読めばきっと冒頭から惹き込まれるはずです。
物語のキーアイテムである『崩壊の砂時計』が刻む世界終焉までのカウントダウン。
そんな破滅までの時間が可視化されたような世界で、尚且つ人間は『堕罪者』と呼ばれる異形の化物となってしまうという……絶望感溢れる世界を描いたダークファンタジーです。
主人公セラフィナは相棒のマルコシアスと共に生まれた意味を知るために戦い続けていますが体に刻まれた聖痕・スティグマータに苦しめられ続けているため、かなり険しく厳しい宿命を背負っています。
セラフィナを苦しめ続けるこの聖痕の正体が気になるところです。
魔族や天使、神話の神様の名を冠するキャラクター達やファンタジーらしくドラゴンも出て来るお話なので、異世界ファンタジー好きな読者の方々なら親しみやすく読んでいけると思います。
破滅が確約されたようなハードな世界観で救いがあるのか、主人公セラフィナが歩む先に何があるのか、最後まで見届けたくなるはずです。
神が破棄することを決定してしまったこの世界は、腐り落ち始めていた。
人々が次々に怪物へ変容していき、さらには異形の魔族も地上へ這い出してきた絶望的な状況。
それでもなお、人同士は争いを続けており、神の使いたる天使たちも陰謀を巡らせる。
この崩壊していく世界を旅するのは、特別な力を秘めた少女セラフィナ。
相棒の狼マルコシアスをお供に、戦いの日々の中で自らの生まれた意味を探し続けるが。
やがて、壮大な陰謀を巡る戦いへ巻き込まれていく──。
どうしようもなく詰んだ世界観が魅力の作品です。
象徴的なのは、世界の終焉の時を知らせる巨大な砂時計が、世界のどこからでも見えること。
いつ世界が終わるのかが、誰からも見えてる、という最恐な世界観。
これぞダークファンタジーといった雰囲気がむんむんです。
そのせいで、生きのこった人たちすら、自暴自棄になって社会が崩壊しかけてたりします。
そんな中で、めちゃつよ系女子セラフィナが、大立ち回りで暴れ回るのが見所の作品なんですが、
アクションシーンに関してはけして期待を裏切らない格好良さで魅せてくれます。
もう一つの見所は、相棒の狼マルコシアス。
このマルちゃんは行動での感情表現が豊で、セラフィナに優しく寄り添ういいワンちゃんなんですねえ。
ダークな雰囲気の中で、唯一な癒やし要素な感じになっているので、台詞こそないですが存在感がすごい。
台詞ありのキャラより印象に残っちゃうくらいに。
結果、『台詞なしの狼』が私の最推しキャラになっちゃいました。
こんな方にオススメ
:詰んだ世界観のダークファンタジーが好き
:めちゃつよ系女子が大活躍するファンタジーが好き
:救いがあるようで、ないような、でもやっぱりある、なのが好き
崩壊の砂時計により終末が可視化されて荒廃した世界に、空から天使が降り立ち、地より魔族が這い出てくる。そんな世界に現れた少女と一匹------
冒頭から語られる圧倒的なスケールと退廃した世界観に引き込まれました。
ヴィジュアル的に訴えかける力が素晴らしいですね。
また各陣営の複雑な思惑や過去が絡み合う物語ながら読みやすいです。
崩壊に向けて負の感情渦巻く世界の中で、セラフィナやマルコシアス、シェイドの心の交流に救われました。
まだまだ運命に虐められるような予感がしますが、セラフィナたちの幸せな結末をお祈りします!
神が見捨てた 死にゆく世界
終わりを告げる 砂時計
人を狩りしは 天使と魔族
隣人までが 牙を剥く
黒き乙女が 獣を駆りて
終焉の中 闇を舞う
出だしから終末を匂わせる、とてもインパクトのある作品です。
神と魔……聖と邪の二面性を巧みに描く文章力と、細やかな描写は、
とても読み応えがあります。
ホラーではない……でも背筋に走るこの緊張感は、
独特な世界観の中で紡ぎ出された、この作品の魅力の一つです。
謎の多い黒衣の少女が、これまた謎の多い黒狼と共に世界を歩む、
ダークファンタジーの傑作!
この儚くも美しい、耽美な世界……そして不思議な恐怖に満ちた世界観を、
ぜひ皆さんにも堪能していただきたいです!
世界が終焉を迎えるまでの秒読みをする装置、"崩壊の砂時計"の出現。これにより活発化する天使や魔族、そして堕罪者の脅威に晒される人類は、絶望的な状態にあった。
そんな世界を、"聖痕"の宿る少女・セラフィナ(めちゃ強い)が旅をする——。
聖教徒と異教徒との宗教対立。
そこへ介入する、謎の堕天使・死天衆。彼らとセラフィナとの関係とは。
混沌の中で繰り広げられる、セラフィナの旅路やいかに……。
硬派なダークファンタジーですが、類を見ないほどに洗練された美しい物語です。ダークらしいモノトーンな語り口でありながら、とても静謐でまるで讃美歌のよう。一言一句が、神聖さをまとっているのです。
まさに、芸術。堕天使ベリアルさまの美たるや、おぞましささえ感じるほど。そのほかのキャラクターも、愛嬌があったり慈悲深かったりと個性が際立っています。
戦闘描写も申し分なく、ダークなのに心躍り惹き込まれるのが本作の魅力ともいえましょう。伏線も満載なので、ついつい続きが気になっちゃうのは必至です!
「終わり」へとむかう世界で、一筋の希望はあるのでしょうか。
ぜひ、ご一読ください!
どこからでも「崩壊の砂時計」が見えるようになった世界。
神々から見放された人間は、なおも抗い続ける。
醜い宗教対立、恐ろしい天使の存在、そして愚の骨頂と化した元人間「堕罪者」――
終わりかけた世界の中、ただ一つの希望にも見えるのが、
主人公にしてヒロインのセラフィナ。
相棒の黒狼マルコシアスと共に旅する彼女もまた、不思議な聖痕を持ち、謎を秘めているようです。
目に浮かぶダークファンタジーの世界観に心惹かれます。
セラフィナはとても愛らしく、相棒の狼ももふもふしていて魅力的。
セラフィナの旅路と世界の運命を、ぜひその目で見届けてください!