ずばり!!皆さんが、小説を(書き)始めたきっかけは!!??

 質問企画自体が久しぶりですね。


 さて、よく覚えていますとも。なにしろまだ手元に残っています。


 私が小説を書き始めるきっかけになったのは、小学校四年生のときの国語の授業で創作文が課題になったときでした。今を去ること40年前。カクヨムで書かれている皆様の多くが影も形もない大昔のことです。


 当時、ガンプラブームの真っ最中でした。


 自分もその例に漏れず、いえ、本放送からガンダムが大好きだったのが自慢でした。ガンダムの本放送時、周囲で見ていた小学生はいませんでした。それからしばらく経ってからのガンプラブーム。驚きました。最寄りのスーパーのプラモデル売り場には普通に置いてあったガンダムとシャアザクのプラモデルがいつの間にかプレミアものになってしまったのですから。


 普通の小学生は色なんて塗れませんでした。プラカラーを買えないんです。せいぜい、マジックで黒色を塗るくらい。それでもずいぶん見栄えがよくなったものです。


 私が初めて買えたガンプラはグフでした。グフを手にランバ・ラルごっこをしたものです。私にとってのガンプラとはガンダム世界に入り込むための触媒のようなものでした。ガンダム世界のものを手にするとその世界に入没することができるのです。完全に考え方は『魔術』です。ファンタジー的な意味の魔術ではありませんよ。文化人類学的でいう『魔術』です。まじないとか呪術とかその類いのものです。

 トーテム(祖先の動物霊)の仮面を被ったシャーマンがトランスするようなものです。ガンプラを使ったジオラマはよりその傾向が顕著でした。ガンダム世界の一部部分を切り出して作るのですからそれはそうでしょう。


 そんな私が創作文の課題を得て、何をするのかといえば、文字で自分なりに戦争ロボットアニメを作ることでした。当然の帰結です。ガンプラの代わりに文字でシーンを作り出し、その世界に入るのです。そのこと自体はそう難しいことではありませんでした。


 しかしストーリーを作るのには四苦八苦しました。まず少年がロボットに乗らないとなりません。宇宙から侵略者が来ないとなりません。戦艦に乗らないとなりません。月に植民した人々が独立して、地球を蹂躙し始めて、ゲリラとして戦っていた少年が反撃用のロボット兵器の工場に迷い込み、パイロットとなって、移動要塞に乗り込み、なんとか宇宙に出る、という展開にしました。ガンダムとブルーノア(みなさん、知らないでしょう?)をごっちゃにしたようなお話でした。


 原稿用紙で30枚。クラスで最長。表紙も色鉛筆でロボットと移動要塞を描いて、堂々の1冊です! 今では怖くてめくれませんが……


 以来、いろいろ途中中断もありつつ書いて書いて書いて、本当にいろいろあり、成果を残しつつ、今に至ります。ここ10年くらいはほとんど書いていなかったのに、再びこうして物を書き始めることができたのもまさに「三つ子の魂百まで」だと思います。


 あのとき、あのタイミングで創作文の課題が出なかったら、私の人生は違うものになっていたことでしょう。


 今日もまた、物書きにプライドはいらないと、果てしない戦場に再び身を置くのです。

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自主企画に乗りますよ~(質問回答・エッセイ編) 八幡ヒビキ @vainakaripapa

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