我が家の猫の話 タヌキングのエッセイの集い

 ネタ振りなしで新規エッセイですか……


 何が良いでしょうね?


 自転車ネタか料理ネタか家の前に生やしているハーブのネタか……はたまた神社のネタか。


 出勤前なので手軽に書いてしまいましょう。そうだ、おい、君たちの出番だよ。


 猫部ではないのですが、うちにも2匹の猫がおります。2匹とも保護猫です。彼女と彼を迎えたときの話にしましょうか。


 最初に迎えたのは『ぐるぐる』と名付けた女の子です。どこからどう見てもロシアンブルーなのですが、職場の脇にいつもちんまりと座ってしました。今はいなくなったのですが、当時、職場の周りには野良猫が数匹おり、うち何匹かは明らかに捨てられた子たちでした(今は1匹もいません)。


 キジ猫の4兄弟と一緒にいたのがこのぐるぐるで、グレーの毛で『ぐ』の字をつけたくて、ぐるぐるになりました。もちろん魔法陣グルグルからとりました。


 人慣れしていて、撫でているとすぐにごろんと転んで横になってお腹を見せるくせに、お腹を撫でると怒ってひっかいてくる子でした。


 指を噛まれて大出血しただけでなく、腫れて医者に行き、傷口をえぐられるように消毒されたこともあります。あのときの痛みは忘れようがありません。指って神経が集中しているのでとても痛いんですよ。執筆にもいい経験でした。


 ぐるぐるは2ヶ月くらい外にいたでしょうか。


 時期は本格的に冬になっていました。ぐるぐるも寒そうで、段ボールの上にタオルを置いて避難場所を作るとキジ猫4兄弟と一緒にぎゅうぎゅうになっていたこともありました。


 年末年始の休みを前に、ぐるぐるを家に連れて行ってしまおうかと思ったのですが、年末年始にロングライドを計画していたので躊躇しておりました(このロングライドはあとでエッセイにすると思います)。


 そして正月休みが明けるとぐるぐるはいなくなっておりました。


 後悔しました。誰かが連れて行ってしまったのだろう、と。ロングライドなんていつでも――できないんですけど、出会いは本当に奇跡なのです。


 めちゃめちゃ落ち込んでいたのですが、そのあと、保護猫の会の人に出会い、その会にぐるぐるが保護されたことが分かりました。


 会いに行くことをその場で決めて、週末に会い、ぐるぐるであることを確認し、無事、迎えることになりました。お金、かかりましたね。保護猫ってワクチン代とか餌代とか、会の維持のためにかかるんです。


 そんなの気にならないくらい、かわいいぐるぐるを家に迎えて、落ち込みもなくなりました。娘はペットを飼うのが初めてなので戸惑っていましたが、すぐに猫に夢中になりました。


 ぐるぐるもすぐに我が家になれてくれました。


 平穏な生活が始まったのですが、その頃、ちょうどコロナ禍が始まった頃でした。


 保護猫の会から連絡があり、もう1匹どう、とのことでした。というのもぐるぐるを確認するときに一緒にケージにいた猫が、譲渡会を開けないので引き取り手がなくて困っていると言うことでした。


 前髪パッツン系の白多めのキジ猫で、身体の大きな男の子でした。


 別に同じケージでケンカしていたわけでもないので、いい仲間になるかと思い、紆余曲折あった末、引き取りました。そして野良上がりだったので慣れるまで2ヶ月はかかりました。その子はみぞれと名付けたのですが、みぞれの話はまた別の機会に。


 2匹も猫が家にいると、家族が増えたのと同じなわけで、起伏が生まれてきます。


 今朝もみぞれが朝、起こしに来てくれました。


 起こすのはみぞれの役割ですが、みぞれはそのあと、一緒に1階に降りてご飯を貰えば満足です。しかしぐるぐるの方はごはんより撫でて貰う方が優先で、たっぷり3分は撫でないと機嫌が悪いのです。


 こんな風に猫も個性があります。


 個性があるので、口はきけなくても、きちんとコミュニケーションがとれます。それはとても幸せなものです。


 さっきもカクヨムにアップする作業をしている最中、ぐるぐるがすりすりと何度も何度も脚に頭を擦り付けてきました。


 いいでしょう?


 けどね。まだまだいるんですよ、猫。


 私は保護猫を2匹養うので精いっぱいです。主に家のスペース的な意味で。


 無責任なブリーダーとペットショップには怒りを覚えます。もちろんぐるぐるを捨てた無責任な飼い主にも怒りを覚えます。


 通勤途中に多くの、犬を散歩させている人を見受けます。彼らは本当に最後まで家族を看取ってあげる覚悟があるのでしょうか。見ていて不安になります。


 もし、ペットを飼われている方がお読みになっているなら、最後まで責任を持って欲しいです。そしてフランスのようにブリーダーから直接分けて貰うシステムに日本がなるように望みます。


 1匹でも不幸になる子がいなくなることを心から望みます。

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