アネモネが真っ直ぐすぎて辛い、とデュランは思うでしょうね。
自分が知る自分と,相手が思う自分のギャップが大きいと,なにをしたらいいのか、わからなくなってしまいますね。
作者からの返信
愛田 猛様、応援コメントありがとうございます……!
アネモネはかなり夢見がちな少女です。貧困や病の本当の辛さを知らず、ただ真っ直ぐに恋をしている。
アネモネの中では、きっとデュランは誰よりも素敵な人に見えているのでしょうが、デュラン本人の自己認識としては、『地獄育ちの汚れた子ども』でしかありません。アネモネの真っ直ぐな信頼の眼差しが辛かった側面も確かにあると思います。
それでも彼ら二人が幸せだった時間はたしかに有りました。それが良いことなのか悪いことなのかは分かりませんが……。
深い洞察のコメントを寄せてくださりありがとうございます。
思ったより早くアネモネと再会出来たと思ったら、こんな展開が待っているなんて…いくら治安の悪い地獄だとしても、殺人を犯したらただでは済まないですよね。
作者からの返信
夏目 漱一郎様、コメントありがとうございます。流石にただでは済まないと思います。
現状、アネモネには〝天国〟からの追手(学校関係者や彼女を保護しようとする警察)がかかっていますし、隠蔽することもできません。隠蔽するつもりもないとは思いますが……。
アネモネは黙って出てきたので、彼女の身を守ってくれる護衛がついていません。
デュランとアネモネが一緒に過ごすためには、デュランが治安の悪い地獄でアネモネ(とほぼ動けないデュランの母)を守り抜かなければなりませんでした。
短期間はどうにかなっても、長期的には……。
遅かれ早かれ、このようなことは起きていたと思います。
デュランは、弱ったデュランの母を捨てられません。
よって、遠くに二人だけで逃げることもできず……。
どちらにせよ、まだ幼いふたりが、寄り添って幸せに生きていくことは、最初からできませんでした。
デュランはそれを頭ではわかっていたので、前話でアネモネとの別れを受け入れていたのです。
それでもアネモネは、会いに来てしまった。
どうにかならないか、どうにか幸せなルートを模索したのですが、どうにもなりませんでした。
決して褒められたことではないけれど、これで良かったのかもしれない。
もう思い出したとしても、あいつはいないんだと安心できるのだから。
作者からの返信
奇蹟あい様、コメントありがとうございます。デュランのこの行動は(より正確に申し上げると、それを書いた私が)、もっと非難されるかと思っていました。ここにいたのが私だったら、恐怖のあまり、即座に引き金を引いていたかもしれない、と思いながら書いておりました。
そうですね……。
少なくとも、もうあの男は、現実的にデュランの前に現れることはないでしょう。
ただ、この出来事がデュランの人生に落とした影はあまりにも重く、大きく……。デュランは、今まで人に殴られたことはあっても、人を殴ったことはありませんでした。そんな彼が、そんな彼が……。そう思うと、この展開を書くのはとても辛かったです。読んでくださり、またお言葉をくださりありがとうございます。励みになっております。
それは茨の道かも知れないけれど、アネモネの強い恋心がきっとデュランの人生を変えていくんでしょう。 男はあの世で改心してください!
作者からの返信
🌳三杉令様、早速読んでくださって、ご感想までくださりありがとうございます……!
男は、あの世でも改心できないかもしれませんが、作中の地区の名前ではない意味の地獄が本当にあるのなら間違いなく地獄送りになっていると思います。
その……実は……非常に申し訳ないのですが、アネモネがこのとき会いに来なければ、デュランはこの男を◯してはいませんでした。アネモネが背後にいなければ多分、足や腕程度で済ませていたと思います。茨の道……道……あるかなあ……あったらいいなと思います……。
いくらここが無法地帯とはいえ、ということですね。
それはアネモネを守るため、どうしてもしなければならなかったのだと思います……
作者からの返信
たたみや様、応援コメントありがとうございます
たとえ今このとき襲来を受けなくとも、遅かれ早かれこのようなことは起こってしまっていました
それを凝縮した形になります
アネモネが会いに来てしまった時点で、そして彼女が自分で身を守る術を持たなかった時点で、こうなることは…………
この話を書くとき、随分……随分悩みました
物語の自然な流れを捻じ曲げてでもハッピーエンドにするならこの話(第四話)を書いてはいけなかったからです
決意を込めて、トラジェディ(悲劇)という副題通りに話を進めました
たらればを言っても、仕方がないのですが、せめて、アネモネとデュランが、面と向かって別れの言葉を交わせていたら、こんなことにはならなかったと思います
デュランはいずれ来る別れを心の何処かで覚悟していたから、第三話で言伝を伝えることができたけれど
アネモネは、なぜ、引き離されなければならないのかということが本当にわからなかったんだと思います
身を守るための行動の是非はともかく、究極のところ、デュランは人の命を奪うことに耐えられる精神は持っていませんでした、それがたとえ悪漢であったとしても
此処から彼は心の大事な部分(人間性)が壊れたままそれを治すことができずに生きることになります
デュランは、大切なものがひとつでも残っていれば、踏みとどまることができたと思います
でも、大切なものがひとつも残らなかったとき、彼を止めるものは何もありませんでした
次話からは本当に……本当に閲覧注意です
副題は『地獄の底』です
ここまで読んでくださっただけでもとても嬉しいです
だからどうかご無理はなさらないでください……