『宇宙刑事ギルダー』は、非常にユニークで楽しい物語ですね。主人公のギルダーは、宇宙刑事として怪人と戦いながら、一方で給料日や有給休暇など、サラリーマンならではの日常の喜怒哀楽にも一喜一憂する姿が面白いです。
怪人との戦闘シーンでは、決めゼリフやポーズなど、定番のヒーロー物の要素もしっかり押さえつつ、ギルダーが子供たちに囲まれながら「できれば平日の昼間に助けを求めてほしい」などと考えているシーンには思わず苦笑してしまいました。
給与明細を見て喜んだり、武器の管理を怠って総務課の人に怒られたりと、ちょっとズレた描写も絶妙です。怪人との戦いとオフィスでの何気ない日常が絶妙なバランスで描かれており、宇宙を舞台にしたSFコメディとしてとても楽しめる作品だと思います。今後のギルダーの活躍からも目が離せません。
幼い頃に見た宇宙刑事シリーズ。放送年から考えるとどうやら再放送だったようなのですが、やっぱりギャバンが一番好きでした。あの銀色のボディ、たまらなくかっこよかったです。
さて、そんな宇宙刑事好きの方に強く、強くお勧めしたい作品です。
まずもう『宇宙刑事』ってだけでフォローすることがほぼ確でした。背中を押したのが、1話完結形式だったことと、めっちゃコメディだったこと、そして、ある意味ものすごくリアルだったことです。
よく考えてみてください。
宇宙『刑事』なのです。これがまだ宇宙『警備員』だったなら、話は違ったかもしれませんが、『刑事』なのです。
……公務員じゃん!
公務員なのです。
我々(当時)チビッコを熱くさせたあのカッコいいヒーロー達は、公務員だったのです!
どうして気が付かなかったんだろう。
いや、うすうす気が付いていたかもしれませんけど。
公務員の方なら――いや公務員に限らずとも、会社勤めをしている人ならば「あるある!」「わかる!」のオンパレード。ヒーローも一人の人間(人間?)だということ、そして、組織の一員なのだと思うと、ぐっと親近感がわいてきます。こちらの応援にも熱が入るというものです。
先にも書きましたが、一話完結でサクッと読めますので、隙間時間にぴったり。私もそのつもりで読み始めましたが、立て続けに読んでしまうため、「隙間時間とは……?」という気がしないでもないですが。
とにかくお勧めです。
宇宙刑事好きな方!ぜひ!