付録1 人物録①(ネタバレ要注意)

【キシュベール地区】

★ベレストック辺境伯領ベレメンド村

◎ドラガン・カーリク 人間 男

ベレメンド村では有名な発明少年。色々と便利な物を作るのだが、勉強はできず、絵も下手、運動神経も悪い。幼少期から竜に懐かれず、御者じゃなく行商を目指す。行商に行ったロハティンで竜窃盗事件に遭い、そのからくりを暴いた事で竜産協会とその仲間から執拗に命を狙われる事に。その後ジャームベック村に潜伏し、さらにエモーナ村に潜伏し漁師になる。乗っていた漁船が難破した事で、それを救出したヴァーレンダー公と知己を得る事になるのだが、盟友になるという約束で別の道を歩む事に。最後は仲間たちと安穏と暮らす約束の地「プリモシュテン市」の市長(パン=ベレメンド)となる。武器は飛刀。妻はレシア・スミズニー。


●アリサ・カーリク(ペトローヴ⇒ポーレ) 人間 女

ドラガンの五歳上の姉。幼い頃からドラガンを溺愛してきた。三歳年上のロマン・ペトローヴと結婚したのだが、ドラガンたちと行商に行ったまま帰って来ず。その後「ベレメンド村の惨劇」に巻き込まれる。村の子供たちを連れて逃げるのだが、最終的に母と二人でロハティンに行く事に。そこでカルポフカに騙され、母を病死させてしまう。ロハティンから脱出したところを街道警察に捕まるも、ベルベシュティ地区の行商たちに救助される。その後はドラガンと行動を共にし、ジャームベック村からエモーナ村へ移住。そこでデニス・ポーレと再婚、長女レオノールを出産。非常に面倒見の良い性格で、仲間たちからは聖母のようと慕われる。プリモシュテン市にてグレムリンに誘拐され惨殺される。


●セルゲイ・カーリク 人間 男

アリサとドラガンの父。御者を生業としており行商隊の竜車を運転。行商先のロハティンで竜窃盗事件に遭い、そのからくりを暴いた事で竜産協会とその仲間から執拗に命を狙われる事に。待ち伏せに遭い胸を矢で射抜かれ即死。ラスコッドとは幼馴染で悪仲間で、共に冒険者をしていた事がある。


●イリーナ・カーリク 人間 女

アリサとドラガンの母。実家の農家の手伝いをして生計を立てている。「ベレメンド村の惨劇」に巻き込まれ、子供たちを引き連れて逃亡する事になるのだが、その途中で病を得てしまう。何とかロハティンまで行くものの、病は回復せず、病死。


●ロマン・ペトローヴ 人間 男

ベレメンド村の村長の息子。アリサの夫。同級生にアリョーナ・ホロミー。次期村長として期待されていたのだが、行商先のロハティンで竜窃盗事件に遭い、そのからくりを暴いた事で竜産協会とその仲間から執拗に命を狙われる事に。竜車内のドラガンを守って斬り殺された。武器は直剣。


●アナトリー・ペトローヴ 人間 男

ベレメンド村の村長。事なかれ主義を非難される事もあったがそれなりに無難に村長をしていた。だが周辺の村からはドワーフの待遇をめぐって孤立気味だった。ある日、村に竜産協会の使者としてロハティンの公安がやってくる。金を返せという竜産協会の使者に対し、多方面に働きかけて金を用意するも、前夜に盗まれてしまう。何かがおかしいと感じたアナトリーは、子供たちをアリサに託して村を離れさせ、自身は広場で処刑された。


●タルナメラ・クリシュトフ ドワーフ 男

ベレメンド村の首長。周辺の村々ではドワーフを人間が虐げるのが当たり前になっている中、ベレメンド村では上手く共生できていた。「ベレメンド村の惨劇」の際にはティザセルメリ族長に事情を説明し、お金を借りたのだが、そのお金は盗まれてしまい、村人は周辺の村の村人により虐殺を受けた。


◎アルテム・ボダイネ 人間 男

ドラガンの幼馴染。父は塗装屋だが、材木屋に就職。「ベレメンド村の惨劇」に巻き込まれる。村の子供たちを連れて逃げるのだが、途中、人間の子供たちを引き受け山賊となる。だがその山賊の拠点が大規模討伐を受ける事に。アルテムは戦利品としてロハティンに連行され、奴隷商のヤニフに引き渡されてしまう。拷問を受け鎖に繋がれていたところを、ヴァーレンダー公たちに救出される。子供たちと共にプリモシュテン市に移住。アリサが惨殺された後はアテニツァたちから武術を学び、ロハティンに潜入し、闇組織の頭領を誘拐。ポーレと最後に脱出する予定が失敗し、足に大怪我を負ってしまう。最後はポーレたちと生きてプリモシュテン市に帰って来た。イネッサ・バビンと交際中。武器は槍。市の戸籍管理担当。


◎ナタリア・ボダイネ 人間 女

アルテムの妹。いつも兄アルテムの後ろに付いて来る娘。「ベレメンド村の惨劇」に巻き込まれる。ゾルタンが一時的な隠れ場所として交渉してくれた神社に隠れていたのだが、夜中に一緒に寝ていたダリアにトイレに行きたいと言われ、そこで捕まってしまう。その後ロハティンに送られ、竜産協会支部長のスコーディルに売られる。同郷のアリョーナと共にスコーディルに奉仕していた所を、ヴァーレンダー公たちに救出される。その後は子供たちと共にプリモシュテン市に移住。イボットと結婚。


◎ハラン・ゾルタン ドワーフ 男

ドラガンの幼馴染。父ドミニクは桶屋。実は母カテリナはラスコッドと付き合っており、ラスコッドが村を逃げた際、既にゾルタンを身籠っていた。そんなカテリナをドミニクは嫁にした。ただしこの事はゾルタンは知らない。「ベレメンド村の惨劇」に巻き込まれ、子供たちを引き連れ村を逃げ出す。一時的に神社と交渉し、その後ティザセルメリ族長に引き受けをお願いするのだが、ドワーフのみ受け入れると言われてしまい他の子たちと別れる事に。族長屋敷で執事として働いているところにドラガンから手紙を貰い、エモーナ村へ移住。その後プリモシュテン市へ。イヴェットと結婚。武器は鉞。市の港湾管理担当。


●ハラン・ドミニク ドワーフ 男

ゾルタンの父。桶屋。ラスコッドに捨てられ、湖に入水自殺をはかろうとした身重のカテリナを引き取り、ゾルタンを我が子として養育する。「ベレメンド村の惨劇」に巻き込まれて殺される。


◎イーホリ・ザバリー 人間 男

ベレメンド村の教師。専攻は植物学。優しいが時に厳格な先生。「ベレメンド村の惨劇」に巻き込まれるが、村長からベレメンド村の生まれでは無い事からと追い出される。その後、ナザウィジフ辺境伯領コムロー村で教師をするが、周囲が自分の事を知っていて蔑んでいた事に気付き村を逃げ出す。ロハティンに行き、孤児院でネヴホディーと二人で教育を施していたのだが、孤児院が潰される。最終的にネヴホディーを追ってプリモシュテン市に移住。市の教育担当。


●モナシー 人間 男

ベレメンド村で工務店を開いていた。ドラガンに井戸の掘り方を教えた。「ベレメンド村の惨劇」に巻き込まれて殺される。無類の酒好き。


●タイマー ドワーフ 男

鍛冶屋。「ベレメンド村の惨劇」にて殺害される。


●ラスコッド・ザラーン ドワーフ 男

ベレメンド村の用心棒。武器は槍。セルゲイとは幼馴染にして悪仲間。細工師の娘ユーリアと鉱山夫の娘カテリネで二股をかけ、カテリネを孕ませながらユーリアを取り、村にいれなくなってロハティンに逃げた。その後ベレメンド村に舞い戻り冒険者をしている。用心棒として付いて行った行商先のロハティンで竜窃盗事件に遭い、そのからくりを暴いた事で竜産協会とその仲間から執拗に命を狙われる事に。竜車内のドラガンを守って斬り殺された。


◎ヘオリー・マイオリー 人間 男

ベレメンド村の用心棒。武器は弓。トラブルメーカーだが茶目っ気もある。用心棒として何度かロハティンに行きアリューナと知り合う。ドラガンと行った行商で竜窃盗事件に遭い、そのからくりを暴いた事で竜産協会とその仲間から執拗に命を狙われる事に。竜車内のドラガンを守って抵抗していたが、ラスコッドの首を切り落として降伏。その後はロハティンで竜産協会の支部で用心棒をしながら商品とされた女性の居場所を探っていた。ヴァーレンダー公たちに助力し、ダリアたちを救い出してプリモシュテン市に。アリョーナと結婚。行商の護衛担当。


◎アリョーナ・ホロミー 人間 女

ロマンの同級生。踊り子になりたいとロハティンに行き、給仕をしながら踊り子をする。だが店の主人が急死、その後カルポフカに引き取られる。さらにチェレピンに借金漬けにされ、奴隷商ヤニフに売られ、竜産協会支部長のスコーディルに買われ奉仕させられる。ヴァーレンダー公たちに救出され、プリモシュテン市に移住。マイオリーと結婚。


◎アンジェラ・イスパス 人間 女

「ベレメンド村の惨劇」に巻き込まれ、アリサたちと共に村を逃げ出す。その後山賊の拠点で暮らしていたが討伐を受け捕虜となり、商品として竜産協会支部長スコーディルに売られしまう。麻薬を嗅がされ死線をさまよっていたのだが、ヴァーレンダー公たちに救出され、ビュルナ諸島での治療にて回復。プリモシュテン市に移住。ムイノクと結婚。


◎オレスト・ヴィクノ 人間 男

「ベレメンド村の惨劇」に巻き込まれ、アリサたちと共に村を逃げ出す。その後山賊の拠点で暮らしていたが討伐を受け捕虜となり、商品として奴隷商ヤニフに売られる。伝染病にり患して死線をさまよっていたのだが、ヴァーレンダー公たちに救出され、ビュルナ諸島での治療にて回復。プリモシュテン市に移住。元山賊たちと一緒に農業に従事。


◎イネッサ・バビン 人間 女

「ベレメンド村の惨劇」に巻き込まれ、アリサたちと共に村を逃げ出す。その後山賊の拠点で暮らしていたが討伐を受け捕虜となり、商品として竜産協会支部長スコーディルに売られしまう。麻薬を嗅がされ死線をさまよっていたのだが、ヴァーレンダー公たちに救出され、ビュルナ諸島での治療にて回復。プリモシュテン市に移住。アルテムと交際中。


◎ダリア・ドゥリビー 人間 女

「ベレメンド村の惨劇」に巻き込まれ、アリサたちと共に村を逃げ出す。ゾルタンが一時的な隠れ場所として交渉してくれた神社に隠れていたのだが、夜中に一緒に寝ていたナタリアとトイレに行き、そこで捕まってしまう。その後ロハティンに送られ、竜産協会支部長のスコーディルに売られる。麻薬を嗅がされ死線をさまよっていたのだが、ヴァーレンダー公たちに救出され、ビュルナ諸島での治療にて回復。プリモシュテン市に移住。学生として勉学に励んでいる。


◎カルツァグ・イヴェット ドワーフ 女

「ベレメンド村の惨劇」に巻き込まれ、アリサたちと共に村を逃げ出す。その後族長屋敷の近くの村で学生をして、卒業後は族長の娘の侍女をしていたが、ゾルタンと共にエモーナ村へ移住。さらにプリモシュテン市に移住。ゾルタンと結婚。


◎リベセン・ラースロー ドワーフ 男

「ベレメンド村の惨劇」に巻き込まれ、アリサたちと共に村を逃げ出す。その後族長屋敷の近くの村で学生をして、卒業後は警護隊の見習い隊員をしていたが、ゾルタンと共にエモーナ村へ移住。さらにプリモシュテン市に移住。武器は槍。市では親衛隊。


◎パクシュ・フラジーナ ドワーフ 女

「ベレメンド村の惨劇」に巻き込まれ、アリサたちと共に村を逃げ出す。当時最年少の五歳。その後族長屋敷の近くの村で学生をし、ゾルタンと共にエモーナ村へ移住。さらにプリモシュテン市に移住。学生として勉学に励んでいる。


★ベレストック辺境伯領

●ベレストック辺境伯 人間 男

オラーネ侯の閨閥。宰相代理のヴァーレンダー公の命を受けたナザウィジフ辺境伯に屋敷を攻撃される。


●ナウモフカ 人間 男

ベレストック辺境伯軍の将軍。軍を率いてオラーネ侯爵軍と合流しスラブータ侯爵領を攻める。領府ネドイカの東ゾロテ・キッツェが落とせず、アバンハード空軍の襲撃を受け敗北。


★ナザウィジフ辺境伯領

◎ナザウィジフ辺境伯 人間 男

国家が急速に二つに割れようとしていく中、滑車製作の請負を機に、いち早く竜産協会たちを裏切りマーリナ侯たちに付く。だが、それがヴァーレンダー公たちには気付かれず疑惑を持たれる。極めて凡庸。


◎シポーラ 人間 男

家宰。最終的に領内の経済を重視してマーリナ侯たちに鞍替えする判断を下し、主を説得した人物。


★ドワーフ

◎ティザセルメリ・ロランド ドワーフ 男

直情型で人情家。ベレメンド村の状況に同情し金を集めて送ったのだが、その金を人間たちに奪われたと感じ、人間たちを恨んだ。その為、村から逃げてきた子に対しドワーフのみ受け入れるという冷たい対応をした。だが、後に真相がわかり酷くその対応を後悔した。それ以降は一貫して反ロハティン姿勢を貫く。それまで犬猿の仲と言われたベルベシュティ地区のエルフたちとも同調。


◎エゲル ドワーフ 男

ティザセルメリの家宰。事務処理は達者だが、問題解決能力は低め。


★ヴィシュネヴィ山

◎ユーリ・チェレモシュネ 人間 男

ヴィシュネヴィ山の山賊の首魁。武器は長巻。人情家。公安に襲われ独りぼっちになったドラガンを自作の弩を担保に助ける。その後逃走してきたアリサたちを受け入れ、アルテムたちを引き取る。山賊の拠点が大規模討伐を受けるとアルテムたちを無事に逃がすためスラブータ侯爵軍に投降。ところがロハティンに連行され、軍の牢に入れられてしまう。そこをドラガンの要請を受けたヴァーレンダー公たちに救出される。身柄を引き受けたスラブータ侯は山賊を処刑した事にしてプリモシュテン市に移住させた。山賊たちはその後農作業に従事。アリサが惨殺された後はアテニツァたちから武術を学び、ロハティンに潜入し、闇組織の頭領を誘拐。スラブータ侯爵の元に潜伏。ポーレたちの怪我の回復を待ってプリモシュテン市に戻った。ダヤナと結婚。市では治安維持を担当。


◎ミハイロ・タロヴァヤ 人間 男

ヴィシュネヴィ山の山賊の側近。武器は幅広刀。常にチェレモシュネと行動を共にし補佐。山賊の中でもかなりの頭脳派で、戦術論にも長けている。敗戦によってユローヴェ辺境伯屋敷前まで迫ったロハティンの正規軍たちに対して、亜人の隊を駆使し撃退する戦術を提案。大勝利に導く。エモーナ村からきた女性と結婚。市では市場管理を担当。

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【完結】抗竜記 ~発明少年、竜世界に抗う~ 敷知遠江守 @Fuchi_Ensyu

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