Episode1-4 deportation −追放−

セレスの処刑まで残り2週間。

「セインテイラ。聖女の力を使えないお前には失望した。もうお前は聖女でも私の婚約者でもない! …この国から出ていってもらおう。」

私は、遂にジーンから見放され、国から追放された。

だが、この追放は私とセレスの計画の内だ。

「私を追放したこと、きっとあなたは後悔しますよ。」

「その覚悟はできている。これからはセレスがお前の代わりになる。」


私の代わりはもういない。セレスは、きっと良き王として民を導くだろう。そう確信している。

しかし、それは同時に妹との別れを意味している。

…だけど…またセレスに会えると信じて…

「さよなら…また会いましょう、セレス。」

独り別れの言葉をつぶやいた私は、王宮を、国を去った。


「……これがおとぎ話なら、隣の国の王子様が来て、わたしを温かい目で迎えてくれるのに…」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る