「私」が幼稚園児だった頃、迎えに来た母はいつも注目の的だった。子供たちに囲まれている母の姿は、「私」にとって自慢であり憧れで……。幼少期の思い出から現在までを、清々しく描き切った現代ドラマ短編。子供ならではの感性に懐かしく浸り、これからをさっと描き出す構成が美しいです。思い出話を我がことのように読み終えたところで、現在の「私」の目線にはっとさせられます。「今」だからこそ、母に、家族に、伝えられる気持ちがあるのだと気づかされました。
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