天使という名の???

アヨータヤー王宮との取引をしている中、ナレスワン王子がマカオ製の鉄砲の性能を見たいとのことで試し撃ちを所望された


ノブナガ様が、鉄砲であればヒデカズがよかろうとのことでナレスワン王子の試し撃ちをワン殿とわしでお手伝いして、ノブナガ様が面白そうに眺めておられる


ヒノモトのものとは若干違うが、下手したらヒノモトのものの方が性能は良いかもしれないな

ポルトガルから伝来した鉄砲ではあるが、ヒノモトの鉄砲は独自の進化を遂げたのであろうか?

それともヒノモトの人間にとってはヒノモトのものの方が使いやすいだけか?


ナレスワン殿下も以前敵の大将を鉄砲で狙撃して討ち取ったとのことで中々の腕前だが、殿下が興が乗られたのか的当て勝負を持ち掛けられた


その結果僅差ながらわしが勝利し、褒美になにか賜ると王子がおっしゃったところで…


「この無礼者が!怒 殿下に対してなんたる不敬!わらわが成敗してくれる!」

と、何者かから問答無用で殴りかかられた


絹の上等そうな丈の短めのドレスを着た女子おなごから不意をつかれ一発喰らってしまったが、女子の拳にしては痛いぞ!?

次は裏拳が飛んできたので慌てて避けるが、このような服装で王宮にいる時点で女官かなにか知らぬがそれなりの身分のものであるはず

宮廷女官が格闘の術を持っていること自体が驚きではあるが、、、うわっ!今度は膝蹴りか

ヒノモトとは違う独特の拳法を使ってくるな これは気を引き締めねば


やむを得ず背後に回り込み、首に手を回し押さえ込もうとするも…腹にしこたま肘を喰らい恥ずかしながら悶絶…


「やめぬかテーパティダー!そなたこそ客人に対して無礼であろう!」

ここでナレスワン殿下が止めに入られた


「お義兄様!王子たるお義兄様に勝負などとアヨータヤーに対して不敬の極み!」

「やめんか、勝負を持ち掛けたのは余であるぞ!そなたは我が面目を潰す気か!怒

…ヒデカズ殿、この者が大変失礼致した

我が一族の娘でテーパティダーと申す者なのだが、甘やかされて育てられたせいかかようなじゃじゃ馬に育ってしまい困っておるのじゃ

どうか許してやってほしい」


…いえ、勿体なきお言葉に御座います

テーパティダー様、先程は大変失礼いたしました

拙者はジパング出身のサムライ、ヒデカズ タキガワと申します 現在はマカオのルイコスタ商会の一員としてアヨータヤーに交易に参った次第


「こちらこそごめんなさい…貴方はイープンなのね

わらわはテーパティダー、殿下の紹介の通りアヨータヤーの王族の1人よ

子供の頃からテープって呼んでくれる人が多いから、テープって呼んでくれていいわ」

…テープ?


「イープンの言葉で 天使 っていう意味よ」

!!

いきなりヒノモトの言葉で返事が返ってきたぞ!?

このお姫様、ヒノモトの言葉も喋れるのか?と驚いていたところ…


「驚いた?わらわはイープンの言葉少し喋れるの この街にもイープンが増えて、関わったりするうちになんとなく覚えたのよ」

…ワン殿同様、語学の才能のある人は意外といるようである

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