牙で以て愛を知る
- ★★★ Excellent!!!
七聖家が一門、グリツェラ家の娘・アイシャは、断頭台で父・ルーカスの首が飛ぶのを目の当たりにする。
身に覚えのない反逆罪。父を処刑し、母を壊し、家臣たちの首を吊したのは、アイシャの婚約者・シオンの兄であるリヒト皇太子。
最後にはアイシャ自身も惨殺されてしまうが、突如として、父が処刑される直前の断頭台まで時間が巻き戻る。
「――あとは、頼んだぞ」
父・ルーカスの最期の言葉。二度目の父の死。没落の危機にあるグリツェラ家。
我が身を奮い立たせ、もう二度と同じ結末にはしないと、アイシャは牙を研ぐ。大切な人を守るため。家を守るため。父の願いに応えるために。
しかし、アイシャは自分と共に牙を研ぐ者の存在に気がついていなかった。
それは、婚約者・シオンの存在である。
胸に秘めたアイシャへの恋慕と向き合い、成すべきことを成そうと兄・リヒト皇太子に向ける牙を研ぐ。
時が経ち、2人は再会すると、シオンは自身の本当の心をアイシャに打ち明ける。
その結果が、溺愛。
あま~い恋慕と愛情が混乱に満ちたアイシャの心を溶かしていき、2人は手を取り合ってリヒト皇太子に立ち向かう。
時にすれ違い、離ればなれになりながらも、2人は同じ道を手を取り合って進む。
牙で以て愛を知る。
これは、そんな物語。