荒波に遺されて 弐
ぱたり、と日記を閉じて少年は息をついた。
それは、黄ばみ、ところどころ破れた、ひどく古い日記である。
この日記は、彼にとって大事なものであった。これは、
「僕がかならずや、読み解いてみせます」
彼女の願い。彼女は遠い、遠い過去に「真実」を見出そうとしていた。その「真実」が何かを、少年は知らない。
だから、過去を知らねばならない。
そうしなければならないのだと、少年は強く手を握り、ぐっと目を閉じた。
「失せたものを取り戻さねば。さもなければ――」
小さくこぼされたその言葉は、ごうごうと唸る
続く
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泡遊記(ほうゆうき) 花野井あす @asu_hana
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