予想はされていましたが、今年の夏はここ数年に比べて、かなり過ごしやすいですね。
もちろんカアッと暑くなる日はあるのですけど、そうで無い日も多く、暖房の風が吹き込んで来るように熱風がまとわりつくという日が少ないきがしています。
……その割には筆が乗らないんですよね。
クロノヒョウ様の自主企画『第81回「2000文字以内でお題に挑戦!」企画』に参加させていただきました。
『エレーン』
https://kakuyomu.jp/works/2912051606595058541
今回のお題は「路地裏に消えた歌」というものでした。
このお題を見て真っ先に思い出したのは、同じ中島みゆきさんの曲ですが「夜風の中から」という曲でした。
以前、「歌姫」という曲をイメージしながら「リスボンの酒場女」というお話を書いた事があるのですけど、今回もそんな風にしようかなと思っていたんです。
聴いた事の無い方に簡単に説明すると……
別れた女性が、かつて自分と共に過ごした町で別の男性と遊んでいるという話を、あちこちで耳にするという歌です。
歌詞の中に「浮気でやくざな女」とありますので、一方的に捨てられたのでしょう。
女性の噂が聞こえる事を「夜風に手紙を書いている」と詩的表現をしています。
この「夜風に手紙を書いている」という部分を、雨中の路地裏で歌うエレジーにすれば、お題にも適うかなと思っていたんです。
ですが、色々と考えてこのプロットは破棄しました。
何となくですけど「路地裏に消えた歌」というお題から、きっとこういう感じのお話は多いんだろうなって思ったからです。
それと、一回やった事をもう一度やるのも芸がないかなって。
そもそも、本文にも書きましたけど、初期の中島みゆきさんの歌詞は、それ自体がショートドラマになっているものが多いです。
早朝の吉野家でくだを巻いている女性を歌った「狼になりたい」のように。
それならいっその事、よくベストアルバムの歌詞ブックに書かれている解説のように、一つの歌を取り上げてエッセイ形式で書いてしまおうと思いました。
「路地裏に消えた歌」に合う曲。「エレーン」しかないなとなったわけです。
「生きていてもいいですか」というアルバムのタイトルもかなりのインパクトがありますよね。
本文には書かなかったのですけど、このアルバムには「キツネ狩りの歌」という妙にアップテンポな曲も入っています。これがまた、笑ったピエロが殺意を向けてきているようで不気味なんですよね。
実は、未だにこの歌の歌詞で、一点わからないところがあるんです。それはサビの部分。
「生きていてもいいですかと誰も問いたい」
「その答えを誰もが知っているから誰も問えない」
生きていてもいいですか?に対する答えが「Yes」なら、最後の部分は「誰も『問わない』」だと思うんです。
もし「No」であるなら「誰もが知っている」とは思えない。
仮にエレーンが問いたかっただろうというのであれば「誰も問いたい」ではなく「誰かへ問いたい」だと思うんです。
全体的に綺麗な文章の詩なのに、この部分、それもサビである部分だけがおかしいんですよね。
推敲の時に気が付いて修正する時のような、変な違和感を持つんです。
きっとこういう、完璧でない、不安定な部分があるから心に強く残るというのもあるのでしょうね。
※ちなみに、「エレーン」の後の「異国」という曲はエレーンへのレクイエムのような曲なのですが、こちらは本当に気分が落ちている時に聴いてしまうと危険なので、かなり視聴注意です。