書くということに、限りない賛辞を。

人がお話を、物語を作るのは何故なんだろう?そんな普遍的な疑問に、この作品はひとつの答えを提示します。ロボットという人の似姿を通じて描かれるものは、ままならない現実に対抗して紡ぎ出される架空の、虚構の未来図を書くという行為。物を語ることは、同時に物を騙ることでもあり、人が空想を思う想像力こそが、人の内心に希望を創造させるのだと提示します。物語の持つ力、フィクションの中にある真理。そしていずれは、人ではない知性が想像力と創造性を手に入れる日が来るのだと、希望を持って提示される未来図を、さりげなくしかし強い意志で記す。これはそういうお話。

この作品は「日本SF作家クラブの小さな小説コンテスト2024」の共通文章から創作されたものであり、同コンテストの最終選考会にて大賞にあたる「さなコン賞」に選ばれました。

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