マフィアの幹部たちに殺されることなく生き延びたのは、デュランの運命がネイサンのことを待っていたのでしょうかね。
これまでおこなってきた数々の行いがすべて許されたわけではないと思いますが、母のための復讐だけは許されたと、デュランには思っていてほしい、そう願います。
作者からの返信
奇蹟あい様、応援コメントありがとうございます。マフィアの幹部たちに殺されることなく生き延びたのは、そうかもしれないとも言えるし、そうでないかもしれません。
個人的には、(デュランが殺した)マフィアのボスが、生前デュランに目をかけていたからこそ起きたことだと考えています。デュランは、重要な情報を与えられていたことで、ある意味、守られていたのです。死してなお残る先代ボスの影響力に。デュラン自身がそれに気づいているかどうか、マフィアの先代ボスにそんな意図があったかも含めて、曖昧なままにしておきたい部分もありますが、解釈の一つとしてはあり……だと思っております。
これまで行ってきた数々の行いは、決して許されてはいないと思います。デュラン自身、自分が行ってきたすべての罪を正当化できていなかったのではないかと思います。目を逸らすことすらも、きっと充分にはできていなかった。
人間はたぶん、合理的には生きられない部分を多く抱えているから人間なのではないか……と思います。それをうまく表現できているかわかりませんが、必死に書いています。
デュランは消極的であろうとも、生きることを、自分で選んでいました。その理由を次の話で描けたらいいと思います。あと2話で完結します。がんばります。
うーむ。相変わらずのハード展開、でも面白い。
いくら悲劇的な過去を背負ったデュランも、(復讐を正当化しきれなかったし)因果応報の運命からは逃げられなかった。それでも「自ら死を受容」「銃殺という、まだマシな死に方」というのが、僅かに良心的だと思いました。
現代日本は「悪い奴ほどよく眠り、責任の所在も曖昧」が状態化しているので、この因果応報のスラムにこそ(逆説的な)「公正さ」があると思います。
もう一つ。「復讐という行為に意味はあるのか」。法が復讐(私刑)を禁じているのは、専ら治安上の都合によるもの。復讐の価値は個人の主体性、そして実存の問題である・・というのが、デュランの問題提起だと思いました。
現実にも「同情の余地もあるテロ」「同情できない、100%害悪のテロ」が両方あります。
作者からの返信
殉教@休眠中様、貴重なお時間を割いて読んでくださり、応援コメントも寄せてくださりありがとうございます。「公正さ」については、可能な限り因果応報が廻るように書いているつもりです。せめて物語の中でくらいは、因果応報があってほしいと思っています。良い因果も悪い因果も巡るようにしたいです。
復讐の是非については、私自身何ともいえないところがあります。復讐してやりたいと思うことはあります。しかし、それを行ってしまえば、ペナルティや罪業、後悔は必ず付いて回ります。そして復讐を実行してしまえば、復讐をする前の精神状態や状況には決して戻れない……(少なくとも私の場合はそうだと思っています)。
私は、自分にとって何が大事なのかを天秤にかけた結果、『復讐はしない』ことを選んで現実世界を生きています。
難解な内容に関する議論ができず、確固たる理論や意志があるわけでもなく、申し訳ないです。
しかし、私の感じているありのままを書くことで、せめて精一杯の誠意だけでも示したいと思います。
この物語は、私が初めて、私自身のために書いている話です。復讐(私刑)をするというのはどういうことなのかを自分自身に問いかけるために書いています。私がこれから生きていくにあたって、私にとって一番大切なことはなんなのだろうか……ということを、物語上で悩み苦しむデュランに重ねていました。
現時点での結論としては、復讐(私刑)を全肯定するような話にはしたくないと思っています。かといって、全否定がしたいわけでもなく……中庸で揺らぎながらも、考えることをやめないでいたいと思いながら、この話を書いております。長文になってしまい申し訳ありません。素晴らしいコメントを寄せてくださり、本当にありがとうございます。
世の中の不条理や切なさ苦しみ、いっぱい詰まっているけれど、デュランにしかわからない救いもひとかけら入っていてとてもよかったです。
デュランがほんのひとかけらだけでも救われた事はデュランと読書にしか分からない所が切なくも良きです。
作者からの返信
東雲 晴加様、応援コメントありがとうございます。Bottom〜で敢えて触れていなかった、デュランがあれほどまでの凶行に出た理由の一端に、少し触れることができました。デュラン自身、認めたくなかったとは思うのですが……デュランは、本当は、父親のことを、心の底から憎みきっていませんでした。自分にとって完全に不要な存在だと思っていたなら、母の敵討ちだけが目的だったのなら、拷問などせず拳銃で一発でした。しかし、デュランは時間をかけて、父親との時間を過ごしました。
デュランの中には、どうして愛してくれなかったのかという父への愛憎がありました。デュランが歌っていたハッピーバースデイの歌も、本当は、デュランが両親から歌ってほしかったものです。
もし、デュランの母が生きていたなら、病気から回復してくれたなら、何も悪くないネイサンのことを慮って、復讐はしなかったと思います。そのルートなら、兄弟が仲良くできる可能性もあったかもしれない……と思いながら書きました。ありがとうございます。
う~む。これは想像を超えた神回ですね✨✨✨
デュランの最期(?)がナチュラルにもっとも痺れる形で丁寧に描かれています。
夢とはわかっていても、アネモネとの幸せなシーンが見れてとても満足です😊
読者の切ない気持ちを回収してくれました。
作者からの返信
🌳三杉令様、ありがとうございます……!
今回の話は、大筋こそ決まっていたのですが、物語の構成に悩み、かなり時間がかかってしまいました。かなり悩みに悩んだ内容だったので、神回とおっしゃってくださってとても安心しました。この物語を書き始めた構想当初から、弟ネイサンと相まみえる展開は決まっていました。
アネモネとの幸せな結婚生活(夢)シーンについてですが、実際、何もかもが奇跡的に上手くいって、二人が結婚できていたら、たぶん本当にあんな感じだったと思います。アネモネはあまり器用ではないので、よく料理を焦がすけれど、デュランはそれを美味しそうに笑って食べるという……。もし悲劇が起こらず、アネモネと一緒にいられたら、遠からずデュランの味覚障がいは改善していたと思います。デュランの物語はあと一話、最後にアネモネのエピローグでもう一話で、物語は終わります。続きもがんばります。
デュランは自分が生まれたことが
たくさんの人たちを苦しめた原因
と思っているんですね....
そうじゃないよ
と言ってあげたくなりました
作者からの返信
@kitakamakura様、ありがとうございます
このお言葉を読んで、泣いてしまいました
悲しい涙ではなく、気持ちをわかってもらえたような気がして……感涙というか、嬉し涙というのか……
私も、『そうじゃないよ』と伝えたかったのです
だから……急遽、予定になかった番外編、HAPPY BIRTHDAYを入れました
デュランの母は『デュランのことを不幸にしたくて産んだわけではない』と思ったからです
すみません、ここに関しては、私自身うまく言葉を見つけられていなくて想像で補った部分が多くあります
デュランが、HAPPY BIRTHDAYと祝われたことは確かにあったんだと示したくて
デュランが生まれたことで、何もかもを不幸にしたわけではないんです
ありがとうございます
読んでくださって、感想をくださって、ありがとうございます