第27話 あれからさらに1年なのよ(後編)

 それから……色々な意味で2025年のカクヨムを騒がせたAI。


 それより前の時期に神霊刃シン様から

『第21話 最後は……』

https://kakuyomu.jp/works/16817330668843508164/episodes/16817330669660918441


への応援コメントで、


『AIにレイティングチェックをしてもらうのも一つでは』


 といったようなアドバイスをいただきました。

 なるほど、「AIにはそのような使い方があるのか。これは試してみる価値大いにあり!」と思って実際に試してみました。


 試してみたのは、第2回ファンタジーBL小説大賞に応募しようと思ったBL作品です。


▶婚約破棄された令息は幽霊王子に恋をする〜世話好きもふもふ精霊たちの声援は奇跡を起こす?

https://kakuyomu.jp/works/16818093090305091991



 私が使用しているAIはChatGPT(個人的に『チャッジーくん』と呼んでいます)




 そしたらですね……チャッジーくんびっくりするくらい大混乱しました。


 もう、即アウト!

 ディープなキスだけで即アウト!

 一体、どうやって、ルビー文庫のBLをかけと?


 何度も説明しても、駄目です。駄目です。このままではダメです。って言われつづけて……。

 最後にはチャッジーくんが、「私がコンテストに合格するラインの文章に書き直してみせましょう」とかドヤ顔で言い始めたものだから、私もキレて「だったらやってみろ」って言い返したら……。


  濡れ場のエロさ満点ドキドキシーンが、枯れ場になって出力された……。

 しかも、受けが『彼女』として出力された……。


 うき――!


 え――。

 それから、延々とチャッジーくんとどうしてこうなったのか、を追求していきました。

(めっちゃ時間かかった。数時間じゃなくて、数日作業。なにやってんだか)


 どうやら、チャッジーくんカクヨム×ルビー公募は「別ルール」というのが理解できなかったのよ。(何度もそこは説明したんだけどね)


 カクヨム利用規約の『公開されているものはR-15まで』ということに引っ張られて、「読者が読める状態での安全性が最優先」という判断になった。とチャッジーくんは自白した。


 私はギリギリのシーンまで表示して、どこからを非表示にしたらいいかを質問したつもりだったんだけど。


 ルビー公募ルールの「審査員だけが読む前提」「やばい章は非公開=下書きでOK」R-15を超えるシーンは「見えない形で存在してよい」を理解させるのが大変だった。


 そして、なんと……


「これ、人間でも混乱します。AIが誤解して当然です」


 とまで言い出しちゃったよ……。

 なんてこったい!


 しかも、どうして受けが女性化したのかもチャッジーくんは言い訳、いや、丁寧に解説してくれた。


 AIはこの順で最適化するらしい。


①リスク回避→②一般受容性→③既存物語パターン


 なにを言いたいのかよくわからないけど、


 BLは、AI内部ではいまだに「高リスク、特殊ジャンル」扱いされているらしい。


 だから、


 男同士の親密さ→性的リスクと誤認


 となり、解決策は『性別を変える』という、『最悪の安全最適化』が起きるそうですよ。


 そもそも、カクヨムの利用規約を超える前提で書いているBLだったから、AIが大混乱したのも無理はなかったのだと思います。

 全年齢版として書いたBLがそうなっているかの判定はできそうです。

(残念ながらそれに該当する作品は私にはありませんので、検証できませんでした)





 この不毛な勘違いやりとりを乗り越え……ようやくチャッジーくんにルビー公募ルールを理解してもらえたのですが……。





――ここから先はカクヨムの利用規約ではなく、BLとしてのエロ表現の問題になります。――





 次は、商用BLの表現範囲も、出版社やレーベル、担当さんの裁量、時代の流れ、社会情勢(ここかなり強い!)で変動するとかで、NGの指摘が弾丸のように続きました。


(この辺りになると、私の応募作品についてではなく、今のBL情勢というような話になってきましたが)


 さっき読んだ商業作品はOKだったのに、なんであかんの? っていう、これもダメ、あれもダメ、というやりとりが延々と続きました。


 商業誌であっても、状況やタイミングによって判断は変わる。

 ……そんな前提で、常にアンテナを張っておく必要があるのだと気づきました。


 そして、


「ChatGPT の回答は必ずしも正しいとは限りません。重要な情報は確認するようにしてください。」ですからね。


 どこで確認したらええねん!


 という話になってしまいますが。


 


 とまあ『幽霊王子』では散々な目にあってしまいました。

 でも、色々と勉強になりました。

 個人的にはAIの言うことをどこまで信じてよいものか、は引っかかっていますが、そもそもが解釈に揺らぎのある話なので、こういう結果になるのでしょう。

 時間はかかりましたが、AIに投げてみて色々と気づけたのでよかったと思います。





 『田舎の竜騎士見習い』のWeb版ですが、ルビーさんからは、改稿するにあたってファンタジー色が強すぎると言われました。

 書籍ではもっと(あのシーンも含めて)BLの糖度を増してと……。回数も増やしました。


 また、チャッジーくんからは、私が影響を受けたBL作品は、BL作品としてはかなりイレギュラーな作品(例外的ケース)なので、それを基準に判断するのはよくないと言われてしまいました。

 解釈に揺らぎがあるのは人間もAIにもあるようです。

 というか、とてもこれはデリケートでシロクロはっきりと分かれるものでもないんだなぁと。





 これだけはお伝えしなければならないことですが……。

 Web版は私の判断で「規約と公開条件に合わせた形」であり、これがBLの基準でも正解でもないです。

(ただ、結果的に多くの人の目に触れることになったので、その部分はクリアできている可能性が高い……と思ってもいいのかなぁという程度です)


 書籍版は担当さんと相談しながら、商業BLとして成立するバランスに調整したものです。


 それだけを見て、これがカクヨムのOK、NGラインだ、と判断するのは失敗するのでやめましょう。


 少なくとも私の場合は、特定の語彙や表現を機械的にNGとされる進め方ではありませんでした。細かな指示はなかったです。


 ただし、これは最初から表現をかなりぼかして書いていたため、結果的に問題にならなかった可能性も……あるかもしれません。





 そして、2025年を無事に生き延びた結果、新たな課題にぶち当たったのですよ!


・ブロマンスってなんやねん!

・全年齢版BLってなんやねん!

・R-15って実際どうやねん!

・官能はちゃうんかい!


 2026年の目標は以上の点を調べつつ、来年の今頃には生存報告ができるよう活動したいと思います。

(え? まだ引っ張るつもりなの!?)



**********

スペシャルサンクス

神霊刃シン様

https://kakuyomu.jp/users/AAA_michiba_sin_x

**********


※本エピソードは、Web版と書籍版を見比べてR-15/R-18の線引きを判断することを意図・推奨したものではありません。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

カクヨムから警告メールが届きました〜ガイドラインに抵触する描写とはなんぞや〜 のりのりの @morikurenorikure

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ