Beside to you

附録＜後記＞

　星莱（せいらい）の社（やしろ）は、約三年の後、神呼（みこ）・結迦（ユイカ）の手によって再建。頭領として砂來（シャナク）の集落出身の隼斗（ハヤト）が立ち、夫婦となった二人で再び慈源（じげん）の祠を守る役割を担った。

　魔術師ダリュスカインの遺した堅固な結界の噂は、ドラガーナ山脈（竜の背）の南、エディラドハルドの大陸の安寧を司る蒼空の竜の力＝竜の加護を継承するイリユスの神殿長・啼義（ナギ）の耳にも届き、再建された星莱の社との新たな関係を築く架け橋となった。

　これにより、星莱の社はドラガーナ山脈を境とした大陸の北東を守る拠点となり、以後、イリユスの神殿と共に足並みを揃えて、大陸全体の安全を双璧で守ることとなる。

　ダリュスカインの息子・柊（シュウ）は、父を凌ぐほどの上級魔術師に成長。星莱の社が守る慈源の祠と、ドラガーナ山脈を隔てた南にある慈禊（じけい）の祠の間に横たわる磁場と闇の魔気の融合を解き平定、一定以上の魔力を有する者に解放することに成功した。

　この道は『竜の魔道』と呼ばれ、南北を結ぶ唯一の瞬間移動の通りとして、イリユスの神殿と星莱の社の管理のもとに守られている。