主人公が謎なのです。
日本で生きる「悠」は、交通事故にあって、目が覚めると、みな、自分の名前を「蒼」という。
自分は、「悠」だよ?
(苗字は同じ、五十嵐。)
蒼と、悠は、別人。好きな食べ物だって違う。
でも、みな、「蒼」としてあつかう。
さらには、異世界にとばされた「悠」は、「ハーヴェイ」と呼ばれる。
いや、自分は「悠」なんです───!
日本「蒼」のからだ。
異世界「ハーヴェイ」のからだ。
……「悠」は誰? ……
という複雑な関係性から物語ははじまります。
しかし、読みすすめるほど、ああ、と納得するでしょう。
戦闘描写が迫力で、飛び散る臓物と痛そうなリアリティが生々しいです。
世界観も緻密に作られています。
ヒロイン「オリヴィア」は怪力美女、ハーヴェイにいじらしい想いをよせてはいるが、という読みやすいエッセンスも加えられています。
読み応えがある物語が欲しい! という読者さまに、おすすめです。