星屑のキャンディ・ドロップ

京弾

 一九九一年、バブル経済は崩壊した。当時子供だった私は、それがなんなのか全くもって理解していなかった。もっとも、それは大人になったいまもであるが。そもそも、大人とは何だろう。十八歳以上? 二十歳以上? 区切りとなる年の誕生日を迎えた瞬間、大人となるのだろうか。あるいは、精神的なものを指すのか。そうだとすると、私は大人になったという自信はない。

 話が逸れた。私の人生において、バブル経済の崩壊や大人の定義などなんら影響のないことだ。経済が良かろうが悪かろうが、私はいまと同じように生きていただろうし、大人であろうが子供であろうが、思考や思想は変わっていないだろう。

 私の人生に大いなる影響を与えたのは、二〇〇〇年のあの日だけだ。大人と子供の間にいた十九歳の私にとっては無視できない出来事だった。

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