小舟に乗り込み志摩の鳥羽を目指すヒデカズ一行

そんな中、折からの嵐が畿内を襲おうとしていた…


…不覚

まさかこのような時に野分で嵐となってしまうとは!

しかし、あのまま堺にいたとしてもあの混乱の中では逃げ切れるものではなく、異国の者が多い堺といえどもヤスケの風体は目立ってしまい隠れようがなかった


「是非も無し おもしろき人生であったわ!

人間五十年 下天の歌を くらぶれば 夢幻の 如くなり 一度生を得て 滅せぬものの あるべきか…」


ノブナガ様が嵐に揺れる船の中で敦盛を唄いはじめた

…もうこうなれば運を天に任せるしかない

ノブタダ様、祖父様、申し訳ござらぬ


嵐が船を呑み込んでいく



嵐に流され気を失っていたわしが気づいた時には、見知らぬ風景が広がっていた…

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