君を探している、また春が来るまで。

逃げるように病室を抜け出した彼女は、桜散るベンチで彼と出会った。めぐる季節の中で交わされる不器用な会話とシャッター音が、モノクロームの彼女の人生を鮮やかな色に染めていく。たとえ遠く離れたとしても、彼女の想いはもはや色あせることはない。四季の輪廻が、春を必ず彼女に戻してくれるから。
互いを輝かせる、偶然という名の奇跡が胸を打つこの小説。春が来るたびに読み返しながら、あなたも自分の大切な人に思いをはせて欲しい。