Chapter2-3 first quest -初めてのクエスト-

「ここが件の洞窟だね、行こう!」

「はい!」

クエストを受注した私は、洞窟の中へと入っていく。

「初めてのクエストでちょっとドキドキします…」

「大丈夫だよ、お姉ちゃん。魔物が私がでたら私がなんとかするから。」

「はい、頼りにしてます!」


暗がりを進むと、何かの影が飛び出した。

「…早速来た!下がって!」

「はい…!」

お姉ちゃんが下がると、私は眼の前の魔物を観察する。

「スライム3体、魔動遊戯ゲームで言う説明戦チュートリアルだね!」

スライムは粘液の魔物だ。液体ならば凍らせればいい。

「…」

私は、手のひらに冷気を生成すると、それを自分の息で飛ばす。

私が一ヶ月前に考えた氷魔法の応用技、雪女の吐息フローズンブレスだ。その痛々しい名前は自分でも笑ってしまう。

冷気を受けたスライムは凍りついて動かなくなる。

「楽勝楽勝!」

「セレス、余裕ぶってると痛い目見ますよ?」

「はいはい。わかってるよ、お姉ちゃん。」


あとはマナナイトを採掘し、ギルドに持ち帰るだけだ。

「そういえば、つるはしって持ってましたっけ?」

「あ。」

そうだった。つるはしを忘れてた。


「…いっそ魔法で掘ればいいじゃない?」

「良いアイデアですけど、何でも魔法に頼っていると将来だめになりますよ。」

「わかったよ…」


迫りくる魔物を退けながら洞窟の深くへと進むと、光る石を見つける。


「これがマナナイトかな?」

「落ちてるものだけでも拾って帰りましょう。」

「…お姉ちゃん、ここで待ってて。」

鉱床に何かを仕掛ける。爆破魔法だ。

魔法の爆弾が爆発した後、

私は、崩れ落ちたマナナイト鉱石を集める。

「これでいいかな。後でギルドに届けよう。」

「これでクエスト達成ですね!」

「…でも、思ってよりもつまんなかったなぁ…ん?」

「どうしましたか?」

「何かの気配がする。」

間違いない、大物だ。

「…こいつは楽しめそうな予感…!」

恐怖よりも楽しさのほうが大きい私は、そう呟いた。

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