マカオにて
マカオは堺より狭いが、はるかに都会であった
ポルトガルの伴天連が街そのものを作り上げており、明でありながら書物で読んだことのある明ではないかのような街並みである
我々はいまワンの口利きでマカオのポルトガル商人、ルイコスタ商会の用心棒兼見習いとして働いている
ヒノモトへのキャラック船に乗せてもらう話もあったのだが、どうやらミツヒデ軍が堺を含む畿内の大半を抑えている状況下で長崎にしろ堺にしろ我々が向かうのは死にに行くようなものであることと、ノブタダ様の存命が判明したためノブナガ様が
「是非も無し ヒノモトはノブタダ達がうまくやってくれるであろうから我らは拾った命を新天地で楽しめばよい」とあっけらかんとしているのもありこうなった
商売というのもなかなか面白いものではある
その土地その土地の名産品を安く仕入れて、需要のある他の都市で高く売れば差額が儲けになる
もちろん、為政者やいわゆるギルドなどに上納金を払い商売を認めてもらわないと交易すらままならないのが現実ではあるのだが、切った張ったの武士の世界とはまた違う面白さがある
最近明の沿岸を荒らしている倭寇という武装集団があり、その中には祖父様とクキの叔父貴が鉄甲船で倒したムラカミ水軍の残党なども紛れているらしいが…流石にマカオまではあまりに南過ぎてやってこないか
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