少女探偵・小林声と日常の謎たち

第19話 解答編

「……今日が日曜日だったことが時間の巻き戻りと何か関係するのか?」

「と言うか、時間が巻き戻ったように錯覚した原因は、お前が時間を見間違えたことにある」

「いや、俺はお前の腕時計が8時14分を表示しているのを確かに見たぞ」

「だからそれが見間違いなのだ。私の腕時計は曜日と日にちがデジタルで表示される仕様になっている。たとえば十三日の金曜日だった場合は『金　13』といった具合にな」

「……何でジェイソン?」

「さて鏑木（かぶらき）、今日は何月何日何曜日だ?」

「……四月十四日、日曜日だ」

「十四日の日曜日は、私の時計では『日　14』と表示される」

「……まァそりゃそうなるだろうな」

「まだ気付かないか?　ここで問題なのは、曜日と日にちはデジタルで表示されるという点だ。月～土曜日までは何も問題はないのだが、日曜日にだけあることが起こる」

「……あ、まさか!?」

「そう、それはデジタルで表示したときに『日』と『8』の見分けが付かなくなるという問題だ。つまり鏑木、お前は『日　14』を、8時14分だと勘違いしたのだ」