どうしてこんなことになったんだろう。

「全国民に次ぐ！　次期セントヘイム国王である私は、聖女セレスティアナ・ミューズステラとの婚約を破棄する！

そして同氏を私を騙し、盾突いた反逆者として死刑に処す！

セレスティアナを見つけたものは即刻捕えろ！手がかりを見つけた、または身柄を渡した者に相応の報酬を与える！」

――――――計画は失敗に終わった。

私の計画がジーンにばれた。

私は、なるべく息を殺し、ひたすら人気のない場所へと逃げ込んだ。

「…しかし、馬鹿な王子様だよ…お姉ちゃんが追放された（逃げた）今、唯一の聖女であるを処刑するなんて。…」

つぶやいた後、ふとあの可能性を察し、”…まさかね。”と内心思いながら、肌身離さず持ち歩いている伝言手帳（コミュニケーションノート）に走り書きで

”お姉ちゃん逃げて。あいつの狙いはあなたの力だよ。”

と書いた直後、

「見つけたぞ。」

聞きなれた青年の声に戦慄と絶望、恐怖を覚えた。

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