望みをつないで、願いをかさねて。

ところで、ペンギンを見たことはありますか?僕はあります。この前水族館で見ました。では、人間を見たことはありますか?僕はあります。この前……

鳥が鳥籠の中で飼育されるように、ひとは揺籠の中で守られるのかも知れません。少女の前に現れたのは一羽のペンギン。海と陸を自由に行き来できる存在ならばこそ、揺籠の中と外とで自在に出没出来るのでしょう。彼女が行くべき場所はどこか?彼が探し求めているものは何か?ふたりの思いを強く結びつけているのは誰なのか。

これはきっと、ペンギンの軌跡の物語。時間と空間とを自由に行き来し、過去と未来に自在に出没し、すべての状況で奮闘し、すべての幸福をコウテイする奇蹟の物語。なんすれば、命はそれ自体が、既に奇蹟なのですから。

母の望みと父の願いとを、共に紡がれて世界に歩み出す、そんなヒロインの名前は――