自主企画に乗りますよ~(質問回答・エッセイ編)
八幡ヒビキ
国内外の旅行記ください
どんな話がいいですかね。
自分は自転車乗りなので、普通の人から引かれるようなことをしていました。
昨日は土曜日でお天気も良かったので、今、書いている小説の舞台になる神社に自転車で行ってきました。ああ、朝に5000文字くらい書きました。目的の神社が30キロなかったので遠回りして70キロ走ってきました。その後、7000字くらい書きました。そんな人間です。
今でも引かれますね、きっと。
さて、決めましたよ。1日で長野まで行って日帰りしてきた話にしましょう。
GPSでログも残っているので割と正確に記すことができるんですが、ログを探すのが面倒なので記憶で書きます。
桜が散って、葉桜になる季節でした。
朝早く家を出て、荒川の下流域から中流域まで走り、国道245号線まで出ます。そして本庄市で秩父鉄道沿いに走って行きます。
ここまでトイレ休憩くらいしかしません。軽く100キロは走っているのですが、アホですね。
長瀞から峠越えをして国道462号線方面に。
この辺で群馬県入りですね。
あとはそのまま462を走り続けます。
恐竜のモニュメントが見えて、恐竜センターなるものがありました。どうやら化石が出たらしいです。
そして国道なのに集落の中を通るようになり、まだ桜が満開なことに気がつきます。
それだけ気温差があるんですね。
どんどん上っていくので、更に寒くなってきます。
ああ、途中の民家カフェでカレーを食べましたね。美味しかったです。マスターともいっぱいお話ししました。千葉から来たって言ったら目を丸くされてましたが。
そのうち、桜がつぼみになり、そもそもつぼみすらなくなり、日航機墜落の山の麓辺りでは梅が満開になってました。
これにはびっくりしましたね。
そして自転車乗りの間では厳しいことで有名な十石峠にさしかかったのですが、なんと工事看板があり、整備された道は通れず、更に厳しい林道の迂回路を通ることになりました。
こんなんありかと思いつつ上っていくのですが、人生で登り切れた最高の傾斜を経験しました。険しいところは平均15度くらいありそうでしたね……サイクルコンピューターで出るんで、そんなに大間違いではないと思うのですが。
15度って、分度器で見ると大したことはないと思いますが、坂だとすごいですよ。壁です。壁。そしてビンディングシューズっていって、ペダルと靴がくっついているんで、降りるには外さないとならないのですが、外す余裕はないです。このまま登り切るかどこかの木に掴まってなんとかこらえて靴を外すか凄く悩んだのですが、アホなプライドでそのまま登り切りました。
まあ、まだ上りは続いていまして、そのうち、雪がちらついてきました。
マジです。千葉から出発したので春の軽装で来たのに雪です。
あともう数キロで長野なんですから、ない話ではないんでしょうけど、甘く見ていたんですね。
雪が降っているんで寒いです。とても。持っている合羽を着込んでガタガタ震えながら十石峠に出ます。
そして峠を越えると猛スピードで下るわけですが、雪がサングラスに張り付いて走りにくいこと。走りにくいこと。
当然、スピードが出ているので相対速度もあがり、寒さが増します。
ここで震えていると事故の元だからとしっかりと気を確かにしていると、すぐに温かくなってきます。標高が下ってきたからです。
あとはそのままゴールに決めていた海瀬という小海線の駅に行って、自転車をばらして東京に帰るだけ――だったのですが、午後4時近くて、その日のうちに東京方面にいく最終電車の時刻が迫っていました。
結果から言いますと駅には間に合いました。しかし輪行状態に自転車をばらす時間がありませんでした。
もういいや、と何故かそのときの自分は思いました。
なにがいいのかぜんぜん今となっては思わないのですが、そのときはもういいやと思ったのです。
そのまま国道462を通って、佐久の方に北上します。途中、ビジネス宿がありました。泊まろうかとも思ったのですが、そのときはアドレナリンでアホになってますので、国道254号線で埼玉に戻ればいいや、と考えました。
埼玉まで戻れば電車がありますからね。
アホの発想です。
ドラッグストアで休憩して、走り出します。
国道254線の1つ目の峠にさしかかる頃にはもう真っ暗です。自転車のライトにヘッドライトを点灯し、ひたすら埼玉県を目指します。
幾つも峠を越えて、下仁田に。下仁田から藤岡へ。藤岡で何故かよく分からない中華料理屋に入って、野菜が一杯入ったスタミナラーメンを食べて、再出発。
本庄市方面を目指します。
もう電車に乗る発想はありません。輪行するのが面倒くさいので走り続けた方が楽だというもう理解不能の判断をします。不思議ですね。運動し続けると理性がなくなってしまうんです。
荒川沿いに帰ろうかとも思ったのですが、河川敷があまりにも暗いことはよく知ってます。
そのまま国道254号線を走り続けることを決めます。
もうお尻が痛くて、浮かられるところは浮かせながら走り続けます。その体験のあと、摩擦軽減クリームの存在を知るのですが、自分、もっと早く調べておけよと今更ツッコミを入れます。
もうあまり考えることもできません。
ひたすら、本当にひたすら254を走り続け、池袋へ、そして文京区へ。
そのあとは国道14号で。
どうにか千葉に帰ってきました。
当然、帰宅は深夜です。
やっぱり360キロくらい走っています。
初めて300キロを超えて走ったので限界はとっくに超えてます。
風呂に入って寝ました。家族には呆れられました。
翌日はぶっ倒れてました。お尻がずっと痛かったです。
こうして私はロングライドに目覚めてしまい、400キロだの500キロだの走るようになったのでした。
そういえば旅行記のはずでした。
うん、旅行記ですよね。たぶん、
これも旅のカテゴリーに入れてよろしいですよね?
マゾな自転車乗りの記録ですけど……
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