第26話 仲睦まじい白狐と黒狐の姉妹
琵琶湖に浮かぶ鳥居を眺めながら、姉妹は過去の出来事について語り合う。それは、
「それにしても、初めは悪い奴かと思ったけど、本当は仲間想いのいい奴だったなんてね。それを聞いて、なんか安心したよ」
「こん。そうね、瑞獣も人間と同じで、外見だけじゃ分からない。向き合ってこそ、初めて心の想いが伝わるのかも知れないわね」
「じゃあ、せっかく誤解が解けたんだからさ、
「こん。それは無理な話ね」
「無理? どうして」
「こん。先ほども言ったけど、霊気が感じ取れないからよ」
「えっ、もしかして……消滅しちゃったってこと?」
「こん。そうじゃなくてね、気配が小さすぎて、見つけられないのよ」
「じゃあ、生きてるのは確かなんだね」
「こん。それは間違いないわ」
「ってことは……他の瑞獣たちも同じ状況?」
「こん。そうなのよ、
「消えたり? 現れたり?」
「こん。もっと分からないのは、
「ごん。姉さま、それは一体どういうことなのだ?」
「こん。じつはね、
「ごん。もしかして……?」
「こん。安心して、今のところは大丈夫よ。けど……何かがおかしわ」
「おかしい?」
「こん。そうなの、場所を特定しようとしたらね、何故だか結界で弾かれてしまうの」
「たしかに、それは変だね」
「こん。それにね、ときどき
「ごん。じゃあ、なにか分かるまでは、慎重に行動しないとだな」
「こん。そうね」
「こん。そういえば……
「言われてみれば、そうだったような? っていうか、よく覚えていたよね」
「こん。だって、あの時は本当に驚いたもの。突然抱きしめられて、『君たちのことは、絶対に消滅させない! 僕がいるから大丈夫!』って、大きな声で言うから少し恥ずかしかったわ」
「ごん。
「こっ、こ、
「ごん。どうした、
「だから、ちがっ――。僕はね、君達を天に帰そうとしただけ。決して、やましい気持ちなんてないから」
「ごん。
あたふたしながら、誤解を解こうと必死に説明を続ける
「こん。私は、分かっているわ。穢れる前に浄化しようとしてくれたんでしょ」
「
「こん。それは勿論、からかわれているのよ。本当はね、妹は
「ごっ、ご、ご、ご、ごん。――ね、姉さま! それは言わないと約束したはずだぞ」
「こん。どうしたの、
「ごん。そうですが……今日の姉さまは、とても意地悪です」
🌼夜叉姫~あなたが私にくれた永遠の愛~🌼 🍀みゆき🍀 @--miyuki--
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。🌼夜叉姫~あなたが私にくれた永遠の愛~🌼の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます