大切な事が詰まったお話。大人の方にこそ読んで欲しい。

レビューが上手く書けません。
書きたくても書けないことが多く、手が止まることもしばしば。

踏み出してはひっこめて、結局、諦める。
そんなことを繰り返しています。

でも、それはレビューだけじゃありません。 

大人になると、色んなことを諦めがちになります。
それが当たり前になって、始める前から無意識に言い訳をして、真正面から向き合わなくなる。

それって、勿体ないことなんですよね。 

この物語の登場人物は、高校生です。
多感なお年頃で、子供でも大人でもない。
何者にもなりきれない、彼ら彼女らのお話です。

『生徒会』という青春小説ではよく見かける設定が軸になっています。テンポは良いです。でも、ライトノベルのように軽くはありません。時の流れも言葉も物語の中に根付いていて、私たち読者に彼らの迷いや苦しみ、そして、希望をダイレクトに伝えてきます。

決して短い話ではありませんが、筆者さまのエールが詰まった素敵なお話です。

少しずつでも良いので、触れてみてください。
そして、読み終えた時あなた自身の表情を鏡で覗いてみてください。

きっとそこには、過去に置いてけぼりにしてしまった『あなた』がいて、今の『あなた』を笑って迎えてくれている筈です。

そして、こう言うのでしょう。

――おかえり、と。

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