供への、無条件の愛を見て思わず泣きそうになりました。
    死ぬ時に幸せを願った我が子ではなく、騙していた男に囚われてしまっていた彼女ですが、少なくとも幸せな時があったのだと感じます。

    普段あまり応援コメントは書かない(何書けばいいかわからなくて……)のですが、この「シアハニー・ランデヴ」が注目の作品に載っているのを見て勝手ながら嬉しくなってしまい、コメントを書かせていただきました。おめでとうございます‼︎

    作者からの返信

    風宮 翠霞様、ありがとうございます……! デュランの母は、ちゃんとした教育を受けられていませんでしたが、地頭は悪くなく、デュランの生物学上の父が細かな矛盾に薄々気づいていました。それでも、それでも、それでもいいと縋ってしまった結末が……。
    病に冒されて、精神を病んだ彼女は、記憶が過去に後退してしまって、目の前にいる人間(デュラン)が誰なのかもわからなくなり、暴れ狂ってしまいました。……でも、彼女は……彼女は、デュランを愛していなかったわけではないのです。デュランは、生まれてきたとき、祝福されていたのです。それを……それをどうしても……願いを込めて書きたくて、この話を入れました。読んでくださり、また、注目の作品に入っているのを教えてくださりありがとうございます……! 今確認したところ、PV数がとても増えていました。ありがとうございます……!

  • 【番外編】HAPPY BIRTHDAYへの応援コメント

    お金……。
    お金さえあれば助かったかもしれない命。
    人の命さえも左右してしまうお金。
    あるところにはあり余っていて、ないところにはなく、命の危険すら……。
    資本主義の世の中では、人の運命は生まれた瞬間に決まってしまうとさえ感じる……。

    作者からの返信

    奇蹟あい様、応援コメントありがとうございます……!
    お金さえあれば……あるいは、デュランの母が病に冒されなければ……せめて、デュランの生物学上の父が、正式な移民になれるよう手続きを補佐してくれていれば、母子は困窮することなく暮らしていけました。彼らが幸せになれる可能性は、そばにありました。
    この話で伝えたかったのは……前の話で、デュラン自身は、『誕生日を祝われたことなどない』と思っていましたが……。
    実際は、覚えていないだけで、ちゃんと祝われていたんだよ……、幸せな瞬間はたしかにあったんだよ、不幸にしたくて産んだわけじゃないんだよ……ということを伝えたくて書きました。私の、願いを込めた話です。

    編集済
  • 【番外編】HAPPY BIRTHDAYへの応援コメント

    今回が番外編という事は、本編は【Bottom of the HELL】までという事でしょうか。
    執筆お疲れ様でした。僕はこういうのはちょっと苦手な方なので、なんとも言えないです。■■■が生きていた時の所業に、もっとわかりやすく読者の怒りを買うような描写があったら、最後のシーンにもっと共感が持てたかもしれないなと思いました。
     でも、ここまで読者に媚びない作風でこれだけの読者の方が読んでくれたなら立派なものだと思います。僕なんて全然追いつかないです。

    作者からの返信

    夏目 漱一郎様、紛らわしくてすみません、本編はまだあと少し続きます……!
    デュランとアネモネの物語が主軸なので、そこをなんとかしようともがいている最中です。本当に、こんなに多くの方に読んでいただけるとは思いませんでした。もう少し……もう少し、頑張ります。ご意見もありがたいです!
    R-15の幅を飛び越えてしまいそうで、表現しきれない部分が多くありました。年齢制限がかけられるサイトで書き直す際に、熟考しようと思います。苦手なのに読んでくださり、ありがとうございます……!

    【追記】この話は、個人的な理由のために書き始めた話であり、批判がものすごく来ると思っておりました。それでも、受け止めてくださった方がおり、読んだくださった方がいらっしゃることは、私にとってとてもありがたいです。

    編集済
  • Bottom of the HELLへの応援コメント

    彼は地獄から這い上がることが出来なかった。
    自分の生い立ちに、あまりにも悲惨なしがらみがあったから。
    天国の天使も救えなかった。
    天国と地獄は交わることが出来ない。
    哀しい!

    作者からの返信

    オカン🐷様、ここまで読んでくださり、また、ご感想と恐れ多くも星評価をくださりありがとうございます……!
    ここから、結末までは、かなり体力と精神力を使って書かなければならないため、ひとまず、この物語の補完となる番外編を投稿いたしました。天国と地獄がどんな関わり方をして、どんな終わりにたどり着くのか、精一杯がんばります。

  • Bottom of the HELLへの応援コメント

    すべて終わりましたね。
    とうとう終わってしまったというべきなのか。
    デュランは生まれた時から最後はこうするしかなかったのかな。
    1つだけ言えるのは、アネモネと血がつながっていなくて良かったなと。
    それだけが気がかりだったので、そうではなかった。

    作者からの返信

    奇蹟あい様、この過酷な話を読んでくださり、また感想までくださり、本当にありがとうございます。
    デュランは、精神が頑健な方ではない、という設定がありました。強がってはいても、強くはない。むしろ、脆くて割れやすい部分を抱えている少年、という印象で書いていました。

    アネモネの両親は、天国の中でもさらに選ばれた上流階級です。デュランの父親とは全く血縁関係がありません。アネモネの青い瞳は宝石、デュランの生物学上の父親のスカイブルーの瞳はイミテーションの輝き、それをイメージしています。

    デュランの生物学上の父親は、『最上層』を目指して駆け上ろうとしました。手練手管を使い、様々な、数え切れない人達の人生を踏みにじって。しかしそれでも、天国の一番高みには至ることができず、隅に居を構えることがせいぜいでした。

    デュランは、悲惨な境遇に生まれつきながらも、『人を◯してはならない』という倫理観を持つ少年でした。しかし一旦、箍が外れてしまったら、もう彼を止めるものは何もなくなってしまったのです。

    もし、デュランの母の体調が回復して、精神的にも身体的にも健康を取り戻し、デュランを迎えに来てくれていたら、デュランは復讐に走ることは……なかったと思います。


    【追記】
    復讐を達成してそこで終わりというわけではなく……せめて、物語の中だけでも、因果応報があると思いたいので。
    デュランも、報いを受けなくてはなりません。
    正直とてもつらいですが、時間をかけてがんばります。

    編集済
  • Bottom of the HELLへの応援コメント

    想像以上で度肝を抜かれました。プロ並みの完成度の復讐描写だと思います。
    ハイレベルの表現、尊敬いたします!

    作者からの返信

    🌳三杉令様、ありがとうございます……!
    恐縮ですが、🌳三杉令様からそうおっしゃっていただけると、頑張って書いてよかったなと思ってとても嬉しいです。
    プロ並み……!😲
    そんなこと初めて言っていただきました😭😭 すごく照れますが、すごく嬉しいです。ありがとうございます……!
    プロほどの技量があるかどうかはわかりませんが、時間と執念と、愛は込めました。こちらこそ、🌳三杉令様の作品の素晴らしさ、尊敬しております!

  • ゆっくりと、味わいたい文章ですね。

    でも、読んでいるだけで、アネモネの安全が心配になります。


    …言われてみたい、もらってみたい分があるけど、なんだかは言いませんw

    作者からの返信

    愛田 猛様、こちらも読んでくださり応援コメントまでありがとうございます!
    アネモネの安全、心配ですよね。本当に治安が悪いので、少し目を離したら誘拐されてしまいそうな危うさがあるあぶなっかしい少女……にできてたらいいなと思います。

    ……言われてみたい、もらってみたい分?
    すみません、しばらく考えていたのですがよくわかりませんでした。なんだか気になります。

  • まだ追いつけそうです。


    ボーイミーツガールは王道ですね。面倒見いいなあ。まあ、狙われてると思ったからだろうけど。

    作者からの返信

    愛田 猛様、ありがとうございます!
    文字数はそこそこありますが、話数自体はまだ少ないので、追いついてくださるととてもありがたく嬉しいです。

    しかしバッドエンドは人を選びますし、内容も内容なので、注意書きで嫌な部分を感じたらご無理はなさらないでください……!

    そうですね、主人公はとても面倒見がいいと思います。今はまだ……。

  • 思ったより早くアネモネと再会出来たと思ったら、こんな展開が待っているなんて…いくら治安の悪い地獄だとしても、殺人を犯したらただでは済まないですよね。

    作者からの返信

    夏目 漱一郎様、コメントありがとうございます。流石にただでは済まないと思います。

    現状、アネモネには〝天国〟からの追手(学校関係者や彼女を保護しようとする警察)がかかっていますし、隠蔽することもできません。隠蔽するつもりもないとは思いますが……。

    アネモネは黙って出てきたので、彼女の身を守ってくれる護衛がついていません。
    デュランとアネモネが一緒に過ごすためには、デュランが治安の悪い地獄でアネモネ(とほぼ動けないデュランの母)を守り抜かなければなりませんでした。

    短期間はどうにかなっても、長期的には……。
    遅かれ早かれ、このようなことは起きていたと思います。

    デュランは、弱ったデュランの母を捨てられません。
    よって、遠くに二人だけで逃げることもできず……。
    どちらにせよ、まだ幼いふたりが、寄り添って幸せに生きていくことは、最初からできませんでした。
    デュランはそれを頭ではわかっていたので、前話でアネモネとの別れを受け入れていたのです。

    それでもアネモネは、会いに来てしまった。

    どうにかならないか、どうにか幸せなルートを模索したのですが、どうにもなりませんでした。

  • 決して褒められたことではないけれど、これで良かったのかもしれない。
    もう思い出したとしても、あいつはいないんだと安心できるのだから。

    作者からの返信

    奇蹟あい様、コメントありがとうございます。デュランのこの行動は(より正確に申し上げると、それを書いた私が)、もっと非難されるかと思っていました。ここにいたのが私だったら、恐怖のあまり、即座に引き金を引いていたかもしれない、と思いながら書いておりました。
    そうですね……。
    少なくとも、もうあの男は、現実的にデュランの前に現れることはないでしょう。

    ただ、この出来事がデュランの人生に落とした影はあまりにも重く、大きく……。デュランは、今まで人に殴られたことはあっても、人を殴ったことはありませんでした。そんな彼が、そんな彼が……。そう思うと、この展開を書くのはとても辛かったです。読んでくださり、またお言葉をくださりありがとうございます。励みになっております。

  • それは茨の道かも知れないけれど、アネモネの強い恋心がきっとデュランの人生を変えていくんでしょう。 男はあの世で改心してください!

    作者からの返信

    🌳三杉令様、早速読んでくださって、ご感想までくださりありがとうございます……!
    男は、あの世でも改心できないかもしれませんが、作中の地区の名前ではない意味の地獄が本当にあるのなら間違いなく地獄送りになっていると思います。
    その……実は……非常に申し訳ないのですが、アネモネがこのとき会いに来なければ、デュランはこの男を◯してはいませんでした。アネモネが背後にいなければ多分、足や腕程度で済ませていたと思います。茨の道……道……あるかなあ……あったらいいなと思います……。

  • 愛しているがゆえの決断が、辛いです。
    もし格差がなければ、と思わずにはいられません。

    作者からの返信

    蘇芳 様、読んでくださり、また感想もくださりありがとうございます……!
    デュランは、ただ、アネモネのそばにいられればそれでよかったと思います。アネモネの家のお金が目当てだったわけではなく、ただただ彼女のことが好きで、一秒でも長く一緒にいたかっただけだと思います。

    もし格差がなければ、もしデュランの生物学上の父が母子を捨てず、せめて中流階級の家庭環境だったならあるいは……二人の幸せな未来は、あったかもしれません。
    デュランが悪かったわけでもなく、また、アネモネの両親が絶対的な悪というわけでもなく……シアハニーという場所の歪みを、大人世代からの負の遺産をまだ幼い彼らが一身に受けてしまいました。続きも鋭意執筆中ですが、彼らがどう生きていくのかに焦点を当ててがんばっております。ありがとうございます🙏

  • 濁った世界で生きてきたデュランにとって、アネモネは天から舞い降りた天使でしたね。

    貴族と平民の恋は、茨の道でしかないのでしょう。
    アネモネの両親も、手切れ金という形でデュランと母親の生活を支援してくれましたし、貴族でも差別しない、人柄が良い方ですね。

    愛していても、アネモネの幸せのために嫌いだったと告げるデュランの気持ちが痛ましくて。
    デュランには強く生きてほしいです。

    作者からの返信

    堀内 清瑞様、最新話まで読んでくださりありがとうございます……!
    (また、素敵な自主企画を立ててくださりありがとうございます🙏)

    デュランにとって、アネモネは、おっしゃるとおり、天から舞い降りた天使、人生に差した光そのものだったと思います。

    そんな彼女と会える時間を、彼は心待ちにしていました。彼女と過ごす日々がなければ、彼はとっくに環境に押しつぶされて壊れていたかもしれません。
    いつか終わることがわかっていながら、それでも求めずにはいられなかった眩しい光を失って、彼はこれからどのように生きていけばいいのか……。

    デュランの気持ちに寄り添ってくださって、本当にありがとうございます。励みになります……!
    続きも頑張って執筆中です。

  • やはり引き裂かれてしまうのですね。
    でもアネモネのご両親は非常に良識のある方ですね。
    アネモネの気持ちもわかっているし、デュランのこともきちんと認めている。
    それでも一緒になることはできないのだと。
    天国と地獄。
    その隔たりがとてもつらい。

    作者からの返信

    奇蹟あい様、応援コメントありがとうございます……!
    アネモネの両親は、天国生まれ天国育ちにしては、地獄出身の(しかも、不法移民の子どもで、正式なシアハニー市民ですらない)デュランに対して、かなり温情を掛けていると思います。デュラン個人のことを憎んでいるとか、嫌っているとか、そんなことはないと思います。

    しかし、それでも、二人の仲を認める訳にはいかない理由がありました。一言でまとめると『身分差』ということになってしまいますが……。もしアネモネがデュランと本当に結婚した場合、天国社会からのバッシングというか……アネモネの生家に凄まじい圧力がかかります。

    現実的にアネモネの両親の家だけでは力が足りず、彼らややがて生まれてくるかもしれないアネモネとデュランの間の子どもを完全に守り切ることができません。

    いくら地頭が悪くないといっても、スラム生まれスラム育ちのデュランに天国社会を変革せよというのも無理がある話ですし……。若いふたりの間に愛があれば全て解決するわけではないというのが……。隔たりがつらいです。とても。

  • 淡い夢のような時間と厳しい現実の対比が見事に描かれています。デュランにとっては必然的な悲しい展開ですが、それをどう打開していくのか、一方ショックを受けているであろうアネモネがこれからどうなるのか、とても気になります。

    作者からの返信

    🌳三杉令様、応援コメントありがとうございます……!
    デュランはずっと前からこの時が来ることを覚悟はしていたと思いますが、アネモネは……。なまじ、デュランが本気で恋をして、『本当に結婚して一緒にいたい(一緒にいられたらどれほどいいか)』と考えていたことが伝わっている分、突然の離別は辛かろうと思います。

    アネモネがどれほどデュランを愛していようとも、現状、彼女自身は特筆すべき能力(身体能力、頭脳)のない普通のか弱い女の子です。そんな彼女が何不自由なく生きていられるのは、上流階級に生まれたからです。ただ、それだけ。

    正直なところ進めば進むほど地獄度が増していくというか、なんでこんなことになってしまうんだろう……と私が一番思っています……。
    つらい。でもがんばります……。

  • くすんで汚れているのにアネモネが出てくると途端に世界がクリアになる感じがとてもします。

    胸がぎゅっとなる展開になっていく感じのストーリーですかね。楽しみでもあり、もう既にちょっと胸が苦しくなったりもしています(笑)

    沢山本を読まれて感受性の強いジャックさんの文章はやはりちょっと一味違うなと思います。私には書けそうにない~。

    他の方が仰っているようにまるで映画を観てるような感覚です。

    スランプに陥りながらこのストーリーが出てくるのですから、いやもう尊敬です(゜o゜;

    作者からの返信

    東雲 晴加様にそんなふうにおっしゃっていただけるとは……! 感涙です😭
    すみません、昨日素晴らしいファンアートをもらってから涙もろくなってしまっていて……すごく嬉しいです。ありがとうございます。

    アネモネは、くすんで汚れた世界の中で、たったひとりだけ綺麗な存在として意図して描いています。
    彼本人が自覚しているかどうかわかりませんが……、デュランは、ほとんど一目惚れだったと思います。

    プロット通りに進むならば、胸がぎゅっと苦しくなる展開になる予定です。しかし最後まで書き上げているわけではなく、大まかな方針に沿って自由に執筆している段階なので、結末が大筋通りになるかどうかは定かではありません。
    現状、予定と少し変わってきている部分があります。物語の都合でキャラを捻じ曲げるのではなく、キャラの感情や心情に沿って描いていけたら良いと思います。

    文章については、今までとは何か違う手応えを感じており、私自身も少し驚いています。内面的なものが何か変わったかもしれません。スランプ時期は本当に辛かったですが、苦しんだからこそ何かが滲み出ている気がします。

    東雲 晴加様や雪月様のように、脳内でフルアニメーションを描き出せる域には至っておりませんが、部分的にアニメーションを付けて動きを想像できるようになってきました。お二方が教えてくださったおかげです。ありがとうございます🙏


  • 編集済

    一話一話ごとに、二人の住む世界がぐっと深みを増していくのを感じます。
    シアハニーという名前、素敵です。
    この作品がもし映画になったら、素敵なサントラがついてほしいな……と考えたり。
    続きも楽しみにしています。

    作者からの返信

    市枝蒔次様、ありがとうございます……!
    シアハニーという言葉は、シアーバターの『シア』の部分と、蜂蜜の『ハニー(恋人を呼ぶ時の意味も含む)』をくっつけて作りました。語感はとても気に入っています。お褒めの言葉いただけて嬉しいです……!
    映画になったらと想像していただけて、恐れ多くも嬉しくて、照れてしまい、こそばゆいような気持ちになっております。ありがとうございます。もしいつの日かサントラがついてくれたら、本当に嬉しくて、気絶してしまうかもしれません。
    続きも楽しみにしているというお言葉、ありがたいです。続きの執筆も楽しみながらがんばります。

  • 思わずため息がもれます。
    映画を見ているみたい。
    すべてが動いて見える。

    作者からの返信

    奇蹟あい様、とても嬉しいお言葉ありがとうございます!
    映画のようになっておりましたか……! 今までしたことのない表現や描写にチャレンジしていたので、内心とても不安でしたが、そうおっしゃっていただけてとてもほっとしております……! ありがとうございます!🙏
    続きも少しずつ描き始めております。映画のようなストーリーにできるよう、試みてみます。

  • 素敵なお話!
    うっとりしてしまう。
    続きを楽しみにしています!

    作者からの返信

    奇蹟あい様、ありがとうございます!
    自分なりに楽しみながら書くことをモットーに、少しずつ書いていけたら良いと思います。物語の予定が変わることもあるかもしれませんが……リアルタイム感というか、リズム感というか、そういうものを大事にしたいです。二人の恋がどんな結末に至るのか……描き出せるように楽しくがんばります。

  • (前編)という事は(後編)があるんですね。大人になったアネモネがデュランを訪ねて来る気がします。

    作者からの返信

    夏目 漱一郎様、コメントありがとうございます!
    今のところ、幼少期→思春期→大人になるまでの話を書く予定でいます。現在の構想では全九話になりそうですが、膨らむかもしれず縮むかもしれず……ガラッと結末も変わるかもしれず……といった感じです。かなり行き当たりばったりで書いているので、ふわふわしててすみません💦
    自分なりに小説を書くことを楽しみながら書きたいです。がんばります。