Episode1-3 Sainteila −セインテイラ−

処刑まで残り二十日。セレスの隠し部屋にて

「ひどいです。セレス。」

私は、独り言をつぶやいた。

「どうしたの?」

「私を逃がすための演技だと分かってても、セレスにそう言われたら、心が傷つくの!」

私は、心の奥底に眠る気持ちを吐露した。

「ごめんなさい。でもそうするしかなかったから…」

セレスは、覚悟と哀れみの表情でそれに答える。

「それでも、私のために頑張ってるのなら、我慢するしかないですね。セレス、貴方も頑張ってください。信じてますよ。」

「うん。お姉ちゃん。」


そして今日も私は、”妹セレスに力の差を煽られる姉セイン”を演じる。

────例え心が傷つこうとも。

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