終わる世界で少女があがくダークファンタジー。(でも狼ちゃんかわいい)

神が破棄することを決定してしまったこの世界は、腐り落ち始めていた。

人々が次々に怪物へ変容していき、さらには異形の魔族も地上へ這い出してきた絶望的な状況。

それでもなお、人同士は争いを続けており、神の使いたる天使たちも陰謀を巡らせる。


この崩壊していく世界を旅するのは、特別な力を秘めた少女セラフィナ。

相棒の狼マルコシアスをお供に、戦いの日々の中で自らの生まれた意味を探し続けるが。

やがて、壮大な陰謀を巡る戦いへ巻き込まれていく──。




どうしようもなく詰んだ世界観が魅力の作品です。

象徴的なのは、世界の終焉の時を知らせる巨大な砂時計が、世界のどこからでも見えること。

いつ世界が終わるのかが、誰からも見えてる、という最恐な世界観。

これぞダークファンタジーといった雰囲気がむんむんです。

そのせいで、生きのこった人たちすら、自暴自棄になって社会が崩壊しかけてたりします。

そんな中で、めちゃつよ系女子セラフィナが、大立ち回りで暴れ回るのが見所の作品なんですが、

アクションシーンに関してはけして期待を裏切らない格好良さで魅せてくれます。

もう一つの見所は、相棒の狼マルコシアス。

このマルちゃんは行動での感情表現が豊で、セラフィナに優しく寄り添ういいワンちゃんなんですねえ。

ダークな雰囲気の中で、唯一な癒やし要素な感じになっているので、台詞こそないですが存在感がすごい。

台詞ありのキャラより印象に残っちゃうくらいに。

結果、『台詞なしの狼』が私の最推しキャラになっちゃいました。




こんな方にオススメ

:詰んだ世界観のダークファンタジーが好き

:めちゃつよ系女子が大活躍するファンタジーが好き

:救いがあるようで、ないような、でもやっぱりある、なのが好き

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