星屑のキャンディ・ドロップ

二〇一六年、民間宇宙旅行が身近になり始めた頃、人類の更なる宇宙進出を促進させるため〈ゼロワン〉と呼ばれる「宇宙ターミナル」が建設されていた。民間人のための国際宇宙ステーションのようなもので、地球から宇宙への空港とされる予定だ。
建設は宇宙空間で行われ、そのために「宇宙飛行士」以外の職種の人間も、宇宙へと繰り出していた。
私（テンマ）もその一人であり、宇宙船〈ブルーバード〉で宇宙出張に出かけていた。
仕事内容は、ゴミ処理。デブリと呼ばれる宇宙ゴミを、〈サルガッソー〉と呼ばれるゴミ集積所に運ぶことが仕事だった。
一人用作業用ポッドに乗り仕事にあたる中、クルーの一人が……