ご縁があって祐里さんの小説を続けて読んだ。
そのどれも、視覚的色合いが前面に出てくる。
いや、実は隠しているつもりなのかもしれないけれど、著者のファインダー越しに見るそれらの色は、どれも特殊なフィルタを重ねてあるのではないかといぶかしむほど、強烈に目立ってこちらに届いてくる。
本作は、他の小説に比べても特にはっきりした色が散りばめられる。
(実は今でも潜かに秘めた)著者のかつての思いを、投影しているのではないかと思うほど。
アイスの色。ラムレーズンって、バニラと何が違うんだろう。
彼女がバニラを頼むことはまだないかもしれないが、ようやくラムレーズンにたどり着こうとしている。
派手な服を着たり、ネイルで飾ったりすることと全く同じに、
ヌード色を整えることが核。
脱ぎ捨てて、原色も、肌の色も、どちらも美しく
これからも描いていってください。
未踏の地へ、未踏の色合いへ。
ありがとうございました。