フーシェ・シリーズを堪能する最高の方法

フランス革命期は、多くの群雄が現れては消えてゆき、それが男に留まらず、女も歴史の主人公だったのは、まさにフランスらしいと言えるかもしれません。

本作にはまさにそこを切り取った物語で、二人の女性が登場します。どちらも野心的で、生き残ることへの意欲が強く、何より魅力的です。

時勢を読み解く能力の高い者が勝者となりますが、それだけでは割り切れないのが人の性で、何をして「最高の方法」とするのか、コケットリーとエスプリの利いた結論に、苦笑いと共に快哉の拍手を送りたくなることは間違いないでしょう。

さらにさらには、ラストに語られる、もう一つのお話。
お節介ながら、気になられた方は、ぜひとも作者様の『背徳を浴びる鳥のうた ~亡き王子のためのパヴァーヌ~』をご覧ください。

また、フランス革命期を扱った同シリーズが現在までに四作品発表されています。
時系列に従って読まれるもよし、一連の作品群のストーリーテラーでもあるジョゼフ・フーシェについて、造形の精度が鋭く増している発表順に読むのもよしではないかと思います。

素晴らしい作品です。是非一度ご覧ください。

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