イミテイション・ヒーローから読み始めましたものです。
前作はト書き、台詞回し、文脈、話の持ち回り、
髄髄各所に白い光を感じました。静謐な白い空間に
招待されたようで、「読み進めるのが怖い」と思ったのは、
経験のないことでした。話が白く感じられるうちに
粗読みになってしまい「この姿勢で読むのは嫌だ」と
思い途中で目を止めてしまっていましたが、
今回はここまでなんとか来ることができました。
これが私の見たかったもの、いつからかはもう忘れてしまったけど、
ありがとう。これを読める日をずっと待っていたような気がします。
暗黒の燦然とした輝きの、最後の一筋をお待ちしています。
作者からの返信
@akaruihosi様、ありがとうございます。イミテイション・ヒーローを執筆するときは、きっと、私は光しか見ていませんでした。こうするべき、こうするのが正しい、こう生きることができるならそうするべきだ……息苦しいまでの眩しい光。今はそう思います(イミテイション・ヒーロー自体を否定するわけではなく、その時の私が強い光を求めていたということだと思います)。
この話……シアハニー・ランデヴは、生まれて初めて、自分のために、自分にあてて書いた話です。自分の中の闇を、暗い感情を、自分の中に取り込むための儀式のようなものかもしれません。
今まで拒絶してきた自分の中の暗い部分と和解するための話かもしれません。きっと自分でも全貌を理解しきれないまま、衝動のままに筆を進めました。
そのため、予想以上に過激になってしまった部分が多くあり、公開を躊躇っていました。きっと非難される、きっと忌避されると思っていました。しかし、皆様、とても温かく受け止めてくださって、驚きました。
@akaruihosi様、こちらこそ、ありがとうございます。言葉を重ねても足りないくらい、感謝しております。
あと一話、補完となりエピローグとなる話は、本来は今日中に公開するはずだったのですが、若干体調を崩してしまい、客観的に読めなくなってしまったので急遽公開を取りやめました。ほぼ完成はしているので、体調が落ち着き次第近日中に公開いたします。ありがとうございます。
初めてこちらの最新話を読んだ時、読後の余韻で何も言えませんでした。
やっと落ち着いたので一話から順番に読みましたが、二回目読むと胸が更に締め付けられました。
デュランとアネモネの純粋な関係を美しく思いつつ、格差あって別れを選び、完全に道が分かれてもアネモネのことを忘れられずにいるデュランの姿に涙が止まりませんでした。
苦しい運命をたどったデュランが、最期にアネモネに会えたことに救いを見た気がします。
作者からの返信
蘇芳 様、本当に本当にありがとうございます。読み返してくださって……辛い内容の話数もあったのに、貴重なお時間を割いてくださり、本当に嬉しいです。この作品を大切に思ってくださったことが伝わって、うれしくて、胸が一杯になっておりました。どう言葉を返すべきかにずっと悩んでおり、御返事が遅れて申し訳ありません。
デュランの恋心は、愛情は、きっと彼にとって、復讐や罪業と関係ない部分に或る純粋な気持ちでした。幼少期に訪れた望まぬ別れをそれでも愛ゆえに受け入れた気持ちのままでいたと思います。もちろん、矛盾する気持ちも持っていて、本当は会いたかったと思います。一緒にいられたら、他には何もいらないとも思っていたと考えています。しかしそのためには、デュランが〝天国〟に受け入れられるか、もしくはアネモネが〝地獄〟に住むしかありませんでした。しかし不法移民の子であるデュランが〝天国〟に受け入れられることはありません。ならばどうなるか、凄惨な事件が多く起こる〝地獄〟で暮らす他ない。ロザー・シェレフ地区でアネモネを守り抜くことは至難の業だったでしょう。デュランは自分の幸せよりも、アネモネの幸せを大事にしていました。
私は何度も何度も問いかけましたが、変わりませんでした。『アネモネが傷つかず幸せに生きられる方が良い』と、何度も彼は答えました。だから、そのとおりになりました。
彼が重ねた罪業が許されることはないと思います。しかし、彼が行ってきたのは悪いことだけではない、迷子になったアネモネの手を引いたことは、間違いない善行でした。あの日あの時、デュランがアネモネを助けていなければ、きっとアネモネは殺されていました。だからせめて、せめて、せめて……最期の最期くらいは……言葉を交わせてもいいはずだ、と、思いました。長文になってしまい申し訳ありません。彼の魂の純粋な部分だけでも、救われていたらいいと、思います。
もうなんも言えないや。
涙で前が見えないんだもの。
作者からの返信
東雲 晴加様、ありがとうございます。私、この三連休の間、ずっと泣きっぱなしで、今、目がすごく腫れています。感受性のセンサーと涙腺が壊れて、泣きながら書いていました。ありがとうございます。とても光栄で、とても嬉しいです。デュランは、最期に、会えて、良かったと思います。本当に……間に合ってよかったと思います。
あの少女を助けたことがつながっていたんですね。
最期に会えた。
ずっと見続けてきた幻ではなく。
いつかまたどこかで、2人が一緒にいられますように。
作者からの返信
奇蹟あい様、応援コメントありがとうございます。もし、あの少女を助けなかったら、アネモネの決断が遅れ、デュランの死に際に間に合わなかったと思います。デュランは、最期の最期まで、アネモネを愛していないと嘘をつきました。嘘をつくことでしか、愛を示せなかったのだと思います。アネモネは、そのデュランの言葉が嘘だとちゃんとわかっています。
あの少女を助けたという因果が巡り巡って、デュランの最期にアネモネを間に合わせることができました。犠牲を払ってでもあの少女を助けるかどうか、何度もデュランに問いかけました。デュランの答えは、何度聞いても変わりませんでした。デュラン自身の中にあった、愛と呼べるかもしれない感情が、アネモネとの縁を最期に手繰り寄せたのだと思います。会えてよかった、と、私も思います。
昔からある問いかけに「悪人の生命は、さっさと無くしてやるべきか。それとも生き延びさせて、更に罪を重ねさせるのか」というものがありますが。
デュランだって、善行も悪行もしましたし、救った人も、救わずに殺した人もいます。人の行動は複雑で、勧善懲悪で決められることは、思ったよりも少ないのでしょう(ウクライナ戦争のように、どちらにつくかを決断して、動かざるを得ない事はあります)。
そんな「善の一面」に対応した因果が、最愛の人・アネモネとの再会だと思います。
アネモネの言葉「あなたの悪行を知っても、嫌いにはなれなかった!」は本心でしょう。ある作家の言葉「恋愛は条件闘争ではない。条件を飛び越えた狂気である」を思い出しました。
結婚相手選びは、その条件(年収・顔の良さ・職業・学歴など)を吟味する条件闘争。でも恋愛は、一度好きになったら、そんな事は気にせず、狂気で突き進むもの・・という意味です。
デュランの暗黒面に戸惑いながらも、彼の人格や、魂そのものまでを愛したアネモネ。死の間際、極限状況にこそ、真の純愛を見ました。
打算で結婚する人ばかりの昨今、純愛があるのは天皇と皇室、そして物語の中だけだと思いました。
悲しみの中に、一条の愛の光を。作者さん、相変わらずお見事です!
作者からの返信
殉教@休眠中様、素晴らしい応援コメントを贈ってくださりありがとうございます。生きるうえで、どんな状況下でどんな環境であっても常に善を成し続けるというのは、とても苦しく、難しいものだと思っていました。痛めつけて追い詰められて憎しみや羨望に灼かれてなお、善のままでいられるのかどうか。善とは言えずとも、悪に堕ちずにいられるのかどうか。それを自分自身に問いかけるための話でもありました。デュランは、心の箍を外して、悪の道に染まったらどうなるかという側面と、純粋な好意と人間的な感性を併せ持つ存在として描くことに注力しました。デュランのしてきたことは罪深く、生きて幸せになる道は最早ないと思いました。それでも、彼の生まれた意味がなかったわけではない、彼の成した善行や善意までもを否定したかったわけではない、そう思って、この話を書きました。
この作品の多くの時間は、ほとんどヒューマンドラマといえばいいのか、人間の罪業と因果について描いていました。
しかし、投稿したカテゴリーは最初から『恋愛』でした。この物語を構想し始めた最初から、『恋愛』でなければ、この物語の主人公に最期の救いを用意してあげられないと思っていたからです。デュランがアネモネを忘れられなかったように、アネモネもまたデュランを忘れることができませんでした。
論理的に考えれば、大罪人であるデュランを愛するということは理屈にかなっていません。それでもなお、彼に寄り添うことができるとしたら。理屈抜きの感情を強く込められるテーマとしては、恋愛が最も相応しいと思いました。矛盾と清濁を併せ持ちながらも、それでも生きていく、そんなことを、描きたいと思っていました。感想をいただいて、涙しておりました。本当にありがとうございます。
嗚呼…………泣きます。泣きました。
こんな美しい物語が綴れるようになりたい……。
なんといったらいいのか、胸が締め付けられるような感覚を覚えました。
生命の力強さと儚さが同居している、繊細な心理描写と風景描写が素晴らしい作品だと思います。泣きながら、デュランとアネモネが来世でいいから幸せになれますようにと願わずにはいられませんでした。
ほんと感想下手ですみません、お邪魔しました。
作者からの返信
風宮 翠霞様、素敵な感想ありがとうございます。悩み惑いながら書いている部分が多くあり、投稿ボタンを押した直後は、不安でいっぱいでした。そんな中、応援コメントをいただけて、心がやすらぎました。本当にありがとうございます!
美しい物語とおっしゃってくださって、光栄です。いただいたコメントを読みながらずっと泣いていて、お返事が遅くなってしまい申し訳ありません。繊細な心理描写と情景描写とお褒めの言葉をいただけて、とても嬉しいです。元々、情景描写には苦手意識がありましたが、この作品を通じて少し成長することができました。初期から読んでくださって、辛い展開のあとも読み続けてくださって、本当にありがとうございます。この話は、風宮 翠霞様が、いつか近況ノートのコメントで『自分を救う話を書いて見たらいいのではないでしょうか』とおっしゃってくださったことから、生まれました。この話は、私が私のために書いた、最初の話になりました。風宮 翠霞様がいらっしゃらなければ、ここまで書くことはできませんでした。本当に、本当にありがとうございます。
編集済
心に沁みすぎて多くは語れませんが、デュランは最期にアネモネに救われたような気がします。もし生まれ変われたらアネモネと人生を歩んで欲しいです。
作者からの返信
🌳三杉令様、ありがとうございます、本当に感想いただけてうれしくて、泣いておりました。きっと、救われたと思います。最期の最期になってしまいましたが、ずっと会いたかった人に会えて、言葉を交わせて、本当に良かったと思います。もし生まれ変われたら、何のしがらみもなく、ふたりが幸せになれることを願います。ふたりは言葉に出して「さようなら」と別れを伝え合うことは出来ませんでした。
私自身も、さようならという言葉は書けませんでした。だから、どこかで、また巡り合うこともあるのかもしれません。ありがとうございます。
デュランが知っていることは
母親の体験からの限られたことしか
ないのだな と感じました
その限りから
精一杯の思いやりを示そうとした
のでしょう
自分がデュランの境遇に生まれていたら
こういう事をしたろうし
ネイサンなら、こうしたのかもしれません
アネモネだったら、同じようにしたのかも...
どの登場人物にも
自分を見るような気持ちで読みました
次で最終話でしょうか
楽しみにしています
作者からの返信
@kitakamakura様、ありがとうございます
そうです、デュランは、母親の苦しみを、一番間近で見てきました
『ずっと愛しているよ』と言われて不幸になった母親の姿を知っていたから
デュランにとって、『愛している』という言葉が最早呪縛だったのではないかと考えています
何度問いかけても、彼は『愛している』という言葉を素直に口にすることはありませんでした
できませんでした……
幸せになってほしいと思っていても、幸せの願い方を知らなくて、突き放すような言葉しかわからなかったのかもしれません
デュランは、ずっと閉じた狭い世界で生きてきて、『幸せ』というものが何なのか、本当はわかっていなかったのかもしれません
それでも彼にできる精一杯の祈りをしようとしたのだと思います
次の話は、彼の祈りに対する返答の話になります
本来は今日投稿する予定だったのですが、若干体調を崩してしまい、客観的に文章を読むことができなくなっており、急遽投稿を取りやめて、もう少し時間を掛けて見直すことにしました
きっと大きくは変わりませんが、できる限り悔いのない形にしたいと思っています
ありがとうございます